ネバダ州"エリア51"秘密基地で、冷戦下、旧ソ連の最新戦闘機ミグ21テスト


ー2013-11-03    マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

冷戦下、旧ソ連の最新戦闘機『ミグ21(フィッシュベッド)』が米軍の手で1968年、徹底的テストにさらされ、その実験場がネバダ州の”エリア51″極秘基地だった事が明らかになった。米政府が解禁した文書で事実が公開され、10月末、欧米のメディアが一斉に報じた。このテストを通じ、米空軍はソ連の主力戦闘機の弱点を暴き、ベトナム戦の空中戦などで活用したという。

ジョージ・ワシントン大学が情報公開法で請求し、このほど米政府が㊙扱いを解き、文書公開に踏み切った。

それによると、米空軍がソ連製ミグ21戦闘機を入手したのは1968年。イスラエルから3ヶ月間の賃借契約だったという。機密保持のため、機体はネバダ州エリア51基地が当てられた。長く秘密のベールに包まれ、UFOマニアを中心に同基地は空飛ぶ円盤の研究施設、エーリアンの遺体が保存してある等、噂に尾ひれがつくばかりだった。

米軍はミグ21型機の実物入手を通じ、同機の性能を徹底して調べ上げ、空中戦時に欠かせない弱点を発見した。操縦席からの視界が前方、後方とも劣り、パイロットの操縦に制約となる。高度15,000フィート(4,572㍍)以下だと戦闘能力が極端に低下する-等。当時ベトナム戦争の真只なかの米軍にとって喉から手が出る情報の宝庫だった、勿論、米軍機と1対1のドッグファイトも実施したことは言うまでもない。1968年4月、機体は約束通りイスラエル側に返却された。エリア51ではミグ21型機に加え、ミグ17型機のテスト飛行にも供せられたという。

イスラエルはモサドが作戦を立て、イラク空軍パイロットを1年ががりで抱き込み1966年8月、機体ともどもミグ21型機をまんまんとせしめた。イスラエル秘密情報機関の輝かしい戦果として今だに語り継がれている。1967年電撃作戦の成功で、6日戦争との評価がある第3次中東戦争で、イスラエルがミグ21亡命機体の貴重な情報を活用したのは当然だ。

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