復活したイースタン航空、三菱MRJ「確定20機+オプション20機」購入の覚書を締結


2014-07-20   松尾芳郎

 三菱航空機提供

図:(三菱航空機)6月26日公表のほぼ組立て完了したMRJ90の姿。7月14日に“イースタン航空”からの覚書(MOU)発注20+20機を受けた。翌15日には“エア・マンダレー”から10機を受注。これ等で、MRJの確定+オプションの合計受注は375機とした。イースタン航空への引渡しは20119年から始まる。

 

マイアミに本拠を置く新規航空会社「イースタン航空グループ」は、今年のファンボロー航空ショーで、三菱航空機との間で、MRJ90型機を確定20機プラス発注権利付き20機、を注文する覚書(MOU=memorandum of understanding)を取り交わした。(2014-07-14)

「イースタン航空プループ」のエドワード・ウイーゲル(Edward Wegal)会長兼社長は、記者会見で次ぎのように語っている。;—

「“イースタン”の名前で定期路線を始めるのは来年(2015)末になる。旧来の“イースタン”は1928年創業で1991年に破綻消滅した。新しい“イースタン”は、FAAの認可を得たのち、先ずボーイング737-800を使い2015年からチャーター便で営業を開始する。そして2015年末までに順次定期運航に移行する予定だ。そして、本格的な路線拡張は2019年からを目指している。

丁度この時期にMRJの受領を予定している。MRJは、旧イースタンが飛んでいた伝統的なルート、マイアミからカリブ海諸国とラテンアメリカ路線用に使うので、2クラス仕様で82席にする予定。MRJは、我々が考えているこれ等の路線に丁度適合した素晴らしい機体だ。MRJのエンジンはPW1200Gギヤード・ターボファンで、P&Wの首脳は、以前の顧客であった“イースタン”が再び顧客として復帰することを歓迎して呉れている。

“イースタン”は、MRJの開発プログラムの遅れについて、全く気にしていない、むしろ我々の路線計画に時期的に合致していて好都合である。一般的に新型機の開発には遅延は付き物で無いことの方がおかしい。」

 

上述のように「イースタン航空グループ」は、“旧イースタン航空”の社名を引継ぐ企業だが、両者の間にはそれ以上の関係はない。

“旧イースタン”は、米国で50年間近く,“ユナイテッド”、“デルタ”、”アメリカン“の各社とともに4大航空会社として著名だったが、1991年の湾岸戦争の時期に破綻した。

“新イースタン航空”は2011年に航空会社で経験を積んだ有志が集まり、”旧イースタン“の社名を買取り、新会社を発足させたのが始まり。その後資金面での調達が進み、某航空機リース会社から737-800 NG型機数機のリース導入が決まり、2017年4月からチャーター便の運航を開始する。

イースタン737

図:(Eastern Airlines)新イースタン航空の737-800型機、旧イースタンのロゴをそのまま使用する。

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Aviation Week eBulletin July 17, 2014 “Revived Eastern Air Lines Order 20 MRJs” by Aaron Larp

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