ロシア空軍攻撃機「Su-24」、日本海防空識別圏に侵入


2014-10-07 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚本部の発表(2014-10-06)によれば、10月6日ロシア空軍のスーホイ24(Su-24)型攻撃機がシベリア東部より本州北部に飛来、我国防空識別圏内を南下、その後能登半島北部沖から反転して北北東へ退去した。Su-24の侵入を受けて、航空自衛隊戦闘機が直ちに緊急発進、領空への侵犯を防いだ。

Su-24は後述のように対地、対艦攻撃能力の高い攻撃機であり、ロシアは近代化改修を終えた400機を配備中。我国は複数機による同時攻撃を受けた場合に備え、充分な対応が必要と思われる。

Su-24航跡

図:(統合幕僚本部)10月6日のロシア空軍機Su-24の飛行経路

ロシアSu-24

図:(統合幕僚本部)空自戦闘機が撮影したスーホイ24(Su-24)、NATOでは「フェンサー(Fencer)」と呼ぶ超音速攻撃機。可変後退翼(翼前縁で16°〜69°範囲)、双発、乗員2名の機体で、日本近海に姿を見せたのは珍しい。恐らく初めてではないか。1973年から配備を始め1993年までに1,400機が作られた。ロシア空軍と同海軍で約400機を運用中で、新型のKh-29ミサイル等の発射が可能なように近代化改修を実施済み。この他にウクライナ空軍が120機保有しているが稼働は25機と云われる。

全長22.5m、展張時の翼幅17.6m、最大離陸重量43.8㌧、エンジンはSaturn AL-21F-3A推力75kN(16,900lbs) を2基。最大速度は高空でマッハ1.35、航続距離はフェリーの場合3,000km。

兵装は、8ヶ所のハードポイントに対地、対艦攻撃用の各種ミサイル、誘導爆弾など合計8㌧を携行でき、その能力は侮り難い。

 

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