2019-08-30(令和元年) 松尾芳郎
図1:(Lockheed Martin) [F-16]は世界で最も成功した多目的戦闘機、35年前に米空軍に導入されて以来絶えず改良が加えられ、現在では世界25ヶ国の空軍で約3,000機が使われている。第4世代戦闘機として最も優れている[F-16 Block 70/72]は、第5世代戦闘機用の[AESA]レーダーと最新のアビオニクスを装備、構造を強化し寿命を既存機より50 %伸ばしている。先進型データ・リンク、ターゲテイング・ポッド、各種搭載ミサイル、GPS航法装置、自動地表衝突回避装置(Auto GCAS)、などの装備で、戦闘能力を一段と向上している。
The Diplomat紙(August 16, 2019)によると、米国政府は台湾政府の要求に応じ、ロッキード・マーチン製多目的戦闘機[F-16 Block 70/72]を66機、合計80億ドルの売却を決めた。
トランプ政権は、8月16日に上下両院の関連委員会 (Senate Committee on Foreign Relations およびHouse Foreign Affairs Committee) にこの事案を通告、両委員会とも反対意見はないので数週間以内に承認され、FMS(Foreign Military Sales)手続きを経て1ヶ月以内に正式決定が発表される。
この数ヶ月、米中関係は貿易問題を始めとし急速に悪化しつつある。米海軍第7艦隊所属のドック型輸送揚陸艦USSグリーン・ベイ(Green Bay)[LPD-20]とハワイを母港とするイージス巡洋艦レーク・エリー(Lake Erie)[CG-70]の2隻が8月17日に香港を訪問したいと求めたのに対し、中国政府はこれを拒否した。
8月23日にはこの内の一隻、揚陸艦「グリーン・ベイ」が台湾海峡を通過し「航行の自由作戦」(Operation Enduring Freedom)を実施した。米海軍艦艇による台湾海峡通過作戦は今年になってこれが7度目となる。
中国政府はこれに強く抗議するとともに、8月27日には台湾近海で今月3回目となる海軍艦艇による実弾射撃演習を実施した(Sputnik News 27-08-2019)。
図2:(Wikipedia/US Navy)USS「グリーン・ベイ(Green Bay)」はサン・アントニオ(San Antonio)級ドック型輸送揚陸艦の2番艦、ウイスコンシン(Wisconsin)州の湾の一つグリーン・ベイから名付けられた。ニューオーリンズのノースロップ・グラマン造船所で建造され、2009年に就役、現在は佐世保を母港にしている。「サン・アントニオ」級は、満載排水量25,000 ton、全長208.5 m、幅31.9 m、出力はデイーゼル・エンジン4基合計40,000 hp、速力22 kt、海兵隊員700名を輸送できる。武装はMk 44ブッシュマスター(Bushmaster) 30 mmキャノン砲2門とRIM-116ローリング・エアフレーム・対空ミサイルを2基装備している。後部飛行甲板にはCH-46大型輸送ヘリ、MV-22オスプレイ、F-35BなどのSTOVL機が発着可能。
台湾では、8月15日台北で開催された航空宇宙防衛技術展示会で蔡英文総統は記者団の質問に答え、「我々は航空防衛能力を常に高め続けなければならない。その一つとしてF-16戦闘機のさらなる増強が必要だ。」と発言、暗に米国政府の売却決定の遅れに苛立ちを見せていた。これに対する米政府の回答が、翌日の売却決定の報道である。台湾政府はこれと同時に[F-35]の購入も希望しているが、実現していない。
台湾国防省は自主防衛能力を高めるため、今年3月米国に対し公式に「F-16戦闘機の売却」を申し入れていた。台湾が最後に米国製戦闘機[F-16]を受領したのはジョージ・H.W.ブッシュ政権時代の1992年のことで、それ以降30年近く途絶えていたが、今回の決定で再び息を吹き返したことになる。
現在台湾空軍は、144機の[F-16 A/B Block 20]を保有している。米国オバマ政権の時代に、台湾政府の求めに応じ、53億ドルでAESAレーダーを含む部品の売却が決まり、これに基づき新しい[F-16V]仕様に改修する計画(台湾では”Phoenix Rising Project”と呼ぶ)が昨年10月にスタートした。改修は台湾・南西部の空軍基地内にある国有企業「航空工業開発公司(AIDC=Aerospace Industrial Development Corp.)が担当、2023年の完了を目標にしている。台湾政府は、この改修部品輸入決定の際にも、併せて[F-16 Block 50/52]の購入を希望したが、中国との関係を重視したオバマ政権により拒否されたと云う経緯がある。
トランプ政権になると、台湾の防衛能力向上に力を入れるようになり、2019年7月には陸軍向けに[M1A2T]エイブラムス(Abrams)戦車108台とその支援車両[M88A2]ハーキュリーズ(Hercules)を含め総額20億ドルの売却を決定した。さらに携行式対空ミサイル[Block I -92F]ステインジャー(Stinger)250発の売却も決めている。
一方中国政府は、米国が台湾に[F-16V]の売却を決めたことに対し報復すると言明し、この取引に関与した全ての米国企業に対し対抗措置を採ると表明、中国外務省報道官は「本件は中国の主権を侵害し、安全を脅かすものだ」と述べ抗議した。
トランプ政権による今回の最新型[F-16]の売却決定は、台湾の国防能力を飛躍的に向上させるだけでなく、来年春に行われる総統選挙で、現在拮抗状態にある蔡総統の再選に向けた大きな支援につながると見られる。
本件について米国の「ランド研究所」(Rand Corp.)の上級防衛アナリストのデレク・グロスマン(Derek Grossman)氏は「台湾は、F-16に限らず米国製武器の供与には常に感謝している。これは中国に対し、若し台湾に侵攻するなら米国はいつでも防衛に駆けつけるぞ、と云う意思表示になるからだ」と語っている。
[F-16]の概要
[F-16]ファイテイング・ファルコン(Fighting Falcon)は、単発、超音速多目的戦闘機で、ゼネラル・ダイナミックス(General Dynamics)社で開発された。1976年以来4,600機以上が生産され、米国は、空軍を主に各種モデルを合計で1,245機を運用している。これらは逐次新型の第5世代戦闘機[F-35]に更新されるため、継続発注はしていない。しかし海外の需要は活発で[F-16 Block 70/72]を含む新型機が輸出向けに今でも生産が続いている。
1993年にゼネラル・ダイナミックス社は航空機製造部門をロッキード社に売却、その後1995年にマーチン社と合併、ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)となり現在に至っている。
[F-16]は、視界の良いバブル型キャノピイを備え、操縦桿は操作性の良いサイド・ステイック型、”9-g”を加えながら旋回するなど運動性を良くするため、静的安定性を犠牲にしたフライ・バイ・ワイヤ[relaxed static stability / fly-by wire]フライト・コントロールを採用している。武装は[M61 Vulcan]20 mm 6連装回転銃身式機関砲1門と、主翼・胴体など11箇所のハードポイントに各種ミサイルなど約7 tonを搭載できる。
構造は比較的単純で、単価を抑えるために、重量比で大部分がアルミ合金、複合材は3 %、チタン合金は1.5 %しか使っていない。潤滑油給油箇所、燃料配管の接続箇所、交換可能な機器類などを少なくし、整備性への考慮が払われている。アクセス・パネルの80 %は脚立を使わずに開閉できる。
構造強度は、寿命8,000時間を目標に設計されていて、この期間であれば、機内燃料タンクを満タンにした状態で”9-g”運動ができる。このため当初の目的が“空対空戦闘”であったのが、対地攻撃を含む“多目的戦闘機”への変更が容易にできた。
全体の形状
[F-16]は、やや短めの後退角40度・後縁は直線のデルタ翼で翼胴一体型(wing-fuselage blending) 形状、前胴のエンジン・エア・インテイク下面に小翼(strakes)がある。尾翼は普通の3枚式で水平安定板は全可動式。脚は3車輪式、前脚はエア・インテイクの下面に付いている。空中給油の受給孔はコクピット・キャノピーのすぐ後ろにある。ラダー/垂直尾翼の付け根にはECM装置あるいは着陸時に使うドラグ・シュートが収められる。その前の膨らみは機器の搭載か追加燃料タンクに使われる。運動性を良くするため、翼型にはNACA 64A-204可変キャンバー型を使い、キャンバーは「フライト・コントール・システム(FCS=flight control system)」により前縁フラップと後縁フラッペロン(flaperons)を動かし、キャンバーを変える仕組みになっている。
[F-16]は、このように運動性能を向上させるために、世界初の空力安定性を犠牲にする[RSS=relaxed static stability]システムを採用した量産型機である。殆どの飛行機は、パイロットが操縦桿を手放せば、自分から安定した水平直線飛行に入りそれを続ける“正の静的安定性”(positive static stability)を持つよう設計されている。しかしこれは運動性能を減殺することにつながる。反対に“負の静的安定性”を持たせれば運動性能が向上する。[F-16]では超音速飛行になると空力特性が変わり、安定性が増えるという。
火器管制レーダー(fire-control radar)
[F-16]戦闘機の初期型[F-16A/B]にはウエステイングハウス(Westinghouse)(現ノースロップ・グラマン)製の[AN/APG-66]が装備されていた。パルス・ドップラー・レーダー(pulse doppler radar)で、探索目標に応じ”X“バンドの4つ周波数を使い分けるMulti-mode Radar。
[F-16C/D Block 25]になると[AN/APG-68]が装備された。これで中射程空対空ミサイル[AIM-120 AMRAAM]の運用が可能になった。[APG-68]はドップラー・ビームが鋭くなり、探知距離、解像度が向上し、地上・海上の移動目標を10個まで同時追跡が可能になった。
[F-16 Block 40/42]に装備する[APG-68(V)1]は、ロッキード・マーチンが開発した「ランターン(LANTIRN=Low-Altitude Navigation and Targeting InfraRed for Night)(赤外線使用の夜間低空航法および目標視認)」ポッドと完全な適合性を備えている。高PRF (pulse-repetition frequency)ドップラー追跡モードを使えば、射程最大70 kmの空対空ミサイル[AIM-7スパロー(Sparrow)]の発射も可能。
[F-16 Block50/52]では、新しい高速プロセッサー(VHSIC技術)を使った[APG-68(V)5]となり、その後はさらに改良された[APG-68(V)9]が搭載されている。これで空中目標探知距離が30 %伸び、合成開口モード(SAR=synthetic aperture mode)では地上目標の探知精度がさらに向上した。
最新型の[F-16E/F]にはノースロップ・グラマンの[AN/APG-83] AESA(active electronically scanned array) [SABR=scalable agile beam radar]が装備されている。[APG-83]は、[F-22]戦闘機用の[APG-77]レーダーや[F-35]用の[APG-81]と同じAESA型で[F-16]向けに開発されたもの。[SABRE]の”scalable”とは他の機種にも僅かの修正で簡単に取付けが可能、という意味。言い換えると[F-22]や[F-35]などの第5世代の戦闘機用に開発された最新のレーダーを、第4世代機である[F-16E/F]に搭載するということである。
AESA (active electronically scanned array)とは、平板状に配置された数百の送受信ユニット(TR unit=transmitter-receiver unit)、つまり微細なレーダーから発射するビームをコンピューターで操作、高速度でスキャンする方式。送受信ユニット毎に発射電波の周波数、走査方向、パターンを変え、反射した電波を電子的に処理し目標を探知する。これで敵レーダーから探知されにくくなる。
図3:(Northrop Grumman)米空軍の[F-16 Block 40/50]と台湾空軍の[F-16 A/B]の合計445機の近代化改修プログラムに採用されたノースロップ・グラマン[AN/APG-83] AESAレーダー(黄色の八角形の部分)。[AN/APG-83]は、台湾空軍が66機購入する[F-16 Block70/72]にも採用されている。アンテナ面には数百個のレーダー/送受信ユニット(TR unit)が配列され、そこからのビームを電子的に制御、高速でスキャンする[AESA]方式である。
(注)「ランターン(LANTIRN=Low-Altitude Navigation and Targeting InfraRed for Night)(赤外線使用の夜間低空飛行および目標視認)」用ポッド;―
海軍の[F-14]、空軍のF-15E]および[F-16 Block 40/42]以降に搭載され、天候にかかわらず低空を夜間飛行し、地上目標を精密誘導兵器で攻撃する装置で2つのポッド、[AN/AAQ-13]・航法ポッドと[AN/AAQ-14]・目標視認ポッド、から成る。「地形追尾レーダー(TFR= Terrain-Following Radar)」と「赤外線前方視認装置(FLIR=Forward-Looking Infra-Red)」から機体の「火器管制装置(fire control system)」に情報を伝え、レーザー光線で目標を照射し続ける。米国、台湾を含む10ヶ国で採用され、これまでに1,400セット以上が生産された。1999年価格で1セット約460万ドル。
図4:(Lockheed Martin) ギリシャ空軍向け[F-16CJ]に取付けられた「ランターン」の拡大写真。大きく口を開けた「エンジン・エア・インテイク」の両脇に、[AN/AAQ-13]航法ポッド/左側、[AN/AAQ-14]目標視認ポッド/右側(太い方)、が取付けられている。
エンジン
初期の[F-16]には、[F-15]用の[Pratt & Whitney F100-PW-100]を改良した[F100-PW-200]アフトバーナー付きターボファンが使われた。しかしエンジン・ストールの問題があったため、1997年からの[F-16 Block 25]には改良型の[F100-PW-220] 推力23,770 lbsが、続いて性能向上した[F100-PW-220E]が導入された。[F100-PW-220/220E]の騒動を受け、米空軍は、後に“グレート・エンジン・ウオー(Great Engine War)”として知られる[AFE= Alternate Fighter Engine Program] (代替戦闘機エンジン・プログラムの意)を発動、[F-16 Block 30]以降からGE製の[F110-GE-100]推力25,735 lbsを併行して採用する方針を決めた。そして「F-16 Block 30」の呼称を、数字最後の桁をGEエンジンでは”0”、PWエンジンでは”2”とすることにした。
その後の両社の性能向上策で、[F-16 Block 50]では[F110-GE-129]は推力29,588 lbsに、また[F-16 Block 52]では[F100-PW-229]推力29,160 lbsに推力が増加した。
現在米空軍では、保有する1,446機の[F-16C/D]のうち、556機が[F100] PWエンジン付き、890機が[F110]GEエンジン付きとなっている。
中東のUAEが注文した[F-16 Block 60]にはGE製[F110-GE-132]推力32,500 lbsが採用されている。
米空軍では、[F-16]を2025年まで使う予定だったが、[F-35A]への更新が遅れているため、2040年以降まで配備期間を延長する決定をしている(2017年4月/CNN報道)。
[F-16]の[Block numbers]
[F-16]は、改良型を順番に[Block numbers]で表示している。以下に改良型を簡単に説明する。
[F-16A/B]:-
[F-16A]は単座型、[F-16B]は複座型で、[Block 1, 5, 10, 20]がある。[Block 15]は水平安定板を大型化した機体で、475機が作られた。[F-16A/B]の多くは[Block 20]に改良され、ほぼ[F-15C/D]型に匹敵する性能になった。主題の台湾空軍は、1992年に米政府から[F-16]の輸出承認を取得、しかし米政府の意向で当時の最新型[F-16 C/Dではなく、その前段階の[F-16 A/B Block 20]型を、[A]/120機、[B]/30機の合計150機購入した(現在は144機)。これを2022年までに後述の最新型[F-16 V]に改修する計画である。
[F-16C/D]:-
[F-16C]は単座型、[F-16D]は複座型で1984年から生産開始、最初のモデルは[F-16C/D Block 25]で、コクピットのアビオニクスとレーダーを更新、中・長射程のAIM-7およびAIM-120空対空ミサイルの発射が可能になった。この[C/D]系列には細分して[Block 30/32, 40/42, および50/52]がある。単価は1988年価格で1,880万ドル(約21億円)。韓国空軍が180機保有している。
[F-16E/F]:-
[F-16E]は単座型、[F-16F]は複座型で、[F-16C/D Block50/52]を改良した[Block 60]型である。中東のUAB (United Arab Emirates)空軍からの要求で作られた。UABは80機を保有している。前述したがレーダーを[AN/APG-83] AESA型に改め、アビオニクスを一新、胴体翼付け根の上面に「コンフォーマル燃料タンク(CFT=conformal fuel tank)を増設、エンジンはGE製[F110-GE-132]を装備している。
[F-16V]:-
[F-16V]はロッキード・マーチンの社内名称で、”V”は”Viper(マムシ)“の略。公式には[F-16 Block 70/72]と呼ばれる。2012年2月に新型機として発表され、改修用部品も用意されている。1号機は[2015年10月に初飛行済み。AN/APG-83] AESAレーダー、新型コクピット・アビオニクスを採用し、「自動地表衝突回避装置(Auto GCAS)」も装備する。機体構造を強化し耐用寿命を在来機より50 % 延伸し12,000時間にする。中東バーレン空軍は2018年6月に[F-16 Block 70]を16機発注、エンジンはGE製[F110-GE-129]を選定した。
台湾は前述のように、運用中の[F-16 A/B]を[F-16V]型に改修、これとは別に、[F-16V]新造機を66機、総額80億ドル(約8,500億円)、つまり単価1億2000万ドルで購入する。台湾は改修型機用エンジンに[F100-PW-229]を選定しているので、[F-16V]新造機にも同じエンジンを採用すると見られる。
図5:(Lockheed Martin/Jane’s 360) 中東のバーレン(Bahrain)空軍は[F-16 C/D Block 40]を20機保有しているが、これを[F-16 V Block 70]へ改修することを検討中。そして16機の[Block 70]新造機の購入を決めている。
図6:( Lockheed Martin/Taiwan News) [F-16 ]の正面の写真、「コンフォーマル燃料タンク(CFT)の正面の形がよく分かる。
[F-16]の主な仕様は次の通り。文献により多少の違いがあるが大半はロッキード・マーチン資料に拠った。
全長 15 m
高さ 5.09 m
翼幅 9.45 m
自重 9.2 ton
最大離陸重量 21.77 ton
エンジン推力 29,000 lbs / 13 ton
設計荷重 9g
速度 1,500 mph (マッハ2+)
兵装搭載量 7 ton
戦闘行動半径 1,760 km
航続距離 3,980 km
終わりに
台湾への最新型第4世代戦闘機[F-16 Blok 70/72] 66機の売却、台湾空軍保有の[F-16 A/B] 144機を[F-16 V]への改修作業の開始、さらに海軍艦艇による台湾海峡の「航行の自由作戦」の常態化など、ここへきて米国は台湾侵攻を阻止する構えを鮮明にしてきた。これで中国が目論む台湾侵攻は当面は見送られそうだ。
中国、ロシアの動きを牽制する米太平洋空軍(PACAF =Pacific Air Forces)は、ハワイ・ヒッカム統合基地に本拠を構える。主要部隊は、第5空軍・横田基地、第7空軍・韓国烏山基地、第11空軍・アラスカ州エレメンドルフ基地。その中で[F-16 C/D]を配備するのは、第35戦闘航空団/三沢基地、第8戦闘航空団/韓国群山基地、第51戦闘航空団/韓国烏山基地。ハワイ・ヒッカム基地とアラスカ・エレメンドルフ基地には[F-22A]戦闘航空団があり、必要に応じ三沢、嘉手納などに進出する態勢をとっている。
―以上―
本稿作成の参考にした主な記事は次の通り。
The Diplomat August 16,2019 “US Moves Ahead with $8Billion F-16 Fighter Jet Sale to Taiwan” by Franz-Stefan Gady
Bloomberg August 21, 2019 “China Threatens Retaliation Over U.S. Arms Sale to Taiwan”
Jane’s 20 August 2019 “US progresses F-16 sale to Taiwan” by Jon Grevatt
AINonline August 9, 2013 “Northrop Grumman Selected for US F-15 AESA Radar” by Bill Carey
Northrop Grumman “APG-83 Scalable Agile Beam Radar (SABR) AESA for the F-16 and Legacy Aircraft”
F-16.net “AN/AAQ-13 & AN/AAQ-14 LANTIRN Navigation & Targeting Pod”