爆撃機等、中国軍4機の南西諸島接近。空自、スクランブル


ー”機動-5号”軍事演習で西太平洋での中国軍の動向が活発化ー

2013-10-25       小河正義

2013-10-26  Revised

13-10-25中国軍機

図:(統幕監部)10月25日に我が沖縄県南西諸島近辺の空域に接近した中国軍機の航跡

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図:(統幕監部)Y-8型早期警戒機番号9311、この他に同型機5301の2機が別々に沖縄本島と南西諸島間を通過、西太平洋に進出、同じ経路をたどって帰還した。Y-8は1960年代のアントノフAn-12輸送機を原型とし、1974年に西安航空機がコピー国産化し、陜西航空機が量産、75機以上が生産された。写真はY-8輸送機を電子戦用に改造した機体。機首の大型レドームと胴体側面の電子機器装備用のフェアリングから、Y-8G(高新3号)と呼ばれる電子戦/情報蒐集機のようだ。乗員2−5名、最大離陸重量61㌧、WJ-6ターボプロップ4250軸馬力4基を搭載する。

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図:(統幕監部)H-6型爆撃機。2機がほぼ同時に同じ経路で西太平洋に進出、往復した。H-6はツポレフTu-16爆撃機をライセンス生産、西安航空機で国産化し1969年から配備されている爆撃機で、現在120機が運用中。数次の改良が加えられ、最新のH-6K型は2007年に初飛行した本格的戦略爆撃機、すでに50機以上が配備されている。H-6Kはエンジンを新型のD-30KPに換装し、射程2,500kmの巡航ミサイルCJ-10を6本搭載、日本全土は勿論グアム、ハワイの往復が可能。万一開戦となれば直ちにH-6Kを動員、300発の巡航ミサイルで我国の重要施設に飽和攻撃を加えてくることが懸念される。

800px-Xian_H-6M_PLAAF

 

図:(LAAF)H-6爆撃機を下から見た写真、機首下面にレドームを備え、両翼付根に推力10㌧のWP-8エンジンを装備する。

防衛省統合幕僚監部は10月25日夜、中国軍の戦略爆撃機等4機が南西諸島方面に接近したのを受け、航空自衛隊の要撃戦闘機が相次いでスクランブル(緊急発進)行動に出たと発表した。

それによると、10月25日、宮古島北々西の東シナ海上空に複数の国籍不明機が現れ、沖縄県南西諸島に接近するのを航空自衛隊・南西航空混成団の防空レーダーが探知した。探知した機影は3波に分かれ、それぞれに那覇基地で待機中のF-15『イーグル』要撃戦闘機が2機編隊で発進、警戒監視任務についた。

要撃戦闘機からの報告では1波は中国空軍の戦略爆撃機、H-6『轟』双発ジェット機、2機編隊と確認された。残り2波は単独行動で、機種はいずれも早期警戒機、Y-8双発ダブ・ターボプロップ機と識別された。

爆撃機編隊は宮古島-沖縄本島を結ぶ第一列島線を超え西太平洋に進出、その後、往路と同一のコースを引き返し、中国大陸方面に帰投したという。一方、早期警戒機は爆撃機のたどった飛行ルートを北、南側で雁行するフライトだったと言う。領空侵犯行為は無かった。

10月24日朝、中国海軍の新鋭艦船5隻が第一列島線を超え西太平洋方面に向かったのを海上自衛隊の護衛艦が発見している。新華社の報道では中国軍は10月18日から11月上旬にかけ西太平洋を舞台に大規模な軍事演習『機動-5号』を実施中で、関連の飛行と見られる。

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