2014年3月13日(JST.23.54) John Bosnitch &Aaron Terruli
239人を乗せ行方不明が続くマレーシア航空B777型機の捜索活動は、最後の交信から6日がたった3月14日未明になってても有力な手がかりは無い。中国が南シナ海上で衛星から捉えた、同機と関連性のありそうな浮遊物体は、その後、マレーシア側の現場検証で発見出来なかった。中国側で非公式ルートで誤って衛星情報が流失。最新の捜索作業分析で行方不明機と無関係との判断が大勢となった。現場に混乱をもたらす”誤情報”の色彩がはっきりした。
中国側から突如流れた衛星情報はマレーシア航空B777型機が行方を経った南シナ海上で3月9日午前11時頃(現地時間)とらえた。かなり大きな浮遊物3体が識別可能というものだった。
人民日報等の有力メディアがこれぞ遭難現場と言わんばかりに解像度の高い静止画を公開した。
ニュース源は中国国家国防科技工業局が中国資源衛星応用センターのお墨付きを得た情報と『科技日報』(3月12日付け)で報じた。使用した衛星写真は地球観測衛星『高分1号』の高解像度カメラがキャッチ。発見地点は北緯6.7度、東経105.63度を中心とする半径20㌔の海域。
13×18、14×19、24×22(単位は何れもメートル)の浮遊物と特定、発見地点と発見時間、証拠となる比較的鮮明な写真等から『スワ、遭難地点を特定出来るこれ迄に無い有力情報』と、捜索救難の現場、マスコミ関係者は色めき立った。
しかし、情報源の中国が、この情報の真贋判定に誤りがあったとの見解を示したため、捜索現場関係者は逆に何が信頼すべき情報か、かえって混乱に環をかける事態になった。
それだけではない。マレーシア航空機が交信途絶後、数4時間(飛行距離で数百哩)飛行説が浮上している。捜索現場を南シナ海重視からマレー半島陸上部、マラッカ海峡、アンダマン海方面にも拡大すべき時期との観測が3月13日になって広まった。米国の有力経済誌『ウォール・ストリート・ジャーナル』がマレーシア航空機が謎のUターン飛行後、4時間近く飛行継続したと捜索活動に精通する複数の米国運輸監督当局の証言を報道。機体は南シナ海ではなくマラッカ海峡、アンダマン海、アフガン方面へも向かった想定を示唆した。軍民レーダーの追尾から隠れる為、機上応答装置(トランスポンダー)のスイッチをオフに変更。低空飛行でレーダーの探知を逃れという。機体、乗客乗員丸ごと空中奪取。新たなテロ行為に使用というハリウッド映画並みの陰謀が渦巻く大型旅客機失踪事件のストリーまで流布されだした。
背景にはマレーシア航空機が『飛行に異常なし』の交信を地上の管制当局に伝えた後 1)パイロットが緊急遭難信号発信の時間的余裕が無かった。2)万一、機体が海上で遭難してもELT(緊急遭難信号自動発信装置)、飛行記録計、音声記録計を搭載した”ブラックボックス”からの特殊シグナル発信の痕跡が無い。 3)エンジン、機体側の運航関連飛行データを自動送信する『ACARS』の機能がなぜ勝手にストップしたのか。 4)マレーシア軍の防空レーダーが機体は南シナ海で許可無く、Uターンしクアラルンプール方面に引き返す謎の飛行ルートを捉えた 5)その際、奇妙な飛行物体が数百㌔飛行ー等、過去の事故調査の経験深い航空関係者の想像を越える”ブラックホール”に陥る状況も出てきた。
航空事故発生で航空機が空中爆発したり海面、地上に激突した際、衝撃で発する閃光探知を米国が宇宙空間に配置した、スパイ衛星ネットワークは逃がさない。CTBT(包括核実験禁止条約)で地球上に張り巡らした低周波音、異常微気圧観測網は大気の微細な異変を見逃さない。米軍の偵察機関関係筋はマレーシア航空に関連するこうした異変を全くキャッチしていないのだ。
この際、航空機捜索活動の鉄則として情報収集、指揮命令系統を再点検し、原点から6日間の多国籍捜索活動の洗い直し、再編しては如何か。