ロシア空軍Su-24型機2機が日本海北陸沿岸に接近


2018-04-08(平成30年) 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚監部によれば、4月7日土曜日にロシア空軍のSu-24型戦術偵察機2機が、我国北陸地方の日本海沿岸に接近飛行を行った。これに対し航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させ、領空侵犯を防いだ。

これについても我国メデイアは完全無視、国会野党と同じく数年前の陸自イラク派遣部隊の日誌発見問題、オスプレイの横田配備前倒し問題などに明け暮れている。

Su-24 2機のうちの1機

図1:(統合幕僚監部)4月7日に我国防空識別圏を侵犯したロシア空軍のSu-24戦術偵察機。スーホイ(Sukhoi)Su-24攻撃機の後期量産型Su-24Mを偵察機型に改装した機体でSu-24MRと呼ぶ。機首にはBKR-1側方視認レーダーを搭載、胴体下面には赤外線センサー、電子偵察機材、各種カメラを搭載、主翼下面には電子情報蒐集のELINTポッドを備えている。ロシア空軍の戦術偵察機の主力。

基本形のスーホイ(Sukhoi) Su-24フェンサー(Fencer)は、超音速の全天候攻撃機で、可変後退翼、双発で並列座席に乗員2名が乗る。1974年就役開始、1993年までに約1,400機が作られた。航続距離3,000 km、爆弾・ミサイル搭載量は8 ton。構造、電子装備の近代化改修が行われSu-24M2として配備されている。最大離陸重量は43,8 tonの大型機で、可変後退翼は飛行モードに応じて4段階にセットできる。エンジンはサターン(Saturn)AL-21F-3A、アフトバーナ付き推力24,700 lbsが2基。ロシア空軍では各種合わせて約370機を配備している。

Su-24 2機

図2:(統合幕僚監部)4月7日のSu-24戦術偵察機2機の航跡。Su-24は電子情報収拾のELINTポッドを搭載しているので、我国日本海側の設置されている長距離レーダーFPS-5とFPS-3改の電子情報を探るのが目的のようだ。

FPS-5 : 三菱電機製、巡航ミサイルと弾道ミサイルの探知、追跡用のアクテイブ・フェイズド・アレイ・レーダーで探知距離は数千キロと言われている。高さ34 mの6角柱の建物3面に巨大なレーダー面を設置、建物全体が回転する。1面には直径18 mの覆の下にL、S、バンドの主力レーダーがあり航空機と弾道ミサイルに対処する。他の2面には直径12 mの覆の下にLバンドレーダーがあり、航空機に対処する。全国に4箇所設置され、佐渡は2009年度末から、大湊は2010年度末からそれぞれ運用を始めている。

FPS-3改 :三菱電機製。巡航ミサイル、弾道ミサイルの探知、追跡用レーダーで、Xバンドを使い探知距離は600 kmと言われている。ドーム内に遠距離用、近距離用の2種のアンテナがあり、回転するアクテイブ・フェイズド・アレイ方式。1991年に完成、当別、加茂、輪島を含む全国7箇所に配備されている。

レーダーについてはTokyoExpress 2017—02-04“ミサイル防衛の近況”に述べてあるので参照されたい。

 

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