88億㌦の巨大プロジェクト、ジェームス・ウエブ宇宙望遠鏡

JWSTミラー

10数年前に始まったNASA最大のプロジェクト「ジェームス・ウエブ宇宙望遠鏡(JWST=James Webb Space Telescope)」の開発は、技術面では難題に直面しながらも解決に向け進んでいるが、コストの高騰に悩まされている。[JWST]開発計画は、ハブル宇宙望遠鏡[HST]の後継として1990年代末に予算10億㌦(1,000億円)で始まった。

しかし、NASAが2011年1月に公表した[JWST]開発計画の改訂版によると、開発費総額は88億㌦(8,800億円)を多少超えるまで膨らみ、完成して軌道投入は余裕を見て当初計画から10年遅れの2018年10月になると云う。

インド、2回目のICBM発射実験成功。完全な核・ICBMクラブ入り達成

インド・アグニア5

インドが国産技術で開発した、ICBM『アグニ5(AgniⅤ)』の第2回目の発射実験に成功した。NDTV、ヒンドスタン・タイムズ等インドのメディアが9月15日、一斉に報じた。予定した5,000キロのコースを飛翔し、実験は完全な成功だったと言う。同ミサイルは2015年迄に実戦配備につき、中国への核抑止力として北京への睨みを利かせる。インドは核弾頭の小型化も果たしており、今回ICBMの性能を実証したことで米、ロ、英、仏、中に続く完全な核・ICBMクラブ入りを達成した。中国国営の新華社通信はインドのICBM実験成功の事実報道だけにとどめた。

尖閣列島に接近の無人機は中国空軍"翼龍(プテロダクティル)"と断定

CHINA-AVIATION-SHOW

尖閣列島に接近し、航空自衛隊が初めて遭遇した無人機は中国空軍の”翼龍(プテロダクティル)”と断定された。在京国際軍事筋が明らかにした。香港の有力メディア『亜州週間』はすでに該当機が”翼龍”だったとの軍事専門家の見解を伝えた。同機は航続距離、隠密性、遠隔操作での攻撃能力を持つ可能性が強い。日本の南西諸島周辺での新たな脅威出現で、航空自衛隊はスクランブル(緊急発進)体制等、見直しを急ぐ。

露海軍、次世代SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)試射再開へ

露海軍が、次世代SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)”ブラバ”試射を一時、中止した問題で年末迄に再開の動きが出てきた。ロシアの国防関連委員会の幹部が明らかにした。ノーボスチ通信が9月14日、報じた。試射再開が遅れると同ミサイルを積載する新型、SLBM潜水艦『ボーレイ』級の実戦運用に狂いが生じ、対米核抑止戦略の見直しに追い込まれる可能性があった。

今年のロシア航空ショウ「MAKS 2013」

T-50の3機編隊

8月27日〜9月1日の間モスクワ郊外のジューコフスキー(Zhukovsky)空軍基地で開かれた第11回のロシア航空ショウMAKS 2013のトピックスを紹介する。27日開会式当日はメドベジェーエフ(Medvedev)ロシア首相が出席、演説の後、各所の展示を視察、デモ飛行を観閲して、関係者を激励して回った。展示内容は期待を上回るものだったと云う。

中国を含む43ヶ国から1000の企業が集い、100機以上の地上展示が行われ、10以上のグループ100機による飛行演技が行なわれた。

以下はトピックス。

どこへ行くボーイング・ロングビーチ工場。米空軍向けC-17型機、生産終了

SEF13-07943-002_med

ボーイング社は9月12日、米空軍向け大型輸送機、C-17『グローブマスターⅢ』の最終号機を引き渡したと発表した。同型機の製造を担当した南カリフォルニア・ロングビーチ工場の生産ラインは海外からの受注残があり2014年迄、生産活動は継続する。同社はC-17型機の優れた短距離発着性能と60トンの戦略輸送能力にかなうライバル機が存在しないため、原油マネーで潤う中東市場等で改めてセールス攻勢をかける。米議会内には、日米同盟進化の具体的シンボルとして航空自衛隊へ20機程度の導入を打診する動きも出てきた。生産ラインの閉鎖となれば、4,000人の直接雇用が失われ、関連企業を含めると全米44州、3万人強の労働者が職場を失いかねない。ポストC-17問題は今後ワシントンでも政治問題化は必至だ。