E2C『ホークアイ』後継機の選定始まる


2013-09-01  小河正義

尖閣など南西諸島での防空能力強化を目指す防衛省は、空中からの警戒監視能力の向上で、就役から30年以上が経過するE2C『ホークアイ』の後継機選定に乗り出す。平成26年度予算の概算要求で新鋭機導入に向けた運用等技術面の検討開始を盛り込んだ。平成27年度予算では早期警戒機、新機種導入経費を盛り込む計画。有力候補機としてE-767 AWACS、737 AEW&C、E2D『ADVホークアイ』の3機種が浮かんでいる。

尖閣諸島周辺では中国の海空軍、国家海洋局の航空機、艦船が昨年来、領空、領海侵犯を含め激しい対日プレッシャーをかけている。自衛隊、海上保安庁はこうした中国側の行動に能力限界に近い対応を余儀なくされている。日中の本格的武力衝突を未然に回避するには尖閣など南西諸島周辺での海、空での不断の警戒監視と余裕ある防止対策が欠かせない。そのために、地理的に地上防空レーダー網でカバーしきれない一帯の空中、海上の警戒監視能力の向上が急がれるところだ。

防衛省では現時点での対応として三沢基地から低空の監視能力に長けたE2C『ホークアイ』を沖縄・那覇基地に進出させ、必要に応じ、より強力な警戒監視が可能なE-767 AWACS機も浜松基地から適宜、発進させている。しかし、中国の空、海軍力のビルド・アップは米国防総省の専門家をして驚愕させるスピード。長期対応として航空自衛隊はE2C『ホークアイ』部隊を一部、三沢基地から那覇へ移動。新たに『第2飛行警戒監視隊』を同地に新設。更に、機体の老朽化が目立ってきたE-2Cの後継機選定、導入を迫られている。

防衛関係者によると、来年度から機種選定作業を本格化させる方針で、現時点ではボーイングE-767 AWACS 、737 AEW&C、ノースロップ・グラマンのE2D『ADVホークアイ』の3機種に絞り込まれそう。航空自衛隊が保有する空中警戒監視能力機はボーイングE-767 AWACS型4機とグラマン・ノースロップE2C『ホークアイ』型機13機。E-767 AWACSは飛行性能で世界のトップクラスで米軍やNATO軍の使用する AWACS機、E3A『セントリー』を凌ぐとも言われる。E2Cは1976年、函館空港へ強行着陸した当時のソ連空軍ミグ25『フォックス・バット』をスクランブル機が見失う大失態を犯し、その反省から低空監視重点の機体として導入を急いだ経緯がある。製造から30年以上が経ち能力面で陳腐化が目立つ。従って、南西諸島の防空能力強化ではE2Cの後継機選定も最大の焦点の一つになる。

東京の国際軍事筋は性能、運用等でE-767 AWACS と737 AEW&Cが一歩リードと見る。737 AEW&Cは母体がボーイング737-700NGのハイテク旅客機。それにウエッジテイルと呼ばれる長方形の特殊レーダー(フェーズド・アレー)を胴体後部に装着し、皿型の回転レードームが特徴のAWACS機と外見上の大きな相違だ。豪州、トルコ、韓国が導入を決めここへきて注目の機種となっている。ノースロップ・グラマンE2D『ADVホークアイ』は米海軍が空母搭載のE2C『ホークアイ』の後継機に選定し目下、開発中である。現用機からの移行という点でメリットはある。いずれにしろ早期警戒機の新機種導入は尖閣列島の”守りの要”であることには間違いない。

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