第2次大戦の結果に変更はない。プーチン大統領、露中首脳会談を前に断言


2014年5月19日(20:40)    John Bosnitch

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[(President of Russia)ウラジミール・プーチン大統領]

『第2次大戦の結果の変更は受け入れがたい』。プーチン大統領は5月20~21日の訪中、習近平国家主席との首脳会談を前に、中国中央電視台、新華社、人民日報など中国有力マスメディアとの合同記者会見でウクライナ情勢、北方領土問題を念頭に置き、厳しい姿勢を改めて示した。その一方で、露中貿易は2020年、年間2000億ドルに飛躍。今回の首脳会談で調印するエネルギー、輸送インフラ、IT、原子力、航空宇宙、医療分野など40分野の広汎な協力パッケージで露中関係の一層の深化に弾みを付けると強調した。 露中の貿易額は900億ドル台に達し、来年には1,000億ドルと上限はないと、両国間の”薔薇色の未来像”を描いた。 それを裏打ちするのが投資規模、600億ドルのスコボロディーノーモス天然ガスパイプラインの進展。エネルギー分野の戦略同盟体制がより強化され、クリーンエネルギー調達拡大で大気汚染防止に繋がると指摘した。 来年、対ナチス、ファシスト勝利70周年の節目に関し、多数の犠牲で勝ち取ったもので『第2次大戦の結果をここで変更することはない。4年前の露中共同声明を堅持する』。外国勢力の領土問題介入に釘を刺した。露、NATO対決の起点となったクリミア半島制圧は歴史的結果であることを示唆。北方領土返還問題でも一切譲歩はないと示唆しているようだ。 中国とシベリア、極東の開発でも手をつなぐことを明確にし、クレムリンの敵味方識別は今後、鮮明となろう。