
本稿は菊池真一郎氏の寄稿です。1996年開発が始まったジェームス・ウエッブ宇宙望遠鏡(JWST)の完成が確実となり、本年(2021年)10月31日の打ち上げが発表された。 名前の由来はアポロ計画の基礎を築くなどアメリカの宇宙開発を主導してきたNASA 2代目の長官James E. Webb氏の頭文字をとってつけられたものである。打ち上げはヨーロッパ宇宙機構の「アリアン5」ロケットで、仏領ギアナの宇宙センターから行われる。ウエブ望遠鏡は地球から太陽と反対側に140万km離れたラグランジェ点「L2」に打上げられ、そこで観測を開始する。