米海軍、次期大統領専用ヘリ製造でシコルスキーを選定


VH92-Potomac-Jefferson

[(United Technology)次期米大統領専用ヘリ選定で勝利したシコルスキーS-92の改修型機]

2014年5月9日(17:50)             Aaron Terruli

米大統領、次期専用ヘリコプターの製造は、過去57年間独占してきたシコルスキー決まった。米海軍、シコルスキーの親会社、ユナイテッド・テクノロジーが5月7日、同時発表した。生産原型となるS−92をベースにした機体開発費用など6機分の調達、改修、訓練機材などを含め12億4,000万ドルが計上される。一時、英国製『アグスタウェストランド』導入に傾きかけたが、予算超過など問題が噴き出し、仕切り直しとなっていた。米国防総省で外国製品購入の壁は今なお厚いと言える。

米大統領専用ヘリは外国訪問時、ホワイトハウス前庭から発着する場面を報じるTV画面でお馴染みだ。大統領が搭乗する機体のみが『マリーン・ワン』のコールサインを与えられる。ワシントンに近いアンドリュース空軍基地で待機中の『エアフォース・ワン』までの空輸が最大の任務の一つ。操縦士は海兵隊のベテラン将校が司る。

現在、使用中の機体は『プレジデント・ホーク』(VH-60N)、『VH-3Dシーキング』の2機種。副大統領等西洋人の輸送任務も引き受ける。

VH-3D/VH-60 Air to Air over water Color Horizontal

 

[(US NAVY )”マリーン・ワン”に使用される機体。いずれも老舗のシコルスキー社製]

採用が決まったシコルスキー製の次期大統領選用ヘリは民間ヘリで200機が稼働中のS-92を母体に様々な改修の上、本格生産となる。生産原型機となる機体はまず2機のS-92で飛行性能、ミッション達成能力等を徹底評価。EDMと名付ける。ホワイトハウスとのホットライン機能、衛星通信システム等装備は技術の粋の集合体。その後の4機は実際の飛行運用で大統領搭乗専用ヘリにふさわしい機体に磨き上げ、2023年に『VXX,MARINE ONE』のお墨付きが与えられる。最終調達機数は21機を予定している。