2014年5月10日(09:20) John Bosnitch
露軍が攻撃戦力強化に乗り出した。ICBM(大陸間弾道弾)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、戦略爆撃機などに搭載する高度精密誘導兵器を7年後迄に4倍に増やす。セルゲイ・ショイグ国防相の発言としてこのほどノーボスチ通信が報じた。クリミヤ半島併合後のウクライナ情勢混乱で対露経済制裁エスカレートへのクレムリンの不気味な回答だろう。
対象となる高度精密誘導兵器を搭載するのはマッハ2級戦略爆撃機、トゥポレフTu-160『ブラックジャック』、戦略爆撃機トゥポレフTu-95『ベア』、第4世代+++戦闘機、スホーイSu-35『フランカー』、露初のステルス戦闘機PAK FA T-50、SLBM原潜など陸海空3軍にわたる。
スケジュールは2016年迄に8割、7年後には旧式攻撃兵器は姿を消す。露戦力は急カーブで強化される。
露軍戦略兵器の仮想敵に対する即応体制はショイグ発言があった5月7日、誇示された。移動型ICBM、SS-25『トーポル』発射、デルタ級SLBM原潜からのミサイル発射、Tu-95『ベア』での巡航ミサイル、連続6連続発射などを内外へ示威したという。
ロ軍は着実に軍拡モードに入ったと言える。プーチン大統領という強力な庇護で。チャック・ヘーゲル米国防長官はNATO加盟国へ自国の防衛費増額を促した。”歴史は繰り返す”との格言が真実味を帯びてきた。