TOKYO EXPRESSの元主宰者で、日本経済新聞記者・編集委員として活躍した小河正義さんを記念する第一回「小河正義ジャーナリスト基金」(2019年)の助成者が決まった。11月25日に東京・内幸町の日本記者クラブにて、助成式を開いた。
同基金は、2017年11月11日に74歳で逝去された小河さんの遺志を踏まえ、組織の枠にとらわれず、真実を追求していくプロのジャーナリストを支援するため、年間2件の人(機関)に対して、各30万円を贈呈する制度。第一回の助成は、優れた応募活動が多く、特別に3件の助成を実施した。
助成対象者と略歴は次の通り。
<緑慎也氏>科学ジャーナリスト。東京大学教養学部基礎科学科理科学コース中退。学生時代に立花隆氏の講義を受けたことから、人に話を聞き、文献を調べ、文章にまとめるという仕事に興味を持つようになる。出版社、月刊誌(講談社「月刊現代」)記者を経て、フリーに。科学技術分野を中心に取材活動を展開している。著者に『消えた伝説のサル ベンツ』(ポプラ社)、共著『山中伸弥先生に聞いた「iPS細胞」』、短期連載「認知症との闘い」(2019年10月3日号から9回)/「週刊新潮」。
<村上睦美氏>医療ジャーナリスト。フリーランスで活動し、主にウェブメディアに記事を投稿している。北海道新聞社で厚生労働省担当の2年間を含め12年間勤務後、2004年退社。在職中に発病したがんと関連疾患の治療を終え16年に取材・執筆を再開。同年、闘病記「奇跡の子」が開高健ノンフィクション賞最終候補になる。同作品は「がんと生き、母になる」として今年3月、医療系の本出版を目指し設立した自社(まりん書房)より刊行。4月から大学院で公衆衛生学を学んでいる。
<特定非営利活動法人「ワセダクロニクル」>独立・非営利のジャーナリズムを追求するジャーナリスト集団。探査報道(調査報道)に特化したニュースをウェブサイトで無料公開している世界76ヶ国177の独立・非営利のニュース組織が加盟するGIJN(Global Investigative Journalism Network)には、同法人が日本では唯一加盟している。海外の有力独立メディアとの提携・共同取材を進め、国内では『週刊東洋経済』や『週刊金曜日』と提携している。日本外国特派員協会の「報道の自由推進賞」、反貧困ネットワークの「貧困ジャーナリズム大賞」を受賞。
同助成は毎年8月1日~10月末まで募集します。詳細は本サイトのトップページ右側にある「基金コーナー」にアクセスしてください。
担当:藤井良広<green@rief-jp.org>