2020-08-02(令和2年) 松尾芳郎
令和2年7月、我が国周辺における中露両軍の活動として、統合幕僚監部が発表したのは次の3件、関連して海上幕僚監部発表は3件、そして航空幕僚監部から2件あった。さらにロシア海軍情報局が2件、中国軍英文サイト[Chana Military online]から4件の発表があった。加えて中国海警局艦艇による沖縄県尖閣諸島周辺の領海、接続水域への侵犯は4月中旬以来1日も休むことなく7月末日まで108日間続いている。尖閣諸島侵犯問題については日本政府高官から中国側に厳重抗議しているが、無視され続けている。
(According to the Japan’s Ministry of Defense, Russ & Chinese military movements around Japanese Islands have kept high and increasing. Penetrating the Sennkaku Islands territorial water by the China’s Coast Guard Vessel have continued more than 100 days.)
- 統合幕僚監部発表
7月15日公表 ロシア海軍艦艇の動向について
7月20日公表 中国海軍艦艇の動向について
7月29日公表 ロシア海軍艦艇の動向について
- 海上幕僚監部発表
7月7日 公表 令和2年度機雷戦訓練(陸奥湾)および日米共同掃海特別訓練について
7月17日 公表 対潜特別訓練について
7月21日 公表 日米豪共同訓練について
- 航空幕僚監部発表
7月20日 公表 米空軍との共同訓練の実施について
7月28日 公表 米空軍との共同訓練の実施について
- ロシア海軍情報局発表
7月3日 発表 カムチャツカ半島にMiG-31重迎撃戦闘機を配備
7月16日 発表 日本海で大型対潜艦の実弾射撃訓練を実施
- 中国”China Military on Line”発表
6月29日 発表 中国海軍、南シナ海・西沙諸島海域で演習
7月12日 発表 最新型052D駆逐艦、東シナ海・台湾海域で演習
7月24日 発表 中国軍、海南島に隣接する雷州半島西の海域で実弾射撃演習を実施
7月30日 発表 中国海空軍、南シナ海で“高強度な演習”を実施
7月15日公表/統合幕僚監部 ロシア海軍艦艇の動向について
7月14日(火)午後4時、北海道宗谷岬北東350 km の海域を南西に進むロシア海軍グリシャIII級小型フリゲート1隻とズビョゾドチカ級兵器輸送艦1隻を発見した。同艦隊は宗谷海峡を西に向かい日本海に入った。発見・追尾したのは北海道余市分屯地の海上自衛隊第1ミサイル艇隊所属「くまたか」と八戸基地第2航空群所属「P-3C」哨戒機である。
図1:(統合幕僚監部)グリシャ級(Grisha class corvett)は満載排水量1,200 tonの小型対潜艦で、1124型と呼ばれる。速力34 ktの高速艦。対潜用として艦首にRBU-6000対潜ロケット砲2基(96発)を備える。対空戦用には艦首甲板下に4K33 OSA-M 個艦防空ミサイルを搭載。グリシャIII級ではAK-630 30 mm CIWSを追加している。グリシャIII級は1970年代後半から10年間建造され、20隻が配備中。改良型のグリシャV型は主砲をAK-725 57 mm連装砲から、AK-176単装砲に換装している。こちらは28隻が配備中。
図2:(統合幕僚監部)ロシア海軍情報管理局によると、本艦はセベロビンスクの造船所「ズビョゾドチカ」社で ”プロジェクト20180” の2番艦として建造され、艦名は「アカデミック・コワリョーフ」。2016年9月に北方艦隊から太平洋艦隊に配属となった。耐氷性能(Arc-5)に優れ、全長100 m、排水量6,000 ton、90 ton級クレーンを装備する。艦橋上部にはヘリコプター甲板を備える。ロシア海軍ではさらに2隻の建造を計画中。カムチャツカ半島の南東にある “陸の孤島” 原潜基地ビリュチンスクに戦略原潜用の弾道ミサイルをウラジオストックから輸送する目的で配備したもの。
7月20日公表/統合幕僚監部 中国海軍艦艇の動向について
7月13日(月)午前7時、沖縄県久米島の北西150 kmの海域を南西に進む中国海軍ジャンカイII級フリゲート1隻を発見した。同艦は沖縄本島と宮古島間の宮古海峡を南下し太平洋に出たが、18日(土)に再び宮古海峡を北上、東シナ海に入った。発見・追尾したのは横須賀基地海上自衛隊第11護衛隊所属の護衛艦「あまぎり」、佐世保基地第3ミサイル艇隊所属の「おおたか」および那覇基地第5航空群所属の「P-3C」哨戒機である。
図3:(統合幕僚監部)「ジャンカイII/江凱II」型は「054A」フリゲート、2008年に1番艦「舟山」が就役した。満載排水量4,500 ton、全長137 m、速力27 kt、HQ-16対空ミサイルを米国のMk 41 VLSに似た32セルVLSに収めている。対艦ミサイルは艦中央部にYJ-83型を4連装発射機2基に格納している。[045A]型フリゲートは外洋艦隊用で防空能力を強化。写真の[577]「黄崗/Huanggang」は17番艦で2015年就役、東海艦隊に所属。
7月29日公表/統合幕僚監部 ロシア海軍艦艇の動向について
7月28日(火)午後10時、北海道宗谷岬北西110 kmの海域を東オホーツク海に向けて進むロシア海軍タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻とズビョゾドチカ級兵器輸送艦1隻を発見した。これら艦艇は宗谷海峡からオホーツク海に向け航行した。発見、追尾したのは北海道余市分屯地海上自衛隊第1ミサイル艇隊所属の「くまたか」である。
今回のロシア艦隊の行動は、ウラジオストックからカムチャツカ半島南東の原潜基地ビリュチンスクに戦略原潜用弾道ミサイルを輸送する航海で、それをミサイル護衛哨戒艇2隻が護衛したもの、と見られる。
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇(954)とズビョゾドチカ級兵器輸送艦の写真はない。
図4:(統合幕僚監部)タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇は、超音速対艦ミサイルSS-N-22連装発射筒を両舷に備える。現役は25隻、満載排水量462 ton、速力36 kt、兵装はSS-N-22対艦ミサイル4基と76 mm単装砲1門。SS-N-22は、ロシアでは「P270」モスキートと呼び、全長約10 m、直径0.74 m、重量4.5 ton、300 kg HEまたは200 k ton核弾頭を搭載。射程は最大で250 km、速度はマッハM2.2~M3、推進はインテグラル・ロケット・ラムジェット(IRR)。ソブレメンヌイ級駆逐艦、ウダロイII級駆逐艦にも搭載している。
7月7日公表/海上幕僚監部 令和2年度機雷戦訓練(陸奥湾)および日米共同掃海特別訓練について
令和2年7月18日(土)から30日(木)の間、海上自衛隊は米海軍と共同で青森県陸奥湾で機雷戦訓練および掃海訓練を実施。参加部隊は海上自衛隊から掃海母艦2隻、掃海艦2隻、掃海艇11隻、航空機MCH-101掃海ヘリ3機、P-3C哨戒機3機、P-1哨戒機2機。米海軍から掃海艦2隻である。訓練機雷を使い敷設訓練、掃海訓練および潜水訓練を実施した。
7月21日公表/海上幕僚監部 日米豪共同訓練について
令和2年7月19日(日)から同23日(木)の間、海上自衛隊は米海軍および豪海軍と共同訓練を実施した。訓練は南シナ海およびフィリピン東方沖からグアム島周辺に至る海空域で行った。参加したのは海上自衛隊護衛艦「てるずき」、米海軍空母「ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)」、巡洋艦「アンテイータム」、駆逐艦「マステイン」、豪海軍強襲揚陸艦「キャンベラ」、駆逐艦「ホバート」、フリゲート「アランタ」、「スチュアート」、補給艦「シリウス」。
7月21日付の米第7艦隊発表によれば、7月19日から第7艦隊「ロナルド・レーガン空母打撃グループ(Donald Reagan Carrier Strike Group)」は、海上自衛隊とオーストライア海軍と共同演習をフィリピン海で開始した。目的は、3軍の継ぎ目のない緊密な連携を高め、いかなる事態は発生しようとも直ちに対処できるようにするための訓練。これを通してインド-太平洋を自由で開かれた海域にすることにも貢献する。「ロナルド・レーガン空母打撃グループ」には第5空母航空団が配備されている、従属する艦艇は、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(イージス艦)「アンテイータム(USS Antietam CG 54)」、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦(イージス艦)「マステイン(USS Mustin DDG 89)」。豪海軍(ADF)からは「キャンベラ(HMA Ship Canberra LO2)」、「ホバート(Hobart DDG 39)」、「スチュアート(Stuart FFH 153)」、「アランタ(Arunta FFH 151)」、および「シリウス(Sirius 0 266)」。日本海上自衛隊からは「てるずき(DD 116)」が参加した。
図5:( Commander, U.S. 7th Fleet)「ロナルド・レーガン空母打撃群」と海上自衛隊およびオーストラリア海軍の3軍合同演習。3カ国の安定と平和を維持し、共通の目標「自由で開かれたインド・太平洋(Free and Open Indo-Pacific)」を確保するための演習。写真中央奥には米空母「ロナルド・レーガン」、上空には米第5空母航空団の編隊。真ん中の大型機2機はE-2D早期警戒機。写真右側2隻目が海自護衛艦「てるずき」である。
図6:(海上幕僚監部)「てるずき」艦橋から撮影。中央左は豪海軍強襲揚陸艦「キャンベラ」、その右は補給艦「シリウス」、米空母「ロナルド・レーガン」は遠方に小さく見える。
7月17日 公表/海上幕僚監部 対潜特別訓練について
7月15日(水)、16日(木)四国南方海空域で米海軍と共同で対潜訓練を実施した。参加部隊は海上自衛隊潜水艦1隻と米海軍哨戒機数機である。
7月20日 公表/航空幕僚監部 米空軍との共同訓練の実施について
7月17日(金)航空自衛隊は日本海および九州西方の東シナ海空域で米空軍と共同編隊航法訓練を実施した。参加部隊は千歳基地第2航空団F-15戦闘機4機、新田原基地第5航空団F-15戦闘機4機、小松基地第6航空団F-15戦闘機4機、築城基地第8航空団F-2戦闘機4機。米空軍からはB-1B爆撃機2機であった。
米太平洋空軍(Pacific Air Forces)ニュースによれば、米国中部のエルスウオース空軍基地Ellsworth AFB, South Dakota)第28爆撃航空団所属のB-1B爆撃機2機は7月17日グアム・アンダーセン空軍基地(Andersen AFB, Guam)に到着した。グアムに到着する前に、航空自衛隊F-15J戦闘機と日本海上空で会合、付近の空域で戦技向上を含む共同訓練を実施した。
このB-1B 2機は、7月21日にグアムを離陸、南シナ海で長距離戦略爆撃機動訓練/BTF=long range strategic Bomber Task Force missionを実施した。途中フィリピン海では米第7艦隊「ロナルド・レーガン」と共同訓練を行なった。この飛行は途中2回の空中給油を受け14時間に及び、米国がいつでもインド-太平洋地域の平和・安定に対処できる体制にあることを内外に示した。
図7:(US Navy)7月21日フィリピン海で米空母「ロナルド・レーガン」上空を飛行するB-1B爆撃機2機。
図8:(U.S. Air Force by Staff Sgt. Peter Reft) 米空軍が実施したBTFミッションで、嘉手納基地第909空中給油飛行隊KC-135タンカーから給油を受ける第28爆撃航空団のB-1B爆撃機。B-1Bは可変後退翼で15~67.5度の後退角主翼、マッハ1.25までの広い速度域で飛行可能。乗員4名、全長44.8 m、翼幅(全開時)41.7 m、(超音速時)23.8 m、全備重量216 ton、エンジンはGE F101-GE-102アフトバーナ付きターボファン推力14 ton x 4基。搭載量(機内)34 tonは、3つのウエイポンベイに分割収納。携行する巡航ミサイルはAGM-86Bなら8発、AGM-129なら4発、短距離用GM-69なら24発、最新の長距離対艦ミサイル (LRASM) AGM-158Cの搭載も可能、その他通常爆弾、機雷、などを携行できる。62機が[Air Force Global Command] 麾下の7個爆撃航空団などに配備されている。
7月28日 公表/航空幕僚監部 米空軍との共同訓練の実施について
7月27日(月)航空自衛隊は日本周辺の空域で米空軍と共同で共同対処能力と部隊の戦術技量の向上のため訓練を実施した。参加したのは小松基地第6航空団F-15戦闘機4機、百里基地F-2戦闘機3機、築城基地第8航空団F-2戦闘機4機、那覇基地第9航空団F-15戦闘機4機。米空軍からはB-1B爆撃機1機であった。
米太平洋空軍(Pacific Air Forces)ニュースによれば、グアム・アンダーセン空軍基地を出発したB-1B爆撃機1機は7月27日日本周辺の空域で、航空自衛隊戦闘機と戦技向上のため共同訓練を行なった。この訓練は “自由で開かれたインド-太平洋” を維持するためである。
図9:(航空幕僚監部)7月27日撮影した米空軍B-1B爆撃機と同行する航空自衛隊F-2戦闘機。
7月3日 発表/ロシア海軍情報局発表 カムチャツカ半島にMiG-31重迎撃戦闘機を配備
ロシア海軍情報局によると、太平洋艦隊海軍航空隊のカムチャツカ半島エリゾボ基地に配属中のミコヤン(Mikoyan) MiG-31迎撃戦闘機は、大規模改修を行った[ MiG-31 BM ]に更新された。
エリソボ基地には太平洋艦隊海上航空隊第317混成航空連隊があり、戦闘機の他に各種ヘリと無人機で構成されている。この航空連隊は、1939年に発足した第20爆撃航空連隊から始まり、1945年8月-9月に行われた日本千島列島侵攻作戦に参加している。
[MiG-31 BS]は、2人乗り全備重量41 tonの大型機で、搭載する新型電子装備で空中目標の探知距離は320 kmに延伸され、280 kmの長射程対空ミサイルで来襲する超音速ミサイルを迎撃できる。カムチャッカに配備したことで、核戦力を配備中のカムチャッカの防衛が著しく強化されると共に、北極からシベリア東部の空域を監視できる体制が整った。
[MiG-31 BS]はロシア空軍で120 – 132機が就役中、これに加え海軍に32機が配備されている。
図10:(ロシア海軍情報局)[ MiG-31 BS ]。最新型電子装備で探知距離は320 km、自動的に10目標を同時に追尾できる。搭載する対空ミサイルは新型の長射程 R-37型でマッハ6。[ MiG-31 BS ]は、対レーダー、対艦攻撃、対地攻撃に使う多目的戦闘機である。エンジンはソロビエフ(Soloviev) D-30F6アフトバーナ付きターボファン推力最大34,000 lbsを2基。巡航速度マッハ2.35 / 2,500 km/hr。航続距離は3,000 km、給油すればさらに伸びる。
7月16日 発表/ロシア海軍情報局発表 日本海で大型対潜艦の実弾射撃訓練を実施
ロシア海軍情報局発表によれば、7月16日、太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリプツ(Admiral Tributs)」および「アドミラル・ビノグラードフ(Admiral Vinogradov)」は掃海艦BT-100およびBT-232の先導でウラジオストック近くのピョートル大帝湾で、対空実弾射撃訓練、対水上目標射撃訓練をした。さらに指定海域で仮装潜水艦の捜索、対潜魚雷、対潜深海爆弾の一斉射撃訓練を行った。両艦は、近年行われた大規模改修で「大型対潜艦」から“多目的水上艦”に生まれ変わり、超音速対艦、対地ミサイル[ 3M22 ]チルコン/ジルコン(Tsirkon/Zircon)ミサイルの運用が可能になった。このミサイルは射程1,000 km 、マッハ9の超高速で飛行、事実上防御は不可能とされる。
7月13日のタス通信によると、太平洋艦隊に新たに最新の同型艦”プロジェクト1155M”「アドミラル・シャポシニコフ(Admiral Shaposhnikov)」が回航された模様。
図11:(ロシア海軍情報局) ウダロイ(Udaloy)級駆逐艦「アドミラル・トリプツ」[564]はProject 1155 Fregat /大型対潜艦と呼ばれる。ウダロイ級13隻中の6番艦、1985年末就役、満載排水量7,500 ton、全長163 m、速度35 kt、強力なソナー、長射程の対潜ミサイル、ヘリコプター2機、SA-N-9型個艦防空ミサイルを装備。1980-1991年に作られ8隻が就役中で太平洋艦隊には内4隻を配備。イージス艦に近い性能を持つ。
中国”China Military on Line”発表
6月29日 発表 中国海軍、南シナ海・西沙諸島海域で演習
中国軍は6月29日に、南シナ海西沙諸島(Paracel Islands)付近の海域で7月1日-7月5日までの間、実弾射撃演習を行うと発表し、実施した。中国軍は西沙諸島のウッデイー島に軍事拠点を構築、対艦巡航ミサイル、長射程対空ミサイルなどを配備している。
図12:南シナ海で中国が軍事施設を設置している西沙諸島(Paracel Islands)、南沙諸島(Spratly Islands)の位置。南沙諸島の「スービ礁」、「ミスチーフ礁」、および「ファイアリークロス礁」には大型機が使える長大な滑走路を建設済み。
7月12日 発表 最新型052D駆逐艦、東シナ海・台湾近傍の海域で演習
中国海軍は7月上旬に、最新型の防空駆逐艦「旅洋III型:昆明級(052D型)」の14番艦「淄博/ Zibo (156)」を中心にした複数の艦艇で、東シナ海・台湾近傍の海域で対空・対艦・対潜演習を行なった。「淄博」は、今年1月に就役、東海艦隊に配備された新造艦で、今回初めて存在が公表された。
[052D] 型「ルーヤンIII/旅洋III」級駆逐艦は前身の[052C]を改良した防空駆逐艦。1番艦「昆明」は2014年に就役。同型艦は14隻が就航すみ、建造中を含めると23隻になる予定。満載排水量7,500 ton、全長160 m、速力29 kt。兵装は対空/対艦/対巡航/対潜ミサイル発射用8セル型VLSを8基(合計64セル)を装備、これにHQ-9B対空ミサイル、YJ-18対艦ミサイルなどを搭載する。我が海自「あたご」型イージス艦に比べるとやや小型だが、総合的な性能はほぼ同じ、しかし数は圧倒的に中国海軍の方が多い。
14番艦「淄博」は[052DL]となり、[052D]よりヘリ発着甲板が広くなり、後部マストに新長距離レーダー(meter wave使用)が装備されている。
図13:(中国海軍81.cn) 052D型ミサイル駆逐艦「淄博 (Zibo / 156)」は複数の艦艇とともに、2020年7月初め東シナ海の台湾近傍海域で対空、対ミサイル、対艦攻撃および対潜演習を行なった。
7月24日 発表 中国軍、海南島に隣接する雷州半島西側の海域で実弾射撃演習を実施
7月24日中国軍の発表によれば、7月25日から8月2日にかけて雷州半島南西の海域/ベトナムに面する側、で実弾射撃演習を行うので、船舶の航行を禁止する。
図14:雷州半島の位置。実弾射撃演習は雷州半島西側の海域に向けて実施される。
7月30日 発表 中国海空軍、南シナ海で“高強度演習”を実施
中国海軍の発表によれば、海軍所属する航空部隊は7月30日に、南シナ海上空でパイロットの技量向上に関わる訓練を実施した。参加したのは海軍所属の「H-6G」および「H-6J」大型爆撃機で“高強度訓練”(high intensity exercises)と名付け夜間の離発着訓練を含み、対艦攻撃演習などを実施した。場所は明示していないが、西沙諸島に設置した軍用滑走路を使い行ったものと思われる。
図15:((China Military Online / Photo/mod.gov.cn)) 7月30日発表の南シナ海上空で訓練する中国海軍航空隊H-6 爆撃機。
―以上―