2014年7月27日(JST.10:00) Aaron Terruli
乗客乗員116人を乗せ西アフリカの砂漠で墜落した、アルジェリア航空機が通信途絶時、積乱雲に伴う強烈な雷撃に遭遇した可能性が出てきた。NOAA(米海洋気象局)の気象衛星が捉えた衛星画像から明らかになった。墜落現場付近で当時、通常は見られない激しい閃光がキャッチされ、今後事故原因解明で重要な手がかりに繋がる証拠の一つになりそう。
NOAAの気象衛星は7月24日、01:55~01:58Z(グリニッチ標準時)の遭難地点を含む、いったいの当時の気象状況を鮮明に捉えていた。映像を詳細に分析すると北緯15度、東経108度付近で強烈な閃光が発生した事が判った。通常は暗く写るだけで、この種の現象は希有だ。事故機が地上との交信途絶に陥ったされる、7月24日、01:55Z(同)と重なる。衛星画像は積乱雲と見られる広大な雲も捉えていた。
気象専門家は付近では『この季節、積乱雲の最頂部が15,000㍍にも達する』。同機が風下側から接近していたとすれば、強烈な乱気流の”ダブル・パンチ”に遭遇したともとれる。
事実、アルジェリア航空機は悪天候を避けるため、東隣のナイジェリアの航空管制当局に、緊急のルート変更許可を要請中だったという。北上をやめ、東方への迂回飛行だ。
明らかになった当時の気象衛星画像は、同機が積乱雲に伴う、雷撃とダウン・バースト(下降奔流)で苦闘した場面を窺わせる。
ただ閃光については、機体の地上激突での爆発炎上との関連性も若干残る。
いずれにしろ、衛星画像が事故原因究明で、回収済みの『ブラックボックス』のデータとの突き合わせで、真相解明の手がかりを与える事は間違いない。
[(NOAA/NASA)気象衛星画像の高精度が判るハリケーン、”アーサー”(7月上旬大西洋上)の画像]
–以上−