本稿は小林哲也氏の寄稿です。 脱炭素社会を目指す世界的な動きの中で、国際民間航空機構(ICAO)は2010年にカーボン・ニュートラル・グロース2020(CNG2020)を発表し、その中で二酸化炭素(CO2)削減目標として、2050年までに、燃料効率を毎年2%改善し、2020年以降、国際航空からのCO2排出を増さないことを掲げた。目標達成には航空機の電動化が必要で、大容量リチウム・イオン・バッテリーの開発が行われている。しかし、バッテリー技術だけではリージョナル航空機(50~100人乗り)を飛ばすことは難しく、水素燃料電池や水素エンジンなど、水素エネルギーを使った航空機の実用化が必須となる。水素エネルギーを利用した航空機の開発は、古くから行われてきているので、その歴史と現状についてここに纏めてみたい。
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エアバス、水素燃料旅客機3機種の構想を発表-2035年実現を目指す
エアバスは、2035年の就航を目指して液体水素燃料エンジンを搭載する次世代民間旅客機構想をまとめ、このほど3機種の案を公表した(21 September 2020)。すなわち、リージョナル・ターボプロップ、A320サイズの狭胴型機、および、その後の案として提出された翼・胴一体型機(BWB=blended wing body)である。(Airbus has revealed three concepts for the world first zero-emission commercial aircraft, could enter service by 2035. These concepts each represent a narrow-body aircraft successor from A320neo series, regional turboprop airliner, and uniquely shaped blended wing body aircraft.)