令和3年3月、我国周辺における中露両軍の活動と我国/同盟国の対応(その1)


2021-04-08(令和3年) 松尾芳郎

 

令和3年3月、我国周辺における中露両軍、および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。今月の注目すべき事案は次の通り;―

①     3月25日発表 北朝鮮による新型弾道ミサイルの発射

②     3月19日発表  中国海軍055型レンハイ級ミサイル駆逐艦の出現

③     3月19日発表 米海兵隊EABO」ネットワークを通じ島嶼奪回訓練を実施

④     3月27日発表 ロシア海軍北方艦隊の原艦3隻が同時に北極の氷上に浮上

⑤     3月17日発表 中国海軍強襲揚陸艦「五指山」上陸用エアクッション艇で南シナ海で実戦演習

 

防衛省

3月16日発表  日米安全保障協議委員会(2+2)共同発表

3月25日発表  北朝鮮のミサイル等関連情報

 

統合幕僚監部

3月11日発表  ロシア機の日本海、オホーツク海および太平洋における飛行について

3月19日発表  中国海軍艦艇の動向について

3月26日発表  中国海軍艦艇の動向について

3月29日発表  中国機の東シナ海および太平洋における飛行についいて

 

陸上幕僚監部

なし

 

海上幕僚監部

3月03日発表  スペイン海軍および米海軍との訓練について

3月12日発表  掃海艦「えたじま」の引渡式・自衛艦旗授与式について

3月12日発表  護衛艦「はぐろ」の引渡式・自衛艦旗授与式について

3月16日発表  潜水艦「とうりゅう」の引渡式・自衛艦旗授与式について

3月21日発表  日仏ベルギー共同訓練および日米仏ベルギー共同訓練について

3月24日発表  対潜特別訓練について

 

航空幕僚監部

3月04日発表  PAC-3機動展開訓練の実施について

3月04日発表  移動警戒隊機動展開訓練の実施について

3月16日発表  米軍との共同訓練の実施について

3月19日発表  米軍との共同訓練の実施について

 

防衛研究所(NIDS)

3月26日発表  「東アジア戦略概観2021」を刊行

 

U.S. Naval Today. Com

3月03日発表  海上自衛隊、次世代型多目的フリゲート「もがみ」が進水

3月04日発表  海上自衛隊、音響測定艦「ひびき」級の3番艦「あき」が就役

3月16日発表  海上自衛隊、掃海艦「あわじ」級の3番艦「えたじま」が就役

3月23日発表  海上自衛隊、イージス駆逐艦「まや」級の2番艦「はぐろ」が就役

3月26日発表  米海軍、最初の次世代型巡航ミサイル「トマホークBlock V」を受領

 

米海軍第7艦隊ニュース

3月03日発表  セオドア・ルーズベルト空母打撃群は海上自衛隊艦隊と共同演習

3月05日発表  米海軍・海上自衛隊共同訓練を通じ同盟を強化

3月10日発表  第7艦隊ミサイル駆逐艦が台湾海峡を通過

3月16日発表  セオドア・ルーズベルト空母打撃群がインド洋で実弾射撃訓練を実施

3月19日発表  日本とハワイ駐留の海兵隊、「EABO」ネットワークを通じ共同射撃訓練

3月29日発表  セオドア・ルーズベルト空母打撃群はインド海軍と共同訓練を実施

3月30日発表  日米共同訓練について

 

ロシア海軍情報管理局ニュース

3月27日発表  ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦3隻は同時に北極の氷上に浮上

3月28日発表  ロシア海軍太平洋艦隊最新コルベット「グロムキー」はピョートル大帝湾で対潜訓練を実施

 

China Military com.

3月11日発表  中国海軍ミサイル駆逐艦隊は東シナ海で実弾射撃演習

3月17日発表  中国海軍、上陸用エアクッション艇を使い南シナ海で実戦演習

3月26日発表  中国海軍、遠方海域(南シナ海?)で実弾射撃演習

 

フォーカス台湾ニュース

3月26日発表  中国軍機、過去最多の20機が台湾防空圏に、台湾米国の覚書締結後

3月30日発表  中国軍機10機、台湾防空圏侵入、空軍が対応

 

以下にこれらニュースを簡単に紹介する。

 

防衛省

 

3月16日発表  日米安全保障協議委員会(2+2)共同発表

3月16日、東京で茂木外相、岸防衛相、ブリンケン国務長官、オーステイン国防長官は、日米安全保障協議委員会を開催した。主な合意項目は次の通り;―

・日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全、繁栄の礎であり続けることを再確認。

・日本は防衛力を一層強化する決意を表明。

・米国は核戦力を含む米軍の能力で日本の尖閣諸島を含む防衛にコミットすることを強調。

・台湾海峡、南シナ海を含む地域での中国の不法な権益主張、活動に対する反対を表明。

・香港、新疆ウイグル自治区の人権状況に深刻な懸念を共有。

 

3月25日発表  北朝鮮のミサイル等関連情報

3月25日、7時4分および同23分頃、北朝鮮は日本海側の宣徳付近から、計2発の弾道ミサイルを発射した。従来のスカッドの軌道より低い高度を、450 km飛翔し我が国排他的経済水域(EEZ)の外に落下した。

北朝鮮国営通信(KCNA)によると、これは新しく開発した「新型戦術誘導弾」で、日本海上600 km水域に設けた目標に正確に着弾した。新型戦術誘導弾は、「弾頭の重量を2.5 tonにしたシステム」で核弾頭を搭載できる。ロケットは「改良型の固体燃料エンジン」、低高度・滑空跳躍型飛行で変則的な軌道で飛ぶ。

「新型戦術誘導弾」は5軸10輪式の垂直発射車両(TEL)から発射される弾道ミサイルで基本となるロシア製「イスカンデル」より大きい。これは弾頭重量を2.5 tonにしたための措置らしい。将来核弾頭が小型化されれば射程が伸び、容易に日本攻撃ができる。

西側専門家は、昨年10月の軍事パレードで姿を見せたミサイルで「KN−23」の改良型と見ている。

北線弾道ミサイル

図1:(北朝鮮国営通信(KCNA)) 3月25日午前7時過ぎに2発続けて発射した北朝鮮の新型弾道ミサイル。低高度を変則軌道で飛翔、600 km離れた海上目標に正確に着弾した。

 

統合幕僚監部

 

3月11日発表  ロシア機の日本海、オホーツク海および太平洋における飛行について

略(TokyoExpress 2021-03-16 「3月11日、ロシアTu-95-MS戦略爆撃機を含む9機、防空識別圏に侵入」に記載済み)

 

3月19日発表  中国海軍艦艇の動向について

3月18日(木)午前11時、下津島南西250 kmの海域を東シナ海から日本海に向け北東に進む中国海軍艦隊を発見した。同艦隊はレンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦1隻、およびジャンカイII級フリゲート1隻の合計3隻。発見・追尾したのは海自厚木基地の第4航空群所属の「P-1「哨戒機、佐世保基地の佐世保警備隊所属護衛艦「あまくさ」および同第3ミサイル艇隊所属の「しらたか」である。

注目すべきは、海自の前に初めて姿を現した「レンハイ/Renhai」級駆逐艦。055型と呼ばれ、満載排水量12,000-14,000 ton長さ183mの大型艦で、対空ミサイル等を収納・発射する垂直発射装置VLS を112セル装備する。2020年1月に1番艦「南昌/Nanchang(101)」が北海艦隊で就役、現在までに3隻が配備済みで、艤装中が5隻、さらに8隻の建造が計画されている。米海軍のイージス艦「アーレイ・バーク」級や海自の「あたご」級に相当するが、より大きく、兵装・電子装備も最新型で同じレベルあるいは凌駕している。

レンハイ101

図2:(統合幕僚監部)3月18日と同26日に対馬海峡を通り東シナ海と日本海を往復して、我国にその姿を誇示した055型ミサイル駆逐艦「南昌 (101)」。VLSは前部に64セル、後部に48セルを配置する。艦首には70口径130 mm単装速射砲1基を搭載する。

南昌101 

図3:(JBpress)統幕発表の写真は不鮮明なので鮮明な「南昌/Nanchang (101)」の姿を示す。

ルーヤン120

図4:(統合幕僚監部)「ルーヤン/Luyang/旅洋」級駆逐艦には3種ある。写真は旅洋III型(052D型)の11番艦「成都/Chengdu (120)」。2019年北海艦隊で就役。満載排水量7,500 ton、長さ156 m、対空ミサイル垂直発射装置VLS 64セル、30 mm対空機関砲CIWS 1基、70口径130 mm 単装砲1門などを備える。僚艦防空能力を持つイージス艦である。「ルーヤン級」には次の3種類がある。

・旅洋I型:広州級駆逐艦 (052B型)、2隻/これは試作艦

・旅洋II型:蘭州級駆逐艦 (052C型)  6隻

・旅洋III型:昆明級駆逐艦 052D型)25隻

ジャンカイII 576

図5:(統合幕僚監部)「ジャンカイII/江凱II」型は「054A」フリゲート、2008年に1番艦「舟山・529」が就役。写真は「大慶 /Daqing (576)」北海艦隊所属で2015年就役。満載排水量4,500 ton、全長137 m、速力27 kt、HQ-16対空ミサイルを32セルVLSに収めている。対艦ミサイルは艦中央にYJ-83型を4連装発射機2基に搭載している。[045A]型フリゲートは外洋艦隊用で防空能力を強化。同型艦は30隻が就役済み。

 

3月26日発表  中国海軍艦艇の動向について

3月25日(木)午後5時、上対馬の東北50 kmの海域を日本海から東シナ木に向け南西に進む中国艦隊3隻を発見した。発見・追尾したのは佐世保基地第3ミサイル艇隊の「おおたか」である。これら中国艦隊は前項の3月18日(木)に対馬海峡を北上したものと同じ。

 

3月29日発表  中国機の東シナ海および太平洋における飛行についいて

3月29日(月)中国軍機Y-9情報収集機1機とY-9哨戒機1機が東シナ海から沖縄本島―宮古島の間、宮古海峡を通過、太平洋に出て南西に変針、台湾の東まで飛び、再び往路と同じ航路で宮古海峡を通過東シナ海に戻った。空自那覇基地から戦闘機が緊急発進し、領空侵犯に備えた。

3-29 Y-9

図6:(統合幕僚監部)3月29日、Y-9情報収集機とY-9対潜哨戒機の飛行経路。

3-29 中国機1 

図7:(統合幕僚監部)Y-9情報収集機

3-29中国機2 

図8:(統合幕僚監部)Y-9対潜哨戒機。尾部ブームの先端に磁気探知機 (MAD=magnetic anomaly detector)を備えている。

 

3月29日発表  ロシア機の日本海における飛行について

3月29日(月)ロシア軍IL-38哨戒機2機が日本海の竹島と隠岐の島の間に飛来、本州の沿岸沿いに秋田県沖まで飛行、立ち去った。空自戦闘機が緊急発進し領空侵犯を防いだ。

3-29ロシア機

図9:(統合幕僚監部)3月29日、ロシア軍Il-38哨戒機2機の飛行経路。

IL-38 

図10:(統合幕僚監部)「IL-38」は1年前にもほぼ同じコースに飛来している。IL-18型旅客機を対潜哨戒機にしたのがIL-38。1967年から量産、58機が製造されロシア海軍は35機を受領、5機がインド海軍に引渡された。IL-18の胴体を4m伸ばし、主翼を3 m前方に移し前部胴体のみが与圧室になっている。尾部に潜水艦探知用のMAD(磁気探知装置)、前部胴体下のドームはレーダー。胴体前後にある兵装庫は、前にソノブイ、後ろに対潜魚雷を格納する。機首上部のアンテナは新開発の電子情報収集システム(Electronic Intelligence System)[ノベラ(Novella)P-38]。写真は新型のIL-38N型で、ロシア海軍では太平洋艦隊に8機を配備。

 

海上幕僚監部

 

3月03日発表  スペイン海軍および米海軍との訓練について

2月26日(金)、グアム島周辺海域で海自護衛艦「ゆうぎり」はスペイン海軍帆船「ファン・セバステイアン・デ・エルカーノ」と親善訓練を行なった。

また、同月28日(日)には、海自護衛艦「ゆうぎり」、練習艦「せとゆき」、「はたかぜ」は、グアム島周辺海域で米空母「セオドア・ルーズベルト」、ミサイル巡洋艦「バンカー・ヒル」と共同訓練を行なった。目的は戦技向上と米海軍との連携強化のため。

3-03日本スペイン

図11:(海上幕僚監部)2月26日、グアム島周辺海域でスペイン海軍帆船「ファン・セバステイアン・デ・エルカーノ」に登舷礼を行う海自護衛艦「ゆうぎり」。

3--3 日米訓練

図12:(海上幕僚監部)2月28日、グアム島周辺海域で行なった日米共同訓練、左から海自護衛艦「ゆうぎり」、「はたかぜ」、米空母「セオドア・ルーズベルト」、米ミサイル巡洋艦「バンカー・ヒル」、海自練習艦「せとゆき」。

 

3月12日発表  掃海艦「えたじま」の引渡式・自衛艦旗授与式について

3月16日(火)午前、掃海艦「えたじま(MSO-306)」の引渡式・自衛艦旗授与式がジャパン・マリン・ユナイテッド社鶴見工場で行われる。

「えたじま」は「あわじ」型掃海艦の3番艦で、「あわじ」、「ひらど」と共に海自最大のFRP(繊維強化プラスチック)製の艦、基準排水量690 ton、速力14 kts、呉基地掃海隊群第3掃海隊に所属する。

えたじま2

図13:(ジャパン・マリン・ユナイテッド)3月16日就役の掃海艦「えたじま(MSO-306)」。FRP製で排水量690 ton、艦首甲板にJM61-RFS 20 mm自動目標追尾型機関砲を装備する。

 

3月12日発表  護衛艦「はぐろ(DDG-180)」の引渡式・自衛艦旗授与式について

3月19日(金)午前、護衛艦「はぐろ」の引渡式・自衛艦旗授与式がジャパン・マリン・ユナイテッド社磯子工場で行われる。

「はぐろ(DDG-180)」は「まや」型護衛艦の2番艦で満載排水量10,250 ton、最初から弾道ミサイル防衛「BMD」能力を備え、日米共同開発の新迎撃ミサイル「SM-3 Block 2A」を搭載する。これで敵弾道ミサイルの迎撃高度は1,000 kmに達し防空空域が著しく拡大する。これとは別に巡航ミサイル迎撃用の「SM-6」も搭載する。ミサイル発射装置はMk.41 VLSで、前甲板に64セル、後甲板に32セルを装備する。推進装置はLM2500 IECガスタービン2基、2軸式で電気推進と機械式推進を組み合わせたハイブリッド推進「COGLAG」を採用している。速度は30 kts。また「まや」と同様、「共同交戦能力/CEC=cooperative engagement capability」を備え、味方艦艇、潜水艦、航空機などとネットワークで結び、友軍のどれかが捉えた敵情報を共有し、攻撃できる。

はぐろ

図14:(乗りものニュース/武若雅哉氏撮影)2021年3月19日、引渡式、自衛艦旗授与式を終えたミサイル護衛艦「はぐろ」。配備先は佐世保第4護衛隊群第8護衛隊。

 20-04 海自イージス艦比較のコピー

図15:(2020年4月作成)海自保有のミサイル護衛艦(通称イージス艦)DDGの一覧表。

 

3月16日発表  潜水艦「とうりゅう(SS-512)」の引渡式・自衛艦旗授与式について

3月24日(水)午前、潜水艦「とうりゅう」の引渡式、自衛艦旗授与式が川崎重工・神戸工場で行われる。

[とうりゅう(SS-512)]は「そうりゅう」型潜水艦の12番艦で最終艦となる。11番艦「おうりゅう」に続いてリチウム・イオン電池を搭載、潜航時間が大きく伸びている。水中排水量4,200 ton、長さ84 m、乗員は65名。機関はデイーゼル・エレクトリック方式で静粛な川崎重工製12V25/25SB型デイーゼルエンジン2基を搭載、水中速度20 kts。川崎重工神戸造船所で建造、「そうりゅう」型ではあるがこれまでのスターリング・エンジンを廃し、GSユアサが開発したリチウム・イオン電池を使う。

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図16:(Yahooニュース)自衛艦旗授与式を終えた海自潜水艦「とうりゅうSS-512」。海上幕僚監部は配備先は未定としている。

 

3月21日発表  日仏ベルギー共同訓練および日米仏ベルギー共同訓練について

3月17日-18日の間、アデン湾(Gulf of Aden)海空域において、日仏ベルギー3ヶ国海軍の共同訓練を行なった。目的は海自の戦技向上とフランスおよびベルギー両海軍との連携強化。参加したのは海自護衛艦「ありあけ」、フランス海軍空母「シャルル・ド・ゴール」、同駆逐艦「プロバンス」、同補給艦「ヴァール」、ベルギー海軍フリゲート「レオポルドI世」である。

続いて3月19日-20日の間、アラビア海海空域において、日米仏ベルギー4ヶ国海軍の共同訓練を行なった。目的は海自の戦技向上とアメリカ、フランス、ベルギー各海軍との連携強化。参加したのは海自護衛艦「ありあけ」、米海軍ミサイル巡洋艦「ポートロイヤル」、強襲揚陸艦「マキン・アイランド」、フランス海軍空母「シャルル・ド・ゴール」、同駆逐艦「プロバンス」、同「シェバリエ・ポール」、ベルギー海軍フリゲート「レオポルドI世」である。

アデン湾

図17:(Google) アデン湾、アラビア海の位置。

 

3月24日発表  対潜特別訓練について

3月23日(火)、種子島東方海空域で、海自潜水艦1隻および航空機1機は米海軍航空機1機と共同で対潜水艦戦特別訓練を行なった。

 

3月30日発表  日米共同訓練について

3月29日(月)、東シナ海海空域で、海自護衛艦(イージス艦)「こんごう(DDG 173)」は米海軍揚陸指揮艦「ブルーリッジ(USS Blue Ridge/ LCC 19)」と、相互運用能力の向上のため各種戦術訓練を実施した。

米第7艦隊ニュースによれば、この演習は細部に渡る通信連絡、編隊航行、で緊密な連携を向上させる上で有効であった、と述べている。特にブルーリッジに搭載する第12戦闘ヘリコプター中隊所属のヘリが両艦の連絡飛行を行い、米軍幹部が「こんごう」に移乗したのは珍しいことだった。「ブルーリッジ」は、これまで40年間前線に勤務し、現在は第7艦隊旗艦を務めインド・太平洋海域全般の平和を守る米海軍最年長のの鑑である。

3-30 Blue Ridge金剛

図18:(US 7th Fleet)海自護衛艦「こんごう」(手前)と米海軍揚陸指揮艦「ブルーリッジ」。「ブルーリッジ /Blue Ridge 」は1970年就役で第7艦隊旗艦、横須賀が母港。揚陸艦隊を指揮する専用艦で、武装は軽微だが絶えず改良が行われ指揮・通信系統が充実している。満載排水量18,400 ton、全長194 m、最大速度23 kts、乗員は約840名、

 

3月31日発表  日豪共同訓練について

3月29日-同31日の間、南シナ海海空域で海自護衛艦「あけぼの」は、豪海軍フリゲート「アンザック」と、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け連携を強化するため、戦技向上と相互運用性向上を図る共同訓練を行なった。

3-31日豪訓練

図19:(海上幕僚監部)左は海自護衛艦「あけぼの:、右は豪海軍フリゲート「アンザック」。

 

航空幕僚監部

 

3月04日発表  PAC-3機動展開訓練の実施について

3月10日(水)那覇基地の空自第5高射群/第17高射隊は、弾道ミサイル迎撃用PAC-3発射器材を在日米軍施設の嘉手納飛行場に展開、そして撤収までの、一連の手順の機動展開訓練を実施する。目的は、戦技向上と即応体制を国民に示すこと。

第5高射群は、第16高射隊/知念分屯地、第17高射隊/那覇基地、第18高射隊/知念分屯地、第19高射隊/恩納分屯地、で構成する。各高射隊は、PAC-3対空ミサイル発射機5両を中心に射撃管制装置、レーダー、電源車などで編成されている。発射機にはPAC-3専用のM902(16発搭載)とPAC-2用のM901(4発搭載)がある。

PAC-3

図20:(航空幕僚監部)空自のPAC-3搭載用M902発射機。発射筒は2基で、PAC-3を4発ずつ、合計8発搭載する。米陸軍の発射機は全て発射筒を4基搭載しており、PAC-3を合計16発搭載する。空自では予算不足のためか半分にしている。組織上の体裁は米軍と同じだが、戦闘能力は半分と言うことだ。

 

3月04日発表  移動警戒隊機動展開訓練の実施について

3月15日(月)那覇基地の空自南西航空警戒管制団は、移動式レーダー装置等を在日米軍施設の嘉手納基地に展開、そして撤収までの一連の手順の機動展開訓練を実施する。目的は戦技向上。

3-04 空自レーダー

図21:(航空幕僚監部)南西航空警戒管制団の移動式レーダー装置。

 

3月16日発表  米軍との共同訓練の実施について

3月15日(月)、那覇基地の第9航空団所属のF-15戦闘機4機は、米海兵隊所属のF-35B戦闘機4機および米空軍KC-135タンカー1機と、那覇北西の東シナ海上の空域で共同で防空戦闘訓練を実施した。目的は戦技向上のため。

 

3月19日発表  米軍との共同訓練の実施について

3月18日(木)、千歳基地の第2航空団所属のF-15戦闘機2機は、米空軍F-16戦闘機1機と三沢基地東方の太平洋上の空域で対戦闘機戦闘訓練を実施した。目的は戦技向上のため。

3-19空自戦闘訓練

図22:(航空幕僚監部)三沢基地東方の太平洋上で戦闘訓練をする空自F-15と米空軍F-16.。

 

―以下(その2)に続くー