2015-05-11(平成27年) 松尾芳郎
防衛省統合幕僚監部の発表(2015-05-08)によると、5月7日(木)午後3時頃、海上自衛隊那覇基地第5航空群所属のP-3C対潜哨戒機が、尖閣諸島久場島の北約160kmの海上を東進する中国海軍の「江島(Jiangdao)」級フリゲート艦、「上饒(Shangrao)艦番号583」を発見した。「江島」級フリゲートは現在急ピッチで建造が進められている小型フリゲート(コルベットとも呼ぶ)で、海上自衛隊が発見したのは今回が初めてである。
図:(笹川平和財団海洋政策研究所)尖閣諸島とその近傍の位置関係。フリゲート艦「「上饒(Shangrao)艦番号583」の東進を発見したのは図の「尖閣諸島」の文字箇所の「尖」の字の上付近になる。ここは沖縄本島と石垣島の海峡に向かう航路にあたり、中国海軍艦艇が太平洋へ進出する際の通路になっている。
図:(笹川平和財団海洋政策研究所)尖閣諸島の拡大図。久場(くば)島は釣魚島の北東27kmにある無人島。
図:(統合幕僚監部) 久場島の北160kmを東進する「上饒(Shangrao)艦番号583」フリゲート。旧式フリゲート「Jianghu I/II/V」級の代替として2013年から量産中の新型フリゲート/コルベット。昨年末までに18隻が配備済み。満載排水量1,500トンながら、後部にヘリ飛行甲板を備え、煙突直前には対艦ミサイルYJ-83連装発射機2基を搭載、艦橋前方には76mm単装砲、煙突後方の甲板にはHHQ-10近接防御対空ミサイル発射機1基を備える。
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