露海軍、対潜哨戒機接近で緊急発進


ーパイロット養成,戦闘機近代化で積極策求められるー 25日緊急発進_0001 25日緊急発進_0002 2013-08-25 小河正義 防衛省は8月25日,日本海上空を南下する露海軍機2機編隊に対しスクランブル(緊急発進)行動を取ったと公表した。事案の重要性から日曜日だったが,遅滞無く情報を開示。日本列島上空の緊張状態を知る上で今後とも、同省の迅速な対応が望まれる。 防衛省の発表だと、北海道・奥尻島西方の日本海上空で東南東方向に進む国籍不明機(複数)を航空自衛隊北部航空方面隊の防空レーダーがキャッチした。待機中の要撃戦闘機2機に『ホット・スクランブル』任務が出され警戒監視行動に入った。対象機は目視の結果、露海軍所属イリューシンIL-38『メイ』対潜哨戒機2機編隊と識別された。8月22日,露戦略爆撃機、トゥポレフTU-95『ベア』編隊が福岡県北部の玄界灘上空で領空侵犯したばかり。露軍機の日本列島上空周辺での、このところの活動が気になるところだ。露海軍機は東北地方の日本海沿いを南下、新潟県の佐渡島北方で、ロシア沿海州・ウラジオストック方面へ引き返した。イリューシンIL-38『メイ』はターボプロップ・エンジン4基装着の輸送機を基本に改修した。機首部の下方に潜水艦探知用の海上捜索レーダー、機体最後尾に『MAD』と呼ばれる海中磁気探知の長い棒がのびているのが外見上の特徴だ。自衛隊機が捉えた写真からも、それらが判別出来る。イリューシンIL-38『メイ』のライバル機は海上自衛隊、米海軍が装備する対潜哨戒機P3C『オライオン』。 尖閣列島の領有権で日本を牽制する中国は空海双方で自衛隊、海上保安庁に連日,プレッシャーをかけている。ロシア軍も冷戦時代にU—ターンするかのような動きで日本列島上空に緊張を醸し出している。スクランブル任務に就く航空自衛隊、選りすぐりのパイロットも一日、3回の出動が体力の限界。かって隣国に比べ優位だった戦闘機の性能も互角に近い。先を見越した戦闘機パイロットの養成計画、使用機材の増強、近代化が待った無しの情勢だ。 以上