台湾が対潜哨戒機、P3C"オライオン"初取得。馬英九総統も記念式典出席


2013-11-02         マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

台湾空軍がロッキードP3C”オライオン”の引き渡しを受けた。台湾タイムズ等、現地メディアが大きく報じた。同国初の、海上での本格的長距離哨戒が可能な機体の取得だ。日ごと勢力を増す中国海軍への抑止力構築に繋がり、馬英九・台湾総統も受領式典に出席する力の込めようだった。

台湾空軍向けのP3C”オライオン”輸出は2007年の米台武器供与協定で決まった。取引の総額は12機分、19億6千万ドル。使用中の機体を全面改修し、航空電子部品等を最新設計仕様にしたという。2013年末迄に4機が台湾側に引き渡され、残り8機は2015年迄に受領する。

台湾初のP3C”オライオン”は10月31日、配備先の南部、屏東(ピントン)空軍基地で披露された。馬英九・総統も多忙な職務を縫って参加。同型機の台湾到着は誇りだと讃えた。

台湾空軍は対潜哨戒機としてグラマンが開発したS2T『トラッカー』双発プロペラ機を26機、保有している。しかし導入から30年近くが経ち経年劣化と、原潜等ハイテク海軍に対抗するのが負担になってきた。P3C”オライオン”はS2Tに比べパトロール可能な時間が3倍に伸び、航続距離も10数倍と格段の能力差。中国海軍の原潜部隊が高速、深々度潜航に優れている事を考慮するとP3C導入は早すぎることはない。

台湾空軍はP3C型機に1)対潜水艦索敵 2)対水上艦攻撃-等、多目的ミッションを与える。攻撃武装は対艦ミサイル・ハープーン、MK46魚雷を搭載する。