三菱重工、民間航空エンジン部門を分離、新事業会社設立。10月1日、発足


2014年3月31日(JST.23:00)                   小河正義

三菱重工が民間航空エンジン部門を分離、新事業会社を設立する。発足は10月1日。同社が3月31日、正式発表した。航空エンジン分野でこれまで、先行してきたIHI(斎藤保社長と)と生産協力関係構築を目指す他、新事業会社への出資を仰ぐという。民間航空エンジン分野の世界市場はGE(米)、R&R(英)、P&W(米)の三大メーカーが寡占状態。ライバル、IHIとの連携は将来エンジン部門に特化した事業会社が生き残るため、航空エンジン事業の集約、再編への動きを加速させる事になる。

三菱重工によると、民間エンジン部門の新事業会社は設計、製造、修理部門と営業分野の一貫体制を構築、生産能力拡充に向けた体制整備と外部資金資金導入による資本力強化が狙いだという。

今回の決定は、民間航空機に新規需要が20年後迄に、潜在成長力が最も大きいアジア・太平洋マーケットを例にとると10940機(1兆8,000億㌦)=エアバス予測=~12,820機(1兆9,000億㌦)=ボーイング予測=に膨らむとの予測が背景。。現在運航中の機体数の2.5~3倍という凄まじい需要の伸びだ。

三菱重工は民間航空エンジン分野でIAE、P&W、R&R社との国際共同開発プロジェクトに参画してきたが、あくまでも脇役。この分野の成長力を本格的に取り込むには生産能力の拡充強化マーケット・ニーズに即応する資金力が必須だ。

このため新事業会社設立を機にライバル社との協力関係構築をためらわず、具体的にIHIに低圧タービンブレードの生産委託に踏み切る。資本力の強化でIHIからの出資を受け入れる他、日本政策投資銀行にも出資・融資も要請済み。

航空分野での歴史と伝統に胡座を欠かず、経営体制の三菱重工モンロー主義と決別する路線転換だ。

三菱重工は次世代リージョナルジェット『MRJ』の開発で、三菱航空機を設立、プロジェクト成功に総動員態勢を組んでいる。今回の民間航空エンジン部門に特化した事業会社設立決定は側面支援で重要な意義を持つ。

三菱重工が眠りから醒め、航空分野でも今後再編のイニシアティブを如何に掌握するか目が離せなくなった。

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