エアバスA320neo、型式証明試験飛行中にエンジンに鳥衝突


2015-05-10(平成27年) 松尾芳郎

 11022625_849483451765916_1540993852219730915_o

写真:(Aviation News) 去る4月30日、P&W製PW1100G-JMエンジン付きエアバスA320neo初号機MSN6101が、型式証明取得のための試験飛行中の離昇時に、右エンジンに鳥衝突を受け排気口から火炎を噴き出した様子。

 

エアバスによると、高出力飛行では、排気口から火を噴出することはままあることで、今回の件が機体の型式証明取得に影響が及ぶことはない、と説明している。

PW1100G-JMエンジン付きA320neoの証明取得試験飛行には、3月末に2号機が参加し飛行時間が急増し始めた時期に今回の鳥衝突事件が生じた。損傷の程度は不明だが、検査結果ではエンジンまたは一部部品の交換が必要になるかもしれない。

A320neo系列機にはA319neo、A320neo、 A321neoの3機種があり、これらには次世代型エンジンであるPW1100G-JMあるいはCFM Leap-1Aのいずれかを選べる。A320neo系列機は次世代型エンジンと翼端に新設した“シャークレット(Sharklets)”で、在来型A320ceoに比べ燃費を15%以上改善する。

A320neo初号機MSN6101の初飛行は、2014年9月にツールース(Toulouse Blagnac)空港で成功、以後試験飛行が続けられてきた。型式証明取得のための試験飛行は、上記両タイプのエンジン付きで、それぞれA320neo 2機、A321neo 1機、A319neo 1機ずつで各々4機、計8機を使い、合計で約3,000時間行われる。

CFM Leap-1Aエンジン付きA320neoの初号機は、この4月初旬に完成し、今年6月のパリ航空ショーの前までに初飛行を行う予定である。

ローンチ-エアラインである中東のカタール航空への引き渡し/就航開始は、PW1100G-JMエンジン付きA320neoで、今年(2015年)11月を予定している。

A320neo系列機は、これまでに60社以上から合計で4,000機以上を受注している。

−以上−

 

本稿作成の参考にした主な記事は次の通り。

Aviation Week News Letter May 4, 2015 “Bird Strike will not affect A320neo Timeline, says Airbus” by Guy Norris

Aviaation News 5/8/2015 “A320n30 PW1100 engine sustain bird sotrike during flight test”

Airbus Press Center “A320neo”