2014-10-05 松尾芳郎
防衛省統合幕僚本部の発表(2014-09-29)によると、9月26日午後6時半頃、海上自衛隊八戸基地第2航空群所属の「P-3C」哨戒機が、宗谷岬の北約40kmの海上を西に向かうロシア海軍艦隊を発見した。艦隊は、グリシャV級小型フリゲート艦2隻、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻、アリゲータIV級戦車揚陸艦1隻、ロプチャーI級戦車揚陸艦1隻、ロプチャーII級戦車揚陸艦1隻、ソニア級沿岸掃海艇2隻、の小型艦艇による合計12隻であった。
この内グリシャV級小型フリゲート艦およびタランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇の一部は、9月18日および同22日に宗谷海峡を東に向かったものと同じ。状況から察するにこの艦隊は、国後、択捉など北方四島を含む千島列島で行われた、島嶼攻略、奪回を想定したロシア軍演習に参加した後、ウラジオストック海軍基地に帰投中のものと思われる。
ウクライナ情勢を巡り欧米や日本との対立が深まる中、今回の演習は我国が求める北方領土の返還には応じられない、さらに必要あらば奥尻、礼文などの攻略も不可能ではない、との意思表示との見方ができる。
我国国防の関心事はもっぱら東シナ海尖閣諸島に集まっているが、今回のロシア艦隊の行動は、北の守りも依然として等閑視できないことを教えてくれた。
図:(海上自衛隊)
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