ボーイング、脱線事故で輸送中の貨車から落下したB737NG型の胴体6機分をスクラップ処分。損害額は不明。


2014年8月6日(JST.01:50 )                           Aaron Terruli             先月初め、米北西部モンタナ州で起きた貨物列車脱線事故で、貨車から落下したB737NG型6機分の胴体の処分方法が最終的に決まった。シアトルの地元有力紙『シアトルタイムズ』がこのほど報じた。外観上損傷程度が比較的軽微に見える機体も含め、全機現地でスクラップ処分が決定。輸送中の事故で生じた保険での保証範囲の算定が保険会社の立ち会いで終了したという。 輸送保険でどの程度カバーされるか、ボーイングが受けた直接の損害額の総計は不明。ボーイングはB737NG型機の生産機数を月間42機に引き上げ、押し寄せる注文の対応に追われている。6機分の胴体部分の補填や、航空会社の受領スケジュールへの影響は明らかでない。ボーイングの単通路型機のサプライチェーンはカンサス州ウィチタのアエロ・スピリッツ社で胴体部を製造、ワシントン州レントン工場までは大陸横断鉄道の輸送ルートを使用している。 貨物列車の脱線事故は7月3日、モンタナ州の山間部、モンタナ河支流沿いで発生した。長大編成の貨物列車のうち19両が脱線。このうち6両には完成したばかりのB737NG型機の胴体6機分が積載されていた。3機分は河の堤防に落下、残り3機分も貨車から転落、1機は胴体が二つに割れたという。同列車に積載していたB777型機の広胴型機部品には被害が及ばなかった。事故現場で、回収方法やその後の措置を検討した結果、ボーイングは該当6機分の胴体すべてを現場でスクラップ化する決断を下し、その後は専門企業が金属の塊として海外で売却するという。米国内で再利計画は一切無い。B737NG生産への影響を考え、胴体部分の製造を受け持つ関連企業、ウィチタ工場で点検後、可能な物は再活用との見方もきっぱり捨てたらしい。顧客のボーイング製航空機の品質への信頼性確保が最優先した。 K65105-02_med [(Boeing)B737NG型機の最終組み立てラインのレントン工場は、目下、月産42機のフル生産体制]