2018-08-07(平成30年) 元文部科学大臣秘書官 鳥居徹夫
- 言論の自由も多様性も否定、目に余る「杉田議員へのヘイト」
杉田水脈(みお)衆議院議員に対し、差別主義者や人権蹂躙と誹謗中傷が、メジャーなマスメディアや野党国会議員などによって、卑劣なキャンペーンが展開されている。
総合誌「新潮45」8月号の特集「日本を不幸にする『朝日新聞』という虚構」に掲載された杉田水脈(みお)衆議院議員の論文「LBGT(性的少数者)支援の度が過ぎる」をめぐってである。
「LBGT(性的少数者)に生産性がない」と寄稿した杉田議員に対し、自民党本部前で抗議集会を実施し、デモで杉田議員の容姿を誹謗中傷するプラカードを掲げるといったテレビ用のパフォーマンスが、一部勢力によって展開された。
その攻撃材料となったのが「同性カップルには生産性がない」という表現であった。
ここでいう「生産性」とは、あくまでも生殖機能を指しており、個人として生きることや働くこと、さらには仕事で生産性を上げて納税することを指しているのではない。言っていないことを、電波を使っての誹謗攻撃は「抹殺したい相手に手段を選ばぬ」という卑劣な手法である。
言ってもいないことを、あたかも公言したかのようにすり替え、杉田議員への人格攻撃・ヘイトを展開されている。マスコミや一部野党が、杉田議員へのヒステリックな個人攻撃に使われている。
ひどい人権侵害であり、杉田議員や家族の安全すら危惧されている。ここにあるのはレッテル張りであり、杉田議員に対する言論抑圧と人権蹂躙にほかならない。
- そもそも杉田論文は「税金の使われ方」を提起したもの
杉田議員が、この論文で提起していたことは、あくまでも税金の使われ方である。
杉田議員はLGBTに対して、通常の施策に加え、特別に税金を投入してまで保護をする必要があるのか?ということを言っているのである。つまりLGBTの方々への過度な特権をみとめるとか、さらに血税を投入するといったことは不必要、と言っているだけである。つまりLGBTを特別視するとか、一部の差別する風潮に疑問を呈しているのである。
それどころか杉田水脈論文は、LGBT の当事者たちの方から聞いた話として「社会的な差別云々よりも、自分たちの親が理解してくれないことの方がつらい」「親はすごいショックを受ける」と記している。
さらに「LGBT の両親が、彼ら彼女らの性的指向を受け入れてくれるかどうかこそが、生きづらさに関わっています。そこさえクリアできれば、LGBT の方々にとって、日本はかなり生きやすい社会になる」「これは制度を変えることで、どうにかなるものではない」と、むしろLGBTの当事者のサイドにたった解説を行っている。
ところが杉田議員を攻撃・誹謗している人たちは「生産性」と言う言葉尻を使って、「謝罪しろ、撤回しろ」といった言論弾圧、さらにはワイドショーというテレビ番組が、杉田議員の寄稿をめぐる今回の騒動を取り上げていたが、これは「自称」多様性を大切にする人たちの言動・行動ではない。
おおよそ相手を脅迫するとか相手を威圧するやり方は、言論弾圧であり民主主義の危機でもある。またそれをセンセーショナルに報じるメディアもおかしい。
- 自由な言論を圧殺し、多様性を否定しているのが民進系野党
そもそも論文を雑誌に発表した一個人(杉田議員)に対して、謝罪要求のデモや殺害予告まで行われているが、杉田論文の全文を読んでいるとは思えない。
だからこそ左翼学者の大御所とされる山口二郎や香山リカらは、杉田議員に対し「議員辞職せよ」などと正当な選挙結果を冒涜する。ところが、彼らはこの論文に対しては、なぜか杉田議員には差別とか人権蹂躙とか多様性否定などといった発信がなされていない。科研費の使われ方などの提起では、狂ったように杉田議員を攻撃した彼らであったが、ここで杉田論文に反論すれば、倍がえし三倍がえしで、返り討ちにあうと認識しているからではないか。おそらく全文を読んでいて、杉田論文への攻撃は無理筋という判断が働いていたからであろう。
むしろ過剰反応したのは、一部新聞やワイドショーで視聴率を稼ぎたいテレビ局であった。そして政界では、オッチョコチョイの枝野幸男や玉木雄一郎などで、旧民進党重鎮の野田佳彦や岡田克也は沈黙ないしは様子見である。それどころか自民党の野田聖子や石破茂、小泉進次郎らが同調し、自民党内の不協和音を拡散できればば儲けもの、という感覚ではないか。
さて、これらに煽られて引っ込みがつかなくなったのが民進系の野党である。
立憲民主党代表の枝野幸男は7月30日に、「人権に対する意識の欠落という深刻な問題として許してはいけない」と、杉田議員への個人攻撃を行った。もしも枝野幸男が杉田論文の全文を読んでいたとしたら、余りにもお粗末である。また国民民主党共同代表の玉木雄一郎も、31日の記者会見で「誰かの価値観、誰かの視点で、他の人を普通ではないとラク印を押して、その人に対する蔑みの言葉を発することがあってはならない」と述べ、「本人も自民党も謝罪やコメントを出していないことは問題」と述べた。
これら両者の発言は、党内の議員や支持者に向けて発する警句であろう。
言論圧殺をはかり多様性を否定しかねない民進系野党こそ、自覚と反省が必要とされることは言うまでもない。杉田議員に謝罪すべきは、むしろ立憲民主党であり、国民民主党の議員である。
この「生産性」という杉田論文の表現は、デットボールでもビーンボールでもない。ストライクゾーンすれすれに入る変化球である。
これら杉田議員に対するヘイトは、まさしくバッターアウトにほかならない。(敬称略)