2023(令和5年)-08-05 松尾芳郎
令和5年7月、我国周辺における中露両軍および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し各方面から多くの発表があった。今月の注目すべきニュースは次の通り。
(Military threats from Chinese, Russian Forces and North Korea are tensed up in July. Japan and Allies conducted multiple large scale exercises for retaliation. Following were main issues.)
- 北朝鮮ミサイル発射
- ロシア艦艇2隻が5月12日から7月4日の間、尖閣諸島周辺を遊弋
- 日米空軍7月12日と13日、北鮮ICBM発射に対抗、東シナ海北部で演習
- 2023年度第一四半期における緊急発進は高い水準
- 日米韓ミサイル駆逐艦が7月16日、北鮮ICBM発射に対抗、日本海で演習
- 中国、ロシア海軍艦艇9隻が7月18日-23日、日本海で実弾射撃を含む演習を実施、同艦隊は28日宗谷海峡を東進オホーツク海へ
- 中国海軍艦艇2隻が7月18日、宮古海峡経由太平洋から南西諸島を周り与那国島と台湾の間を通過、東シナ海へ
- 水陸機動団・第1ヘリコプター団、ヘリ空母「いずも」等は、米豪両軍主催のタリスマン・セイバー演習(7月20日-8月4日)に参加
- 海自補給艦は7月3日、イタリア海軍フリゲートと東シナ海で補給訓練を実施
- 海自護衛艦は7月5日=10日の間、インド海軍とベンガル湾で演習を実施
- 海自護衛艦は7月1日-10日の間、米海軍・海兵隊、オーストラリア海軍、および韓国海軍駆逐艦とグアム島周辺で演習「Pacific Vanguard 23」を実施
- 海自掃海艦など13隻は7月16日-28日の間、米海軍、インド海軍、イタリア海軍と陸奥湾で機雷戦及び掃海訓練を実施
- 海自護衛艦は7月11日、米海軍揚陸指揮艦と四国南方太平洋上で共同訓練を実施
- 海自補給艦は7月17日米ミサイル駆逐艦と日本海で補給訓練を実施
- 空自戦闘機等は6月30日、米空軍B-52爆撃機2機と東シナ海など沖縄周辺で共同訓練を実施
- 空自戦闘機等は7月26日-29日の間、フランス空軍戦闘機等と新田原基地から関東周辺空域で共同演習を実施
- 空自戦闘機等は8月2日-10日の間、イタリア空軍戦闘機等と小松基地周辺空域で共同訓練を実施予定
- 空自F35A戦闘機6機を含む27機は8月23日-9月15日の間、オーストラリア空軍F-35A戦闘機6機を含む13機と小松基地周辺で共同訓練を実施予定
- 令和5年度防衛白書、閣議決定を受け7月28日公表、防衛力抜本的強化「元年」と位置付
- 米、台湾に初の無償武器支援3億4500万ドル(約480億円、28日発表
以下に各項目について説明する。
- 7月における北朝鮮のミサイル発射
- 7月12日ICBM「火星18」固体燃料・3段式のICBM1発を日本海に向け発射、EEZ外に落下した。火星18は射程1,000 km以上、米本土を射程に収める。今年4月の実験に続き2回目、高圧ガスなどでランチャーから打ち上げ点火する「コールドローンチ(cold launch)」方式で発射され、高度6,600 km以上に達し、74分間飛行して日本海に落下した。
図1:(朝鮮通信)7月12日、平壌付近から発射されたICBM 「火星18」は固体燃料式3段で射程10,000 -13,000 kmとされる。米本土を射程に収めるが、米国及び韓国の軍事筋は弾頭の再突入技術が未完成なので、実戦配備にはさらに試験が必要と見ている。
- 7月19日短距離弾道ミサイル2発を発射、射程600 km、いずれも日本海に向け発射、EEZ外に落下。
図2:(防衛省)7月19日発射の短距離弾道ミサイルの航跡。
- 7月22日黄海に向けて巡航ミサイル数発を発射。これは米原潜「ケンタッキー」が18日-21日の間釜山に寄港したことに対抗して行われた。
「ケンタッキー(USS Kentucky, SSBN-737)」は「オハイオ(Ohio)」級戦略原潜の12番艦。水中排水量19,000 ton、全長170 m、速力20 kts以上。就役は1991年。核弾頭付き「トライデント(Trident) II」弾道ミサイル24発を搭載する。
図3:(Yonhap・連合 News)イ 韓国大統領は19日、米原潜(SSBN 「ケンタッキー」に乗艦、内部を視察した。演説で「SSBNのような戦略兵器を朝鮮半島周辺に展開することで、北朝鮮の脅威に対し決然とした対応をとっていく」と述べた。
- 7月24日ICBM 2発を発射、EEZ外に落下、高度100 km、飛翔距離400 km。これは24日に別の米原潜「アナポリス」が済州島に寄港したことに対抗して行ったもの。
「アナポリス(USS Annapolis, SSN-760)」は「ロサンゼルス (Los Angeles)」級攻撃型原潜の49番艦。満載排水量7,000 ton、全長110 m、水中速力30 kts以上、兵装はMk 48魚雷発射管4基、及びVLS 12セルを備え、魚雷、ハープーン、トマホークなど巡航ミサイルを搭載する。「アナポリス」は敵艦艇や潜水艦攻撃が主任務、核弾頭は装備していない。昨年来日米韓合同演習に参加している。
図4:(韓国国防省)済州島の海軍基地に寄港した「アナポリス」攻撃原潜
2. ロシア艦艇2隻が5月12日から7月4日の間、尖閣諸島周辺を遊弋
ロシア太平洋艦隊所属のステレグシチー級フリゲート(333および335)の2隻は5月12日、対馬海峡を通過東シナ海経由、南西諸島与那国島と西表島の間の海峡を通り太平洋に出て5月30日に宮古海峡を経て東シナ海に入り、7月1日から3日の間宮古島北東で錨泊、それから3日-4日は尖閣諸島近海を遊弋、それから東シナ海を北東に進んだ。
図5:(統合幕僚監部)7月12日、対馬海峡を通過するステレグシチー級フリゲート(333および335).。
図6:(統合幕僚監部)7月1日-3日宮古島北東80 kmの海上で錨泊するロシア海軍ステレグシチー級フリゲート(333/右)と(335/左)。
その後7月12日ステレグシチー級フリゲート(333および335)の2隻は、対馬海峡を北東に進み、日本海に向け立ち去った。
図7:(統合幕僚監部)ロシア海軍ステレグシチー級フリゲート2隻の5月12日から7月12日の間の航跡、尖閣諸島海域で活動したのは中国との連携を誇示するため。
3. 日米空軍7月12日と13日、北鮮ICBM発射に対抗、東シナ海北部で演習
7月12日北朝鮮「火星18」ICBM発射に対抗して、同日直ちに空自と米空軍は九州西方の東シナ海北部の空域で対地攻撃能力を備えた戦闘機を動員、共同訓練を行なった。参加したのは;―
空自築城基地第8航空団所属のF-2戦闘機4機
米空軍嘉手納基地第18航空団第44戦闘中隊/第67戦闘中隊所属のF-15C戦闘機2機およびKC-135空中給油機1機
図8:(統合幕僚監部)12日、東シナ海北部の空域で共同演習を行う日米空軍機。左は米第18航空団F-15C戦闘機2機と空自第8航空団F-2戦闘機3機。右はKC-135空中給油機と戦闘機群。
7月13日には、前日に続いて同じ東シナ海北部の空域で日米両空軍はB-52爆撃機を含め共同演習を行なった。参加したのは空自築城基地の第8航空団F-2戦闘機4機および米空軍B-52H爆撃機1機とKC-135空中給油機1機。B-52Hの所属はミノット空軍基地(Minot AFB, Louisiana)第5爆撃連隊(5th Bomb Wing)か?
図9:(統合幕僚監部)13日、東シナ海北部の空域で共同演習を行う日米空軍機。左はKC-135空中給油機と編隊飛行をする空自F-2戦闘機3機、右はKC-135給油機と B−52H爆撃機、それに続く3機のF-2戦闘機。
4. 2023年度第一四半期における緊急発進は高水準
2023年4月1日~6月30日の第一四半期における空自戦闘機の緊急発進回数は238回、昨年同期(235回)とほぼ同じ。対中国機が66 %、対ロシア機は31 %。
対応する空自航空方面隊別では、北部方面隊が48回、中部方面隊が18回、西部方面隊が26回、南西方面隊が146回、で中国機の侵犯に対抗する南西航空方面隊の出撃回数が著しく多い。
中国機に対する緊急発進は157回で昨年同期(171回)より少ないものの高水準にある。ロシア機に対するものは73回、昨年同期より15回増加。
注目すべきは、東シナ海・太平洋・日本海と我国EEZ域内を飛ぶ中国H-6、ロシアTu-95両爆撃機による長距離共同飛行、それと太平洋上で中国空母「山東」が620回に達する戦闘機などの離発着訓練を実施、などがある。いずれも我国に対する威嚇行動である。
図10:(統合幕僚監部)2023年第一四半期における中露両軍機の我が国周辺での飛行パターン。日米韓ミサイル駆逐艦が7月16日、北鮮ICBM発射(7月12日)に対抗、日本海で演習
5. 日米韓ミサイル駆逐艦が7月16日、北鮮ICBM発射(7月12日)に対抗、日本海で演習
16日に日本海で日米韓3カ国海軍のミサイル駆逐艦3隻が弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術演習を実施した。参加した艦艇は、海自「まや(DDG 179)」、米海軍「ジョン・フィン/USS John Finn (DDG 113)」、韓国海軍「ユルゴク・イ・イ(栗谷李珥) (DDG 993)。
図11:(統合幕僚監部)手前から海自「まや・DDG 179」、「まや」は2020年就役の最新型イージス艦。中は米海軍「ジョン・フィン(DDG 113)」はアーレイ・バーク級の63番艦で2017年就役、第7艦隊所属で横須賀が母港。奥は韓国海軍イージス艦世宗大王級の2番艦「ユルゴク・イ・イ(栗谷李珥)(DDG 992)」で2010年の就役。
6. 中国、ロシア海軍艦艇9隻が7月18日-23日、日本海で実弾射撃を含む演習を実施、同艦隊は28日宗谷海峡を経由オホーツク海へ
- 7月18日、中国海軍の次に示す5隻が対馬海峡を通り日本海に入り、島根県隠岐の島の北400 kmの海域に進出;ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦2隻(119および121)、ジャンカイII級フリゲート2隻 (542および598)、
- フチ級補給艦 (889)
- これとは別に7月16日ドンデイアオ級情報収集艦(796)が対馬海峡経由日本海に入った。
- 同じ18日、ロシア海軍、次の4隻が日本海で中国艦艇5隻と合流;ウダロイI級駆逐艦2隻(548および564)、ステレグシチーII級フリゲート(337)、
- ステレグシチー級フリゲート(339)
- 18日〜23日の間これら中露艦隊9隻は隠岐の島北400 kmの海域で実弾射撃、艦載ヘリコプターの離発着訓練などを行なった。
- 演習終了後の7月28日に、中露艦隊はドウブナ級補給艦を加え10隻となり、北海道宗谷岬を通過、オホーツク海に向かった。
図12:(統合幕僚監部)18-23日、隠岐の島北400 kmの日本海海域で行われた中露海軍9隻の演習を監視する海自ヘリ空母「ひゅうが(DDH 181)」。
図13:(統合幕僚監部)ルーヤンIII級(旅洋III級)ミサイル駆逐艦は、「昆明級052D型駆逐艦」・中国版イージス艦で、同型艦は25隻。満載排水量7,500 ton、速力30 kts、70口径130 mm単装砲1門、垂直ミサイル発射装置/VLSを32セル型2基を装備する。
図14:(統合幕僚監部)
図15:(統合幕僚監部)「ジャンカイII/江凱II」型は「054A」フリゲート、満載排水量4,000 ton、全長134 m、速力27 kt、HQ-16対空ミサイルを32セルVLSに収納。対艦ミサイルYJ-83型を艦中央の4連装発射機2基に搭載。外洋艦隊防空用で防空能力を強化している。同型艦は40隻が就役済み。
図16:(統合幕僚監部)
図16A:(統合幕僚監部)
図17:(統合幕僚監部)7月18-22日、日本海で実弾射撃演習した中露艦隊10隻の航跡。実弾射撃演習をして海域は赤丸で示す。
7. 中国海軍艦艇2隻が7月18日、宮古海峡経由太平洋から南西諸島を周回、与那国島と台湾の間を通過し、東シナ海へ
7月18日、中国海軍「ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(154)とジャンカイII級フリゲート(578)の2隻が沖縄本島と宮古島のあいだの宮古海峡を通過、太平洋に出、南西諸島南の海域を周回し19日には与那国島の南西70 kmを北上、台湾と与那国島の間を通過、尖閣諸島の接続水域を通過して東シナ海に戻った。尖閣諸島近辺には中国海警局の艦艇が連日現れているが、最近は海軍艦艇もこれに加わるようになった。
このように、尖閣諸島領有権の主張を既成事実化する中国の行動は今や定例化の状態。このため我国マスコミはニュース価値がないとしてか、殆ど報道しなくなった。こんな事では早晩尖閣諸島は中国に奪われてしまう。由々しい問題だ。
図18:(統合幕僚監部)
図19:(統合幕僚監部)
8. 水陸機動団・第1ヘリコプター団、ヘリ空母「いずも」等は米豪両軍主催の「タリスマン・セイバー(Talisman Sabre 23)」演習 (7月20日-8月4日) に参加
タリスマン・セイバー(Talisman Sabre 23)演習はオーストラリア北西沿岸部にある広大な演習場で行われる実戦を模した演習、米軍およびオーストラリア軍が主催し、日本とドイツを含む13カ国から3万名の将兵が参加して行う世界最大規模の演習。今年は第10回目になり、自由で開かれたインド・太平洋構想を推進するための演習と位置付けている。
図20:(Wikipedia)クイーンズランド(Queensland)州の位置。
演習実施場所はオーストラリア北東部クイーンズランド州(QLD=Queens land)に点在する:
- 総合火力誘導訓練はショール・ウオーターベイ演習場(Shoal-Water Bay Training Area)
- 着上陸予行訓練はミッジポイント(Midge Point,)
- 総合訓練はスタネージ(Stanage Bay)
- 対空戦闘訓練はショール・ウオーターベイ演習場(Shoal-Water Bay Training Area)
- 対艦戦闘訓練はジャービスベイ特別地域(Jervis Bay Territory)
15日間の演習は、大規模な戦略演習、上陸侵攻演習、各國軍の実弾射撃展示演習、地上戦闘演習、が行われる。今回は初めて太平洋の島々、パプア・ニューギニア、フィジー、トンガ、が参加する。
太平洋諸島3カ国を除く10カ国軍は二手に分かれ実戦を模した演習をする。
主要国からの参加部隊は次の通り;―
陸自:東部方面隊第2高射特科群、西部方面隊第5地対艦ミサイル連隊、富士学校特科教導隊、北部方面隊第2情報隊、水陸機動団(AAV-7水陸両用車)、第1ヘリコプター団(CH-47輸送ヘリ)、
海自:ヘリ空母「いずも」、輸送艦「しもきた」
アメリカ海軍:第7艦隊強襲揚陸艦「アメリカ」、ドック型輸送揚陸艦「グリーンベイ」、ドック型輸送揚陸艦「ニューオーリンズ」、
米海兵隊:第31海兵機動展開部隊
ドイツ海軍:第1艦隊1個海上大隊
オーストラリア海軍:第816飛行隊、第822X飛行隊
陸上自衛隊は、オーストラリアで初めての「03式地対空誘導弾」および「12式地対艦ミサイル」の実射を行う。
図21:(The Runway Air force) 7月27日タリスマン・セイバー23演習で発射した「03式地対空誘導弾」の写真。「03式地対空誘導弾」は、三菱電機が主契約、誘導弾は三菱重工、レーダーは東芝が開発。2003年に制式化された。2017年から改良型の「03式中SAM改」の配備が始まっている。陸自各高射特科群に配備中。射程は60 km以上。1個高射特科群は4個高射中隊で編成、各中隊はSAM 6発搭載のランチャー/発射装置車 (5両?)と射撃レーダー車両、射撃統制車両、補助レーダー車両等で構成される。
オーストラリア空軍の対潜・対地哨戒機「P-8A」ポセイドンは、7月25日、演習が行われているクイーンズランド州 (Queensland)沿岸の公海上で中国海軍「ドンデイアオ(Dongdiao)」級情報収集艦2隻が航行し、演習情報収集に当たっているのを発見、監視・警戒を続けている
9. 海自補給艦は7月3日、イタリア海軍フリゲートと東シナ海で補給訓練を実施
海自補給艦「はまな (AOE-424)」満載排水量12,100 ton・1990年就役は、7月3日東シナ海で、イタリヤ海軍フリゲート「フランチェスコ・モロジーニ」と洋上補給訓練を実施した。
図22:(海上自衛隊)イタリヤ海軍フリゲート「フランチェスコ・モロジーニ (Francesco Morosini)」は2022年10月就役の新鋭艦。満載排水量6,270 ton、速力31 kts、NH90ヘリ2機を搭載、兵装は127 mm単装砲1門、76 mm単装砲1門、テセオ対艦ミサイル連装発射筒4基等を装備する。
図23:(Wikipedia)海自補給艦「はまな (AOE-424)」は「とわだ」型補給艦 (12,100 ton) の3番艦。艦尾にヘリ甲板、中央部には補給用門型ポスト3基が設けられている。各ポストの両舷が補給ステーションになっている。
10. 海自護衛艦は7月5日-10日の間、インド海軍とベンガル湾で演習を実施
海自「令和5年度インド太平洋方面派遣 (IPD23)」部隊「第1水上部隊」所属の護衛艦「さみだれ」は、7月5日-10日の間、インド東海岸中部にあるビシャカパトナル (Vishakhapatnam)港およびベンガル湾(Bay of Bengal)周辺の海空域でインド海軍駆逐艦「デリー」、コルベット艦「カモルタ」、補給艦「シャクテイ」、潜水艦、「P-8I」対潜哨戒機、「Dornier 228」輸送機、等と、艦艇相互訪問、艦上レセプション等を実施。ベンガル湾では、対潜、対空、対水上戦、洋上補給などの訓練を行った。
参加した「Dornier 228」輸送機は、開発したドイツ・ドルニエ社が2002年に倒産したが、ドイツRUAGエアロスペースがライセンスを取得、生産を再開した。その後、インドのHAL (ヒンドスタン・エアロノーテイックス)がライセンス生産してインド軍に納入している。双発ターボプロップ(TPE331-10・776馬力)、乗客19名。
海自の(第1水上部隊)には「いずも」、「さみだれ」、「しらぬい」」の3隻が所属している。
11. 海自護衛艦は7月1日-10日の間、米海軍・海兵隊、オーストラリア海軍、および韓国海軍駆逐艦とグアム島周辺で「Pacific Vanguard 23」訓練を実施
1日-10日の間グアム等周辺の海空域で、海自から「IPD 23 第1水上部隊」所属の「しらぬい」と潜水艦、米海軍からミサイル駆逐艦「ハワード」、潜水艦、貨物弾薬補給艦「セザール・チャベス」、給油艦「ユーコン」および「P-8A」対潜哨戒機、米海兵隊から第3海兵機動展開部隊・第5航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍から司令部幕僚、韓国海軍からミサイル駆逐艦「ムンム・デワン/文武大王・DDH 976」、が参加して4ヶ国共同訓練「パシフィック・バンガード23 / Pacific Vanguard 23」が行われた。
訓練内容は、対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜水艦戦を含む。
米海軍ミサイル駆逐艦「ハワード (USS Howard /DDG 83)」は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の33番艦、2001年就役、横須賀基地配備の第7艦隊・第71任務部隊・第15駆逐艦隊に所属している。排水量9,600 ton、速力31 kts、Mk.41 VLS (96セル)にSM-2 SAM、ESSM、トマホーク巡航ミサイル等を搭載する。
図24:(海上自衛隊)「パシフィック・バンガード23」訓練の様子。左は韓国海軍ミサイル駆逐艦「ムンム・デワン」、中央奥は海自護衛艦「しらぬい/DD-120」、手前は海自潜水艦、右は米海軍ミサイル駆逐艦「ハワード (USS Howard /DDG 83)」。
図25:(海上自衛隊)海自護衛艦「しらぬい/DD-120」から発射されたESSMの写真。[しらぬい]は満載排水量6,800 tonで「あさひ」型護衛艦の2番艦、2019年就役。艦橋にはOPY-1多機能レーダー(大小2個の四角形アンテナ)、ESSM艦対空ミサイルは艦首甲板のMk.41 VLS (32セル)から発射される。「ESSM (Evolved Sea Sparrow Missile)/発展型シースパロー」はレイセオンが開発した艦対空ミサイル、飛翔速度はマッハ2.5-3、射程は50 km。
12. 海自掃海艦など13隻は7月16日-28日の間、米海軍、インド海軍、イタリア海軍と陸奥湾で機雷戦及び掃海訓練を実施
海上自衛隊は大規模な掃海部隊を編成、7月16日-28日の間、青森県陸奥湾で「令和5年度機雷戦訓練」、および米海軍、インド海軍、イタリア海軍の参加を得て「掃海特別訓練」を実施した。参加部隊は次の通り;―
- 海自:掃海母艦1隻、護衛艦2隻、掃海艦2隻、掃海艇8隻、航空機/MCH-101掃海・輸送ヘリコプター、P-3C哨戒機、P-1哨戒機、
図26:(海上自衛隊)「MCH-101」掃海・輸送ヘリコプター、岩国基地第111航空隊に配属。レオナルド・ヘリコプターが開発、川崎重工が海自向けに改良した機体。輸送時は乗員4名、掃海時には掃海具要員2名が搭乗する。掃海時は後部ランプドアを開き掃海具を曳航する。メイン・ローター、テール・ローターは折り畳み式で艦内に収納できる。2020年現在10機を運用中。
- 米海軍:第7対機雷戦隊司令、第5機動水中処分隊長、掃海艦、掃海ヘリコプター「MH-53E」。
- インド海軍:訓練統制官、水中処分班指揮官、水中処分員
- イタリア海軍:訓練統制官、水中処分班指揮官、水中処分員
13. 海自護衛艦は7月11日、米海軍揚陸指揮艦と四国南方の太平洋上で共同訓練を実施
7月11日海自護衛艦「すずつき/DD-117」四国南方太平洋上で米海軍揚陸指揮艦「ブルー・リッジ/LCC-19」と各種戦術訓練を実施した。
図27:(海上自衛隊)左「すずつき/DD-117」、右「ブルー・リッジ」。
図28:(海上自衛隊)「すずつき/DD-117」:2014年就役の「あきづき」級満載排水量6,800 tonの3番艦、速力30 kts、「FCS-3A」多機能レーダー1基、Mk.41 mod.29 VLS (32セル)にESSM対空ミサイル、07式対潜ミサイル等を装備、対潜戦機能が充実している。後部にはヘリ甲板とハンガーがあり、SH-60KやMCH-101ヘリに対応。同型艦は4隻、類似の「あさひ」型2隻を含めると6隻が配備されている。
図29:(Wikipedia)「ブルー・リッジ揚陸指揮艦(Blue Ridge class command ship / LCC-19)」は艦隊の指揮を執る専用艦。兵装は軽微だが充実した指揮・通信設備を備えている。満載排水量18,400 ton、速力23 kts、1970年就役だが艦齢延長工事により2039年まで使用する予定。甲板上には各種通信アンテナが設置されている。兵装は、Mk.15 20 mm CIWS 2基、Mk.36 SRBOCチャフ・ロケット等。「ブルー・リッジ」は横須賀が母港。同型艦「マウント・ホイットニー・LCC-20」はイタリアを母港にしている。
14. 海自補給艦は7月17日、米ミサイル駆逐艦と日本海で補給訓練を実施
7月17日海自補給艦「ましゅう/AOE-435」は日本海で米ミサイル駆逐艦「ラルフ・ジョンソン/USS Ralph Johnson, DDG-114」に給油する洋上補給訓練「ILEX 23-3」を実施した。
- 補給艦「ましゅう/AOE-435」は、満載排水量25,000 ton、全長221 m、速力24 kts、2004年就役、同型艦は「おうみ/AOE-436」がある。補給ステーションは門型ではなく、モノポール型6カ所で行う。前級「とわだ」型(12,000 ton)より大幅に改良され、補給用主燃料と航空燃料は1.5倍、真水の補給能力も備える。ヘリコプター甲板、貨物用甲板があり、空輸補給に対応している。
- 「ラルフ・ジョンソン/USS Ralph Johnson, DDG-114」はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の64番艦、排水量9,650 ton、全長155.3 m、兵装はMk.41 mod.15 VLS 96セルにSM-2、ESSM、トマホーク、など各種ミサイルを搭載する。2018年就役の新造艦。
図30:(海上自衛隊)日本海で米ミサイル駆逐艦「ラルフ・ジョンソン」に給油する海自補給艦「ましゅう」。
15. 空自戦闘機等は6月30日、米空軍B-52爆撃機2機と東シナ海など沖縄周辺で共同訓練を実施
6月30日、空自那覇基地の第9航空団所属のF-15戦闘機2機および那覇基地南西航空警戒団レーダーは、米空軍B-52H爆撃機2機と東シナ機を含む沖縄本島周辺の空域で各種戦術訓練を実施した。
16. 空自戦闘機等は7月26日-29日の間、フランス空軍戦闘機等と新田原基地から関東周辺空域で共同演習を実施
空自はフランス航空宇宙軍(仏空軍)と7月26日-29日の間、宮崎県新田原基地および同基地周辺から関東地方周辺空域で共同訓練を実施した。
参加部隊は:―
- 空自:新田原基地第5航空団所属F-15J戦闘機3機、築城基地第8航空団所属 F-2戦闘機2機、小牧基地第1輸送航空隊所属KC-767空中給油輸送機1機、入間基地第2輸送航空隊所属C-2輸送機1機、入間基地中部航空警戒管制団(レーダー)、春日基地西部航空警戒管制団(レーダー)。
- 仏空軍:第4航空団第1飛行隊および第2飛行隊ラファール(Rafale)戦闘機2機、第31航空団第1飛行隊A330 MRTT給油輸送機1機、第61航空団第1飛行隊A400M輸送機1機、総人員約120名。
今回の日仏空軍の共同演習は初めて、内倉浩昭航空幕僚長は27日新田原基地で「フランスによるインド・太平洋地域への継続的関与、防衛協力のさらなる深化を図る」と述べた。南太平洋に領土(ニュー・カレドニア)を持つフランスはインド・太平洋地域への中国の進出に警戒感を強めている。
- 仏空軍は2023年6月25日からアジア・太平洋地域への派遣演習「ペガース23」を実施中で、ラファール戦闘機10機、A330MRTT空中給油輸送機5機、A400M輸送機4機と将兵320名が参加して実施している。今回の訪日もこの一環。これら仏空軍部隊はマレーシア、シンガポールを訪問、グアム島では「ノーザン・エッジ」演習に参加、「タリスマン・セイバー」演習にも参加した。この他にも一部部隊は韓国、インドネシアを訪問して共同演習を実施、存在感を示している。
図31:(航空自衛隊)26日午後5時過ぎ、新田原基地に飛来したA400M輸送機とラファール戦闘機2機、と歓迎のため離陸した空自F-15J戦闘機(左の2機)の編隊飛行。
図32:(航空自衛隊)宮崎県新田原基地に着陸した仏空軍「ラファール(Rafale)」多目的戦闘機。ダッソー・アビアシオン(Dassault Aviation)製。2000年末から運用開始、これまでに約240機が生産された。仏海軍空母戦闘機としても運用している。エンジンはスネクマ製 M88-2ターボファン推力ドライ時/11,000 lbs、アフトバーナ時/17,000 lbsを2基、最大離陸重量21.5 ton、最大速度マッハ2、戦闘行動半径1,850 km、兵装搭載量9.5 ton。
図33:(航空自衛隊)A400M輸送機はエアバス製、高翼、T型尾翼、4発ターボプロップ機。2013年から仏空軍に納入開始、これまでに英・独・仏・スペイン・トルコなど各国空軍に約100機が納入されている。エンジンはユーロプロップ製TP400-D6ターボプロップ11,000軸馬力4基、プロペラはハミルトンFH386複合材製8翅型、航続距離は30 ton搭載時で4,500 km。最大離陸重量は136 ton.。ほぼ空自のC-2輸送機に相当する大きさである。
図34:(フランス大使館)フランス航空宇宙軍は5月25日から8月3日まで、「ペガース23 (PEGASE 23)」ミッションとして、約20機の航空機をインド・太平洋の自国領周辺の国々に派遣した。
17. 空自戦闘機等は8月2日-10日の間、イタリア空軍戦闘機等と小松基地周辺空域で共同訓練を実施予定
8月2日-10日の間、空自戦闘機等は石川県小松基地とその周辺日本海を含む空域でイタリア空軍戦闘機等と共同訓練を実施する。
イタリア空軍から参加するKC-767は空自の給油・輸送機と同じ機種で、日伊両国のみが採用している。米空軍は多少スペックの異なるKC-46A Pegasusタンカーに決めた。
参加部隊は次の通り;―
- 空自:小松基地第6航空団所属のF-15J戦闘機4機、小松基地第1輸送航空隊所属のKC-767給油・輸送機1機および埼玉県入間基地の中部航空警戒団(レーダー)
- イタリア空軍:第6航空団および第32航空団所属のF-35A戦闘機4機、第14航空団所属のKC-767給油・輸送機3機、CAEW G550早期警戒機1機、G550長距離輸送機1機、第46航空旅団C-130J輸送機1機、人員約160名
図35:(Israel Aerospace Industries)イスラエル・エアロスペース(IAI=Israel Aerospace Industries)が開発したイタリア空軍向けの早期警戒機「G550 CAEW」。IAI社がガルフストリームG550ビジネス機をベースにAESA4次元レーダー、電子戦支援システム、NATO互換通信システムなどを搭載した早期警戒機。イスラエル空軍、シンガポール空軍、イタリア空軍が採用している。
18. 空自F35A戦闘機6機を含む27機は8月23日-9月15日の間、オーストラリア空軍F-35A戦闘機6機を含む13機と小松基地周辺で共同訓練を実施予定
8月23日-9月15日の間、空自戦闘機等は石川県小松基地とその周辺日本海を含む空域でオーストラリア空軍戦闘機等と共同訓練を実施する。両空軍から最新鋭のF-35A戦闘機それぞれ6機、合計12機が参加して行われるのがこの演習の最大の特徴。
参加部隊は;ー
- 空自:青森県三沢基地第3航空団所属のF-35A戦闘機6機、石川県小松基地第6航空団所属のF-15J戦闘機10機、茨城県百里基地第7航空団所属のF-2戦闘機4機、愛知県小牧基地第1輸送航空隊所属のKC-767給油・輸送機1機、及び埼玉県入間基地中部航空警戒管制団(レーダー)
- オーストラリア空軍:第81航空団 (No.81 Wing, Williamtown, New South Wales) 所属のF-35A戦闘機6機、第86航空団 (No. 86 Wing, Amberley, Queensland) 所属のKC-30A多目的輸送機(MRTT=Multi-Roll Tanker Transport)1機、C-130J輸送機1機、C-17大型輸送機1機、および人員約140名
図36:(航空自衛隊)冬の青森県三沢基地を離陸するF-35A戦闘機。オーストラリア空軍も同じ機体を運用中。空自は2019年から導入を始め今年3月までに33機を受領。空自はF-35A型を105機・f-35B STOVL型を42機、合計147機を導入する予定。オーストラリア空軍はF-35A型のみを72機導入中である。F-35Aは、最大離陸重量31.7 ton、エンジンはF135-PW-100推力約3万ポンドを1基装備、戦闘行動半径は約1,200 km、最大速度マッハ1.6、兵装は各種ミサイルなど合計約8 tonを搭載できる。
図37:(royal Australian Air Force) KC-30A MRTT輸送機はエアバスA330旅客機を多目的輸送機(MRTT)に改造した機体。空中給油と物資兵員輸送に使う。胴体尾部下面に最新型給油ブームと両翼下面にホース・リール型給油装置を備える。給油操作はコクピット内のオペレーターに遠隔操作で行う。搭載給油量は100 ton以上。輸送機として使う場合は兵員270名を収容できる。最大離陸重量233 ton、エンジンはCF6-80E1A3を2基、航続距離14,800 km。
19. 令和5年度防衛白書(Annual Defense White Paper)、閣議決定を受け7月28日に公表、防衛力抜本的強化「元年」と位置付け
中国は台湾の平和的統合を目指すとしながら武力併合も辞さない構えを崩していない。昨年8月2日-3日米下院議長ナンシー・ペロス(Nancy Pelosi)氏が台湾訪問をしたが、これに反対して中国は台湾に対し軍事的圧力を一段と強化した。8月4日には弾道ミサイル9発を発射し内5発が日本のEEZ内水域に落下した。これは沖縄県南西諸島の地域住民に深刻な脅威を与えた。
さらに中国は台湾の防空識別圏に多数の空軍機を侵入させている。侵入機は、2020年には380機、2021年には972機、そして2022年には1,733機に激増している。
中国と台湾には「圧倒的な兵力差がある」と懸念し、軍事バランスは中国側に有利に急速に変化しつつある、と指摘している。
また白書は、中国の軍事力拡大は、その量でも質でも著しく、特に核戦力、弾道・巡航両ミサイルの増強で著しい、と指摘している。
核弾頭は2035年までに1,500発以上になる見込みだし、空母は「遼寧」に続き「山東」が就役、「福建」が目下艤装中である。さらに2隻が建造または計画中とされている。
このように「中国の軍備増強前倒し」の脅威に対し、我国としては「反撃能力の整備・充実」の促進が必要と訴え、警鐘を鳴らしている。充分な「反撃能力」を構築することで、初めて力の平衡を維持でき、不当な侵攻を躊躇させることができる。
令和5年度から5年間の防衛費総額を約43兆円とし、その内容に「反撃能力の拡充」、「弾薬・ミサイルの補充・蓄積」、「無人機対策」などについて明記した。
要は国民一人一人が「自分の国は自分で守る」気持ちになることが大切だ。
20. 米、台湾に初の「無償」武器支援3億4500万ドル(約480億円、28日発表
米国は28日、台湾に初の無償供与となる3億4,500万ドル(480億円)軍事支援を実施すると発表した。これは急速に高まる中国の台湾への軍事圧力に対抗するため決定された。
大統領府の声明では、支援は米国が保管している在庫から抽出して、支援内容は、対戦車、対空兵器を含む防衛に必要な兵器とされ具体的に示していない。
AP通信は、ステインジャー携行型対空ミサイル、重火器、巡航ミサイルを含むと伝えている。
また別の報道は無人偵察攻撃機「MQ-9リーパー(Reaper)」を含む、と報じている。台湾は以前に「MQ-9」を購入している。
米軍および米情報機関(CIA)は「習近平主席は、2027年までに台湾併合を実現するよう中国軍幹部に下命した」と7月のコロラド州アスペンで行われた「安全保障会議(Security Forum)」で述べた。習近平は7月6日、台湾方面を管轄する東部軍管区を視察、3軍の幹部を集めた集会で「実戦的な訓練に力を入れ、戦いに勝つ能力の向上を加速せよ」と訓示した。
米議会はすでに2023会計年度内に、大統領権限(PDA=Presidential Drawdown Authority)による10億ドルの台湾への無償武器支援を承認済み、従って今回の決定はこの中で実施される。
昨年成立した米政府の2023会計年度(2022年10月-2023年9月)の国防権限法(NDAA)で、国防費総額は8,580億ドル(113兆円)、その中で台湾には今後5年間で最大100億ドル(1兆4,000億円)の軍事支援を行うと明記されている。これが今回の支援の基盤になっている。
7月14日、日本を訪問中のマーク・ミリー統合参謀本部議長は「米国と同盟国(日本、豪州を指す)は今後数年間で台湾への武器供与を加速させる必要がある」と述べた。特に台湾防衛には、防空システムや陸上から艦船を攻撃できる地対艦ミサイル(例えば12式地対艦ミサイル)が必要だと指摘した。
図38:(U.S. DOD) 台湾に供与されるペトリオット(Petriot) PAC-3 対空ミサイル・システム。
終わりに
日本のシンクタンク「日本戦略研究フォーラム」は7月中旬「2027年に中国軍が台湾侵攻をする想定」で机上演習をした。ここで浮かび上がった問題点を元米国国務省日本部長ケビン・メア氏は「日本の首相が自国への武力攻撃だと発言するのに2週間も待つ必要があった」と述べた。これは意思決定過程の煩雑さ、遅さのためで、これは中国に対する抑止力を弱めることになる。日本が「武力攻撃事態」と認定するのに手間取れば、米軍の行動を縛ることになる。米国、日本、台湾は綿密な事前調整が必要、かつ台湾有事と日本南西諸島有事は切り離して考えることはできない、と述べた。
この発言は誠に正鵠を得たもので、安倍元総理の発言「台湾有事は日本有事」そのものである。想定される2027年の「台湾侵攻」までに是非とも態勢を整えて貰いたい。
―以上―