2014年5月31日(JST.11:50) 小河正義
「日本側こそ中国機に10㍍迄異常接近した(昨年11月)」との中国国防部報道官の発表に、小野寺五典防衛相は5月30日午前の記者会見で『そうした事実はない。中国側の主張は不当なもの』と厳しい口調で撥ね付けた。
図:中国が一方的に設定した東シナ上空の防空識別圏
中国国防部が主張する自衛隊戦闘機の中国機に対する異常接近事件が発生したのは昨年11月23日発生したという。中国空軍の電子情報収集機『Y-8』型機が東シナ海を飛行中、航空自衛隊のF-15『イーグル』が接近。最接近時の両機の間隔は10㍍。この日は中国側が一方的に『防空識別区』を拡大。日本の防空識別圏(ADIZ)と重なる様になった。中国国防部は『その際の証拠もある』と日本側を非難。5月24日の自衛隊情報収集機への中国空軍超音速戦闘機の30~50㍍の異常接近事件より、手を先に出したのは日本側と言わんばかりの主張を展開した。
図:(防衛省)5月24日、自衛隊機を至近距離で威嚇した中国空軍の”スホーイSu-27″。
これに対し、小野寺防衛相は『昨年11月23日、中国側が”防空識別区の設定を一方的に発表した。この日、中国の 、トゥポレフTu-154、Y-8両機を確認し、(南西諸島への接近の)事実関係をこちら側から発表した』。 しかし、中国側のいう『至近距離での接近の事実はない』と国防部報道官の発言を”門前払い”。
『中国の主張は全く不当。我が国は(スクランブル時、相手機に)しっかりした安全対策をとっている』と中国国防部の主張を撥ね付けた。 NHKによれば、米統合参謀本部議長のデンプシー陸軍大将は『東シナ海上で米軍機が中国側の異常接近を受けている』とはじめて、日本メディアとの単独インタビューで明らかにした。