A320neo、発表通り9月25日に初飛行を実施


2014-09-26 松尾芳郎

 A320neo飛行

図:(Airbus)初2時間半の初飛行を行い着陸するA320neo。これで3,000時間に及ぶ飛行試験が開始されたのである。型式証明取得は2015年第4四半期、直ぐ後にカタール航空で就航する。

 

A320neoの初号機は、晴天のもと2時間半に及ぶ初飛行を成功裡に終え、午後2時22分にツールース空港(Toulouse-Blagnac Airport)無事着陸した。同機は登録記号”F-WNEO”、エアバスのテスト・パイロットPhilippe PellerinおよびEtienne Miche de Malleray両氏の手で飛行した。

エアバスのブレゲー(Fabrice Bregier)社長兼会長は、「A320neo開発チーム全員、地上整備員、乗員の皆さんに今日の初飛行成功のお祝いを申し上げる」と語った。

A320neoの前身であるA320は、27年前の1987年初めの寒い日に439機の予約を得て、同じツールース空港から初めて飛び立った。以来A320は今日まで6,200機以上を顧客に引渡し、今なお1,500機ほどの受注残を抱えている。

A320がこのような好評を持続できたのは、世に先駆けてサイドステイック操縦桿やフライ-バイ-ワイヤ・システムを採用したことが挙げられる。加えてエンジン燃費の改善、空力性能の向上、客室の改良など、細かい改良を怠らなかったためである。1990年代後半には月産8機に過ぎなかった生産台数が今日ではフランス、ドイツ、中国の工場で合計42機が生産されるようになり、2016年には米国アラバマ工場が稼働するので月産は44機になる。

初飛行したA320neoはPratt & Whitney製のPW1100G-JMエンジン付きで、離陸重量は60㌧であった(A320neoの最大離陸重量は79㌧)。同機はランウエイ32Lを離陸し、南フランス上空で高度6,000ftからスタートし26,500ftに上昇、パイロットにより飛行包絡線範囲の確認と各システムのチェックを実施した。その進行状況はテレメータ・リンク経由で地上に電送され、専門家によりモニターされた。

型式証明取得のための飛行試験は、各モデル(A319、A320、A321各neo)と、それにPW1100G-JMとCFM International LEAP-1Aの両エンジン付きで行われ、8機が参加して、合計で3,000時間の飛行を予定している。型式証明はP&Wエンジン付きのA320neoが最初で、来年2015年第4四半期に取得、直ちにカタール(Qatar)航空に引渡され就航する。A320現用機に比べ座席当たりの燃費は15%向上する、そして2020年までにはこれを20%に向上する予定。

A320neoファミリーには、A319neo 160席、A320neo 189席、A321neo 240席、の3つがあり、新しい狭胴型機市場ではB737Xを押さえ60%を占めている。これまでに60の顧客から3,200機の注文を受けている。

PW1100G-JMプログラムには、我国のエンジン3社が参画してファン、燃焼器、低圧タービンなど重要部品の開発、製造に携わっている。

–以上−

 

本稿作成の参考にした記事は次ぎの通り。

Airbus Home 25 Sept. 2014 “First A320neo successfully completes first flight”

Aviation Week eBulletin Sep 24, 2014 “A320 First Flight Remembered” by Guy Norris