『露・電子偵察機、日本海側から中国地方に接近。空自、スクランブル』
ー電子偵察のターゲット解明急ぐ。16日前と同一飛行に集まる関心ー
2013-10-28 小河正義
防衛省統合幕僚監部は10月28日、露・海軍電子偵察機が日本海側から中国地方に接近したのを受け、要撃戦闘機でスクランブル(緊急発進)したと公表した。
それによると、同日、日本海中部を中国地方へ向け南下する国籍不明機を西部航空方面隊の防空レーダーが探知した。福岡県・築城基地から待機中のF-2要撃戦闘機2機がスクランブル(緊急発進)の命令を受けた。パイロットは該当機が露・海軍の電子偵察機、イリューシンIL-20SDR、4発ターボプロップ機と識別した。胴体前部、下面に電子情報収集ポッドを装着、胴体後部側面にフェーズド・アレー・アンテナ(位相差レーダー)が明瞭に窺える。電子戰、偵察能力に秀でた機体と推定される。
該当機は島根半島沖合付近で針路を南西方向に取り、対馬列島東方海上でUターン。往路をたどり沿海州方面へ去ったという。領空侵犯は無かった。
しかし10月12日に、同種の電子偵察機が同一ルートで接近したのをスクランブル出動した空自、要撃戦闘機が確認している。鳥取県の美保基地や近くの高尾山レーダーサイトの電子戰能力をチェックにきたかなど露側の意図分析には多少時間がかかる。或は『京都府経ヶ崎に設置が決まった米軍の移動式、弾道ミサイルXバンド探知レーダーへの牽制か』(在京国際軍事筋)など様々な憶測を読んでいる。