カテゴリー: 日航機事故

御巣鷹40年 陰謀論・撃墜説の正体を暴く

 本稿は木村良一氏の寄稿です。1985(昭和60)年8月12日、日本航空のジャンボ機が御巣鷹の尾根に墜落して520人が亡くなった。あの墜落事故から40年という歳月が過ぎようとするなか、いまだに解決されない課題がある。運輸省航空事故調査委員会(事故調)の過ち、陰謀論・撃墜説の流布、修理ミスの理由を明らかにしないボーイング社の体質―の3つである。前回は「なぜ事故調は過ちを犯したのか」というタイトルで事故調の過ちを述べたので、今回は陰謀論・撃墜説について話そう。

御巣鷹40年 なぜ事故調は過ちを犯したのか

本稿は木村良一氏の寄稿です。事故後、大学教授などを含む権威者で構成する事故調査委員会を発足、調査にあたった。しかし肝心なところで過ちを犯した。日航社内で事故を調べていた取締役(技術・整備担当)の松尾芳郎氏の説明を無視して調査報告書をまとめ上げた。その結果、調査報告書は歪んでしまった。この問題は拙著『日航・松尾ファイル』の第5章の「21 亀裂の発見確率」と「22 事故調の権威」に詳述してある。