ー航空自衛隊、新たな対応急ぐ。日本も無人偵察機導入加速へー
2013-09-15 小河正義
図:(Chaina Defense News)中国空軍無人機「翼竜」、全長9m、対戦車ミサイル搭載可能で航続距離は4,000km。
尖閣列島に接近し、航空自衛隊が初めて遭遇した無人機は中国空軍の”翼龍(プテロダクティル)”と断定された。在京国際軍事筋が明らかにした。香港の有力メディア『亜州週間』はすでに該当機が”翼龍”だったとの軍事専門家の見解を伝えた。同機は航続距離、隠密性、遠隔操作での攻撃能力を持つ可能性が強い。日本の南西諸島周辺での新たな脅威に出現で、航空自衛隊はスクランブル(緊急発進)体制等、見直しを急ぐ。
中国から発進したと思われる無人機が尖閣列島に接近してきたのは9月9日午前中だった。航空自衛隊・南西航空混成団の防空レーダーの探知情報で那覇基地からF-15『イーグル』戦闘機がスクランブル(緊急発進)、領空侵犯阻止行動に出た。パイロットの目視で外観から無人機と判り、日本列島周辺での国籍不明機の初の無人機接近に面食らったらしい。レーダー追尾記録で飛行コースが中国大陸方面からの往復飛行で当初からスクランブルのターゲットは中国関連の機体の可能性が高いと見積もられいた。
北京の軍事情報の窓口機能を持つ香港で、有力メディア『亜州週間』が『中国無人機”翼龍”逼近釣島 携帯空地導弾突顯戰術優勢』の見出しで無人機が”翼龍”だったと報道した。空自のスクランブル機が撮影した、静止画、ビデオ映像や飛行特性を慎重に分析した結果、在京国際軍事筋は尖閣列島接近の無人機は中国空軍所属の”翼龍”に間違いなと判断した。
中国空軍の無人偵察機”翼龍(プテロダクティル)”は機首下面に赤外線センサーを装備、高度5,000メートルから20時間、無給油で連続飛行出来る。機体には対戦車ミサイルも搭載し地上攻撃能力をもち偵察、攻撃能力とも侮れぬ存在。機体のステルス性を考えると奇襲攻撃にすぐれ尖閣列島等無人島での防衛体制を見直す必要がある。 航空自衛隊の斉藤治和・航空幕僚長は9月13日の記者会見で無人機の日本領空接近に関し『戦闘機側も別の対応が必要。訓練にどう反映させるか検討中』と情勢の容易ならざることを示唆した。
航空自衛隊は取りあえず三沢の飛行警戒監視隊からE2C『ホークアイ』の分遣隊を那覇基地に前進配備し、南西諸島の防空機能を強化中だが、今後の情勢次第では来年度予算の概算要求に盛り込んだ高高度滞空型無人機導入の前倒し、E2C『ホークアイ』後継機の選定加速が求められそう。
★9月9日報じた『南西諸島で、中国の無人偵察機活動。自衛隊機スクランブル』を参照してほしい。
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