マレーシア航空、B777-200型機行方不明(N027)=豪州・捜索機(AP-3C)、空中から"ブラック・ボックス"シグナル探知。存在場所、発見間近!=


2014年4月10日(JST.23:10)                  John  Bosnitch & Aaron Terruli

乗客乗員239人を乗せ行方不明のマレーシア航空、B777-200型機の”ブラック・ボックス”存在箇所に捜索陣が迫っている。豪州空軍のAP-3C『オライオン』の音響探知装置が37.5㌔ヘルツの超音波信号を4月10日午後、探知した。捜索活動を統括するJACC(捜索救難調整本部)の本部長アンガス・ヒューストン将軍(退役)が発表した。探知場所は豪州海軍の海洋観測艦『オーシャン・シールド』(6,500㌧)が複数回キャッチした地点の近傍だと言う。空中からの信号音探知は初めてで、現場一帯で活動する航空機、艦船の搭乗員は色目気だっている。米海軍が提供した深海で捜索が可能な、無人深海艇『ブルーフィン21』がシグナル音の音源に迫っている可能性もある。

慎重なヒューストン将軍にしてはJACCのプレス発表は、随所に興奮気味の雰囲気が伝わってくる内容。『更なる関連情報を入手次第、報道陣に提供したい』と『ブラック・ボックス』沈没地点発見が近い事を窺わせる表現だ。

ロッキード・マーチンAP3C『オライオン』は空中から海中の各種音源を探索する『ソナー・ブイ』を搭載。高感度のマイクロフォンを活用して高い精度で音波の発信源をキャッチ出来る。3方向からの音源探知をはたせば測量技術の原理で交点が発信地点となる。深海に潜む原潜をあぶり出してきた探索テクノロジーは半端ではないという。

豪州空軍のAP3Cのこうした能力は米軍との作戦行動経験で極めて高度。今回、同機が空中から『ブラック・ボックス』が発信する37.5㌔ヘルツ信号音はこれまで以上に意味がある。しかも発見場所が想定遭難海域で、海洋観測艦『オーシャン・シールド』が先週来、4回、信号音を探知した海域に近い事が今回の情報の信憑性を一気に高めた格好だ。同艦には米海軍が特別に提供した曳航式ソナー探知装置『TPL-25』(ピンガー・ロケーター)無人深海潜航艇『ブルーフィン21』を積載。『TPL−25』は、4回の信号音キャッチで威力を証明した。更にピンポイントで『ブラックボックス』の在処と機体の大半が横たわる4,500㍍の南インド洋海底へ『ブルーフィン21』が発進命令を今や遅しと待っている状態。超音波発進装置の電源寿命が1ヶ月で、今回の信号音キャッチは最後のチャンスになろう。

豪州西部のパース北西、2,280㌔の該当海域では4月10日、対潜哨戒機P3C『オライオン』を中核にした航空機14機と海洋観測艦『オーシャン・シールド』。英海軍の『HMS エコー』(3,470㌧)、トラファルガー級攻撃型原潜『タイヤレス』(5,300㌧)など13隻が集結し、勝負にでた。

『ブラックボックス』が発見となると3月8日、発生した謎めいたマレーシア航空MAS370便の”失踪フライト”の全容解明に光明を見いだせる。

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[(US NAVY)出動命令を待つ”ブルーフィン21″]

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[(BEA事故調査報告書)マレーシア航空機に搭載したと同型の”ブラック・ボックス”]