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本稿は木村良一氏の寄稿です。
陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が昨年4月に沖縄県の宮古島沖で墜落した事故について、陸自の航空事故調査委員会が3月14日、調査結果を公表した。それによると、右と左にあるエンジンの出力が相次いで低下して墜落したことは解明されたが、エンジン出力低下の原因は特定できなかった。
2基のエンジンが搭載されたUH60JAは、1つのエンジンが故障しても、もう片方のエンジンで安全に飛行できるシステムになっている。しかし、2つのエンジンとも出力が落ち、安全飛行のシステムが役に立たなかった。なぜ、システムが機能しなかったのだろうか。