司法試験で慶大、初の合格者数トップ。私大勢優勢が時代の流れ


ー司法・公認会計士で”慶大・早稲田2強”が視野にー

2013-09-11 小河正義

慶應が史上初めて、トップに立った。国内最難関の国家試験とされる『司法試験』で、法務省が9月10日、公表した2013年最終合格者数で慶應が201人と1位に躍進した。合格率でもライバル校を抑えトップを占めた。早稲田も184人と東大に次ぎ第3位。首位の座奪還へ向けた取り組みが徐々に成果を上げだした。慶應、早稲田両校は公認会計士でも首位攻防戦を繰り広げている。かって東大、京大が圧勝した司法試験合格者数の様変りは今後、大学の力関係に更なる変貌をもたらすだろう。

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[司法試験合格者数で初の首位に輝いた慶應大学・三田キャンパス。写真:編集部撮影]

まずは、法務省が公表した平成25年の司法試験合格者数は以下の通りだ。詳細は同省のホームページにアクセスすれば誰でも閲覧が可能なので、トップ10に限りおさらいする。それによると慶應が201人で第1位にランクされた。同大がトップに躍り出たのは司法試験史上、初めて。合格率も他校を押さえNO1だった。昨年は中央、東大に次ぎ第3位に甘んじた。今回唯一の合格者数200人台と合わせ慶應の躍進ぶりに法曹界でどよめきが広がっている。

宿命のライバル、早稲田は旧司法試験時代、第1位に君臨するケースもあり中央と並ぶ、司法試験の私大組、2強だった。制度改革後、低迷したが、法学部出身の総長誕生で首位奪還を宣言。今回は東大の197人に次ぎ、184人にまで復活した。首位奪還は視野に入ったと早稲田関係者の鼻息は荒い。

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[首位奪還を目指す早稲田大学・大隈講堂。写真:編集部撮影]

東京地検特捜部で敏腕検事の最有力供給源だった中大は177人の合格者数で昨年の第1位から4位に後退した。しかし、早慶に劣らぬ実力を考えると今後ともトップ3圏内確保はさほど難しくない。東大と並び法曹界をリードしてきた京大は129人で第5位に留まった。常時トップ3位以内を狙える実力があるだけに後輩の奮起を促すOBの声は大きい。

第10位までのランクは一橋(合格者数以下同じ、67人)、明治(65人)、阪大(51人)、北大(50人)、神戸大(46人)となっている。

慶大を筆頭に早稲田、中央は、潤沢な予算に恵まれた東大、京大の国立大陣営と互角以上に戦っている。私大優勢の流れが司法試験分野でも時代の趨勢として定着するかもしれない。東大を頂点にした法務省の司法官僚の多数派は、母校の失地回復に気遣い、司法制度改革に熱心と揶揄する声も聞こえてくる。大事なことは学閥にとらわれず、時代の変化に気を配り、国民の負託にこたえる気概が司法制度の真の変革で求められる。

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