あなどるな航跡乱気流(ウェーキ・タービュランス)


ー上空通過のA330型機で、着陸直前のB737型機、機体が70度、2回傾くー

2014年1月19日   マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

すれ違った際の高度さが720㍍の安全間隔だったのに、小型ジェット機が広胴型機の航跡乱気流(ウェーキ・タービュランス)に着陸直前、70度の傾斜で揺さぶられた事が明らかになった。航空専門サイトがこのほど報じた。航跡乱気流で機体が翻弄されたのは1月14日、ロサンゼルス発、カナダ・バンクーバー行きアラスカ航空703便、B737-400型機。バンクバー空港へ最終進入経路を降下中だった。その際、12㌔後方から高度差570㍍上空をロサンゼルス発バンクーバー行き、カナダ航空855便、エアバスA330-300型機が接近していた。アラスカ航空機は不意に機体が2度にわたり70度傾き、パイロットは回復操作に追われたという。

カナダ運輸安全委員会(TSB)の調査でアラスカ航空機の機体姿勢が傾いた際、カナダ航空機が直上を720㍍の高度差ですれ違った事が判明。原因は広胴型機が引き起こした航跡乱気流に巻き込んだと結論ずけられた。航跡乱気流関連の安全性確保はジャンボ機登場後、クローズアップ。広胴型機と小型機間で空港発着時、管制官は一定の安全間隔設定を義務ずけられている。

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[航跡乱気流のエかニズム]