2014年7月10日(JST.01:40) Aaron Terruli
米北西部モンタナ州で起きた貨物列車脱線事故で、車両から落下した積み荷B737NG型機の被害は合計6機である事が判った。現地の有力メディアが7月9日迄に報じた。当初、脱線現場にそったクラーク・フォーク河の堤防部分の3機分の胴体の写真、ビデオが報じられたが、その後の調査で列車に積載していたB737NGの6機分の胴体すべてが被害を受けていた事が判明。3機の胴体は堤防に縦3列で投げ出され、残りの3機の胴体も線路沿いで落下していたという。線路沿いの機体のうち1機は、2個に分解していた。
河川の堤防の3機のうち1機は特殊クレーンで引き上げたが、落下した6機分の胴体の再使用が可能か否かは、今後、カンザス州ウィチタの工場で詳細な点検結果を待つ必要がある。発注した航空会社が事故後、再生した機体をすんなり引き取るかはきわめて微妙な問題と航空専門家は見る。
幸い、B777、B747関連の大型構造部材は事故の影響を免れたらしい。
しかし、『スピリッツ・アエロシステムズ』のB737NG胴体部の生産能力は、月産42機に引き上げたばかり。損傷した機体に見合う補充をこなす余裕はなさそうだ。ボーイングに取って年間引き渡し数に狂いが生じそうで、業績への跳ね返りが心配される。
ライバル、エアバスとの狭胴機分野で売り込み競争が激化する中で、今回の列車脱線事故はボーイングに取って手痛い打撃だ。
[(Boeing)月産42機のフル生産中のレントン工場]