通常の操縦法から逸脱か。露・B737機事故、乗員ミス浮上(その4)


2013-11-19        ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

50人が死亡した露・国内線、B737墜落事故で、着陸標準操縦方式から乗員が逸脱していた可能性が濃厚となった。原因究明を担う『MAK(ロシア航空事故調査委員会)』がブラック・ボックスの初期解析の結果を基に公表した。手動でゴー・アラウンド(進入復航)を繰り返し、同操作の初体験も絡み、過剰な機首あげ、に伴う失速に追い込まれた操縦ミス説が有力視される。

『MAK』は事故現場から回収した『FDR(飛行記録計)』の主要パラメーターについて11月19日までに初期解読に成功した。その結果、事故直前の機体の状況について1)エンジンは正常に作動。2)操縦装置を含む各種システムにも異常は見当たらない。3)乗員は自動操縦を解除して手動で着陸を試みていた。4)TO/GA(take-off/go-around)スイッチを作動ーの事実が明らかになったという。

MAKは事故直前の進入復航の操縦プロセスで標準方式から逸脱した可能性が考えられるという。ルスタム・サリーホフ機長の指揮監督で操縦桿を握っていた2人の乗員は飛行時間、1,900~2,500時間の中堅パイロット。しかし、ゴー・アラウンドに遭遇したのは今回が初めてだった。プレッシャーの中で操縦ミスに巻き込まれたのかもしれないと現地の航空当局者は見る。

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