令和8年2月、我国周辺での中露軍活動と我国/同盟諸国の対応



2026年3月10日(令和8年) 松尾芳郎

令和8年2月、我が国および台湾周辺における中露軍の活動に異変が生じている。ロシア軍の活動は続いているが、中国軍はほぼ活動を停止している。これに対し我国および同盟諸国は、警戒を緩めることなく抑止力強化に努めている。

(China’s PLA ,Russian forces military drill around Japan and Taiwan in this February were somewhat less, Russian’s activity no change, the PLA became nearly quiet, however. Japan and allies are putting defensive act against the hostiles. Following are the details of major issues.) 

防衛省および各幕僚監部、米第7艦隊などが発表した1月における我国周辺の中露両軍の軍事活動および我国と同盟諸国軍の対応は以下の通り。発表日に発表機関の記載がないのは全て「統合幕僚監部」発表である。

中露、北鮮軍の動向

  • 2月2日発表 ロシア海軍フリゲート津軽海峡を通過、太平洋へ

2月1日朝、ロシア海軍ステレグシチーIII級フリゲート(337)が青森県北端竜飛岬を東に進み太平洋に向け航行した。

図1:(統合幕僚監部)艦番号(337)は「グレミヤーシュチー」級フリゲートで20385型艦。ステレグシチーII級(20380型)の改良型のため「ステレグシチーIII」級とも呼ぶ。満載排水量2,500 ton、全長106 m、速力30 kts、兵装はA-190 100 mm単装砲1門、UKSK VLSセル8基を備え、カリブル巡航ミサイル(射程300 km)を発射できる。

図2:(統合幕僚監部)艦番号(337)の航跡。

  • 2月4日発表 ロシア海軍フリゲート津軽海峡を通過日本海へ

2月4日早朝、ロシア海軍ステレグシチー級フリゲート(335)が青森県尻屋岬沖を太平洋から津軽海峡を通過日本海に向けて航行した。

図3:(統合幕僚監部)ステレグシチー級フリゲートは[20380型]、改良型は[20381型]、沿海汎用警備艦で2007年から配備が始まった。満載排水量2,200 ton、長さ105 m、速力27 kts、ステルス形状で閉囲型マストを装備、電子装備、武器システムも近代化され、対艦兵器は[3M24ウラン]対艦ミサイル4連装発射筒2基を搭載、艦尾甲板にはKa-27PL哨戒ヘリ1機を搭載。写真(335)は「グロムキー」2020年12月の就役。太平洋艦隊に5隻を配備中。

図4:(統合幕僚監部)2月4日ロシア・フリゲート(335)の航跡。

  • 2月12日発表 ロシア情報収集機Il 20型機、オホーツク海から太平洋へ岩手県沖まで南下、反転して立ち去る

2月11日昼ロシア分情報収集機Il-20が樺太方面から飛来、オホーツク海―太平洋―岩手県沖まで南下、反転して往路と同じ経路でシベリア方面に去った。

図5:(統合幕僚監部)Il-20 (Ilyushin Il-20M)は、監視・偵察(surveillance, reconnaissance)を任務とする4発ターボプロップ機、1968年3月初飛行、19機が製造された。[ELINT] (electronic intelligence)および[COMINT] (communication intelligence)用電子機器を搭載する。胴体下の葉巻型円筒は「側方監視レーダー (SLAR=side looking radar)」、胴体側面には大型のカメラ内蔵のドーム、機首頂部には衛星通信アンテナドーム2個が見える。離陸重量は64 ton、乗員13名、航続距離6,200 km。

図6:(統合幕僚監部)2月11日、ロシアIl-20M情報収集機の航跡。

  • 2月16日発表 ロシア海軍フリゲート2隻、補給艦1隻が対馬海峡―東シナ海に入り、与那国島―西表島の海峡を通過太平洋へ

2月14日早朝深夜、ロシア海軍ステレグシチー級フリゲート2隻(333)(343)とドウブナ級補給艦の3隻が対馬海峡を南下、東シナ海に向け航行した。そして16日には沖縄県与那国島と西表島の海峡を抜け太平洋に進出した。

図7:(統合幕僚監部)(333)はソベルシェンヌイ2017年就役。

図8:(統合幕僚監部)(343)はレーズキイ2023年就役

図9:(統合幕僚監部)2月14日深夜ロシア・フリゲート2隻対馬海峡から東シナ海へ

  • 2月16日発表 ロシアIl-20情報収集機、島根県沖の日本海を飛行

2月16日昼間、ロシア軍情報収集機Il-20型機がシベリアから飛来、北海道西岸沿いに日本海を南下、本州島根県沖合まで飛行し、反転して往路と同じ経路で大陸方面に立ち去った。

図10:(統合幕僚監部)2月16日島根県沖まで飛来したロシア軍情報収集機Il-20型機。

図11:(統合幕僚監部)2月16日島根県沖に飛来したロシアIl-20情報収集機の航跡。

  • 3月2日発表 中国軍情報収集機「Y-9」2機、宮古海峡通過太平洋へ出、奄美群島沖に進出、反転・引き返す

2月28日昼間、中国軍情報収集機「Y-9」2機が東シナ海から飛来、沖縄本島と宮古島の間を通過太平洋に出、北東に変針して奄美群島沖まで進出、反転して往路と同じ経路で戻った。

「Y-9」は陜西航空機が開発した中型輸送機で、2010年初飛行、グラスコクピットを備え、エンジンはFW6JCターボプロップ5,100 SHPを4基、複合材6翅プロペラを装備する。多種の派生型があり情報蒐集機は「Y-9JB」「Y-9JZ」で「SIGNT/ELINT」型。海軍と空軍が20機ほど使っている。

図12:(統合幕僚監部)情報蒐集機「Y-9JB」「Y-9JZ」。翼幅38 m、長さ36 m、離陸重量65 ton、航続距離5,200 km。

.

図13:(統合幕僚監部)2月28日の」情報蒐集機「Y-9JB」/「Y-9JZ」の飛行経路。

我国、同盟諸国軍の対応

  • 1月29日 陸上幕僚監部発表 地対艦ミサイル連隊、米国で実弾射撃訓練

2月6日〜同25日の間、米国カリフォルニア州ポイントマグー(Point Mugu)射場で、陸上自衛隊第1特科団・第4地対艦ミサイル連隊が「88式対艦ミサイル」の発射訓練を実施した。

第4地対艦ミサイル連隊は青森県八戸駐屯地を拠点とし3個中隊編成で、「88式地対艦ミサイル」を運用する。

「88式対艦ミサイル」は、空自対艦ミサイル「80式空対艦ミサイル(ASM-1)」を基本に陸上発射型としたミサイルで、沿岸に接近した敵上陸艦艇を撃破するのが目的。推定最大射程は200 km、固体燃料ブースターで発射され加速後TJM2ターボジェットで飛翔する。誘導は、巡航中はINS、終末航程は搭載レーダーで目標を探知・捕捉して突入・着弾する「ARH」方式。

「TJM2」ターボジェットは三菱重工製、遠心1段コンプレッサー・遠心噴霧式燃焼器・軸流1段タービンの構成。簡素な構造で富士重工製標的器「AQM-1」にも使われている。

「地対艦ミサイル連隊」の構成は、原則として4個中隊編成、各中隊は「ミサイル発射機車両」4両程度を中心に「指揮統制」、「捜索・標定レーダー」。「射撃統制装置」、「予備ミサイル搭載」の各車両で構成される。

「ミサイル発射機車両」は、ミサイル6基を装填する円筒形キャニスターを持つ。1988年から調達が始まり2000年までに102両がつくられ、配備中である。

図14:(陸自第1特科団・第4地対艦ミサイル連隊)「88式対艦ミサイル」発射の様子。

米国カリフォルニア州ポイントマグー射場(Point Mugu Range, Calif.) 

「ポイントマグー射場およびチャイナ・レイク区域は米海軍空戦兵器部門(NAWCAD =Naval Air Warfare Center Weapons Division)が管理する射撃用海域で、ロサンゼルスの西100 kmのベンチュラ郡(Ventura County)オックスナード(Oxnard)にある。

図15:(NAVAIR)「ポイントマグー射場」の位置。「オクスナード」から射撃する。

  • 2月2日 陸上幕僚監部発表 インドで陸自・インド陸軍が「ダルマ・ガーデイアン」実動演習

2月24日~3月8日の間インド・チャウバテイア演習場で、陸自東部方面隊・第1師団隷下の第32普通科連隊は、インド陸軍第14ラダックスカウト連隊隷下大隊と実動訓練を実施する。訓練内容は、主として対テロに関わる訓練。

図16:(陸上自衛隊Instagram)インド・チャウバテイア演習場に設置された「ダルマ・ガーデイアン」演習の掲示。

図17:(陸上自衛隊Instagram)インド陸軍輸送ヘリから降りる陸自隊員。

  • 2月6日 航空幕僚監部発表 ハワイで空自C-2輸送機は米空軍C-17輸送機と共同訓練

2月8日〜13日の間、空自・航空支援集団・入間基地・第2輸送航空隊・第402飛行隊所属の「C-2」輸送機(機番219)は、ハワイ州パールハーバー・ヒッカム統合基地および周辺空域で米空軍C-17輸送機と共同訓練を実施した。訓練内容は戦術空輸訓練と超低空での物量投下訓練である。

C-2 :長さ43.9 m、翼幅44.4 m、最大積載量35 ton、航続距離4,500 km、最大離陸重量141 ton、エンジンはGE CF6-80C2推力50,000 lbsを2基装備。初飛行は2010年。生産は19機(3機追加予定)。

C-17:長さ53 m、 翼幅51.7 m、最大積載量77.5 ton、航続距離5,190 km、最大離陸重量265 ton、エンジンはP&W F117-PW-100推力18,400 lbsを4基装備。初飛行は1991年、アメリカ空軍航空機動軍団(AMC=Air Mobility Command)に223機が配備されている。英・豪・カナダ・NATO・インドなどが採用、総生産数は279機。

空自「航空支援集団」と米「航空機動軍団(AMC)」の規模の違いに今更ながら驚く。

図18:(航空幕僚監部)パールハーバー・ヒッカム統合基地(Joint Base Pearl Harbor-Hickam)で第2輸送航空隊・第402飛行隊所属隊員20名と米AMC隊員の集合写真。背景は左/C-2、右/C-17。

  • 2月10日 航空幕僚監部発表 新田原基地でF-35B配備記念式典

2月7日宮崎県の空自新田原基地第5航空団・第202飛行隊に「F-35B」戦闘機配備の記念式典が行われた。第5航空団は、第305飛行隊/F-15J/DJ戦闘機、第202飛行隊/F-35B、を主に構成されている。

F-35系列機は航空自衛隊が保有・運用する。空自はF-35A型を105機、F-35B型を42機、合計147機を発注している。配備は次の通り;―

青森県三沢基地:第3航空団―第301飛行隊、第302飛行隊(いずれもF-35A)

石川県小松基地:第6航空団―第303飛行隊(F-35A)

宮崎県新田原基地:第5航空団―第202飛行隊(F-35B)

北海道千歳基地:第2航空団―(2031年配備予定/F-35A)

第202飛行隊「F-35B」は2027年後に空自所属のまま、海自護衛艦「いずも(DDH-183)」および「かが(DDH-184)」に搭載・運用する予定。

F-35の製造はテキサス州フォートワース工場が行うが、他にイタリアのカーメリと日本の名古屋三菱重工内に最終組立・検査(FACOM=Final Assembly & Check Out)施設が設置されている。三菱小牧工場では機体の大型部品を輸入、最終組立をする。搭載エンジンPW製F135は、IHIみずほ工場でライセンス組立を行っている。

F-35Bの仕様概要は;―

長さ15.6 m、翼幅10.7 m、最大離陸重量27 ton、最大速度マッハ1.6、航続距離1,700 km、戦闘行動半径900 km、兵装搭載量6.8 ton、(F-35Aもほぼ同じ)

図19:(US DOD)スキージャンプを使って短距離離陸するF-35B。英海軍空母ではスキージャンプ甲板から発艦するので、米海軍で試験を実施した。

図20:(US DOD)F-35Bの背面。胴体中央部に機関砲ポッドを搭載した写真。翼下面には各種兵装用ハードポイントが6箇所ある。F-35Aのみが25 mm機関砲を胴体内に固有装備しているが、F-35BおよびF-35C2は写真のように必要に応じ機外装備する。

図21:(Wikipedia)F-35B STOVL(短距離離陸・垂直着陸)。垂直着陸ではリフトファン上下のドアが開き空気が下方に噴射される。エンジン排気も下部ドアが開き、排気ノズルを回転しながら曲げ、排気ガスを噴射する。姿勢安定のため、エンジン・コンプレッサーから抽をロールポストから下方に空気を吹き出す。

図22:(航空自衛隊)宮崎県新田原基地。10/28方向に長さ2,700 m、幅46mの滑走路がある。

図23:(航空幕僚監部)F-35B初号機の配備式で祝辞を述べる航空幕僚長 森田 雄博 空将。

  • 1月20日 海上幕僚監部発表、2月10日 Task force 77発表、2月11日 PACOM発表 日米海軍は伊勢湾で機雷掃海訓練を実施

2月1日〜同10日、伊勢湾で海自「水陸両用・機雷戦術支援隊(AMWC)」と米海軍「AMWF=Amphibious and Mine Warfare Force」は機雷戦共同訓練を実施した。訓練内容は「機雷敷設」、「機雷掃海」、「機雷掃討」、「機雷処分」。

参加部隊は;―

海自:掃海母艦1隻、掃海艦2隻、掃海艇12隻、掃海ヘリコプターMCH-101 1機、横須賀・舞鶴・大湊・沖縄各地の水中処分隊。

米海軍:第7艦隊・第77任務部隊(Task Force 77)・第5機動水中処分隊(Explosive Ordnance Disposal Mobile Unit 5)所属の水中処分員、UUV操作員。

図24:第77任務部隊(Task Force 77)米海軍第5機動水中処分隊の兵士。

  • 2月13日 水産庁発表 違法操業の中国漁船を拿捕・船長逮捕し釈放

水産庁漁業取締本部福岡支部は、2026k年2月13日九州西沖合の我が国排他的経済水域(EEZ)で、違法操業を行っていた中国漁船を拿捕した。漁船は「虎網(とらあみ)」と呼ぶ漁具を搭載した大型船。虎網漁は、強力な集魚灯で魚を集め袋状の巨大な網で一網打尽にするやり方で、資源を無視する漁法なので、水産庁は特に警戒している。

今回は、水産庁漁業取締船「白鴎丸」499 tonが長崎県五島列島沖の我国EEZで、中国虎網漁船「チオントンユイ11998」を発見・停船を命じた。しかし逃走を図ったため、僚船3隻(なのつ、むさし、白萩丸)の協力を得て接舷・拿捕、中国人船長チオン二エンリーを逮捕した。取り調べの後13日に釈放した。

図25:(水産庁)水産庁漁業取締本部漁業取締船「白鴎丸」と中国虎網漁船「チオントンユイ」

図26:(水産庁)水産庁漁業取締本部漁業取締船「白鴎丸」

  • 2月16日 海上幕僚監部発表 インド洋で日本・インド・インドネシア3カ国海軍が共同訓練

2月13日インド洋アンダマン・ニコバル諸島(Andaman, Nicobar Islands)周辺海域で海自護衛艦「ゆうだち(DD-103)」6,200 tonは、インド海軍コルベット「コーラ(Kora)」1,400 ton、インドネシア海軍フリゲート「ブン・トモ」と戦術運動、通信訓練を含む共同訓練を行った。

なお「ゆうだち(DD-103)」はこれに先立ちインド海軍主催の観艦式に参加している。

図27:(Google)アンダマン諸島・ニコバル諸島の位置。

図28:(海上自衛隊)護衛艦「ゆうだち(DD-103)」。「むらさめ」型9隻の3番艦で満載排水量6,200 ton、速力30 kts、兵装は、76 mm単装砲、CIWS 20 mm対空機関砲2基、対空ミサイル用Mk.48 VLS 16セルが艦中央に設置されている。

  • 2月19日 海上幕僚監部発表 四国南の太平洋上で日米・電磁機動戦訓練を実施

2月18日、四国南方太平洋上の海空域で、日米両軍は電磁機動戦訓練を実施、技量向上と相互運用製の向上を図った。参加したのは;―

海上自衛隊:護衛艦「はるさめ(DD-102)」(「むらさめ」型9隻の2番艦)、「EP-3」、「OP-3C」、「UP-3D」、

米海軍  :「EA-18G」、「F/A-18E」、「E-2D」

参加した航空機の簡単な説明;―

「EP-3」;電子情報偵察機。5機製造、胴体上下にレドーム、電子戦データ収集装置を搭載、第31航空群第81航空隊に配備(岩国基地)。

「OP-3C」;画像情報偵察機。5機改造、胴体機首下面にレドーム増設、側方画像監視レーダー( SLAR)または長距離監視センサー(LOROP)を装備、第31航空群第81航空隊に配備。

「UP-3D」;電子戦訓練支援機。3機製造、胴体上下にレドーム2箇所を創設、電子戦訓練と標的曳航、チャフ散布ができる。第31航空群第81航空隊に配備

「EA-18G」;艦上電子戦機として2006年から空母打撃群などに配備中、170機以上製造。電子戦システムの中核はA LQ-218電波探知装置・翼端に受信アンテナを装備。電波妨害装置(NG Jammer)はハードポイントにポッドで懸架する。

「F/A-18E」;艦載マルチロール攻撃機で単座型、「F/A-18F」複座型と合わせ600機以上生産され、空母打撃群の主力機として使われている。

「E-2D」;艦載早期警戒機。機体上部に大型円盤レドームがあり、強力なレーダー(APY-9)・電子機器で対空監視をする。パイロット2名とレーダー要員3名が乗務する。共同交戦能力(CEC)を装備、空母打撃群の防衛にあたる。これまでに88機製造。航空自衛隊も運用中で現在9機、18機になる予定。

電磁波領域の戦闘とは;―

防衛白書には次のように説明してある。

電子戦とは「電子攻撃」、「電子防護」、「電子戦支援」の3つに分類される。

「電子攻撃」:敵の通信機器やレーダーの電磁波を妨害、破壊する

「電子防護」:敵の電子攻撃を受けた際、電磁波の変更や出力の増加で対抗する

「電子戦支援」:敵の電磁波情報を収集、分析、攻撃の支援をする

  • 2月19日発表 B-52爆撃機4機と空自戦闘機9機が日本海および東シナ海上空で共同訓練

2月16日および同18日、空自戦闘機11機は米空軍B-52H爆撃機4機と日本海および東シナ海上空の空域で共同訓練を実施した。目的は、中露両軍および北朝鮮軍の不穏な動きを封じ込めるため、反撃・即応体制を確認するため行われた。

参加部隊は次の通り;―

航空自衛隊:第7航空団(茨城県百里基地)F-2戦闘機3機、第8航空団(福岡県築城基地)F-2戦闘機3機、第9航空団(沖縄県那覇基地)F-15戦闘機5機

米空軍:全地球攻撃軍団(Global Strike Command)所属(Minot Air Force Base, North Dakota)の B-52H爆撃機4機

米空軍はB-52Hを72機保有、航空戦闘軍団(Air Combat Command)と全地球攻撃軍団に配備している。

図29:(統合幕僚監部)B-52Hと護衛する第9航空団F-15戦闘機

図30:(統合幕僚監部)B-52H爆撃機と空自F-2戦闘機。

  • 2月20日 乗り物ニュース ハワイ派遣中の海自護衛艦「てるづき」、対空ミサイル射撃訓練を実施

2月19日、ハワイ近海に派遣訓練中の護衛艦「てるづき(DD-116)」は、対空ミサイル発射訓練を実施した。発射対空ミサイルは[RIM-162 ESSM (Evolved Sea Sparrow Missile/発展型シースパロー)。

詳しくは「令和8年1月、我国周辺での中露軍活動と我国/同盟諸国の対応・23ページ」に記載済み。

護衛艦「てるづき(DD-116)」は、弾道ミサイル防衛(BMD)が主任務のイージス艦を守る、“僚艦防空能力”を持つ。横須賀を母港とする第2護衛隊群・第6護衛隊所属。なお同艦は長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾・能力向上型」を搭載する改修を2027年に予定している。

図31:(統合幕僚監部)護衛艦「てるづき(DD-116)」

図32:(統合幕僚監部)護衛艦「てるづき(DD-116)」が前甲板にある[Mk.41 VLS]から[RIM-162 ESSM (Evolved Sea Sparrow Missile/発展型シースパロー)]を発射した。

  • 2月20日発表 日本国内多数基地で令和7年ど日米防空・ミサイル防衛の共同訓練を実施

2月23日〜同26日の間、日本各地に散在する日米両軍の基地およびハワイ・パールハーバー・ヒッカム統合基地で、日米両軍による「令和7年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練」を実施する。この訓練は、強固なミサイル防衛網を構築するため、統合防空およびミサイル防衛をシュミレーションを通じて演習する。これで戦術技量の向上と相互運用能力を向上させる。

実施場所は次の通り;―

海上自衛隊横須賀基地、航空自衛隊千歳、三沢、横田、入間、岐阜、春日、那覇、各基地、および霞ヶ浦、饗庭野各分屯基地。

在日米軍横田、横須賀、嘉手納各基地、およびパールハーバー・ヒッカム統合基地。

参加部隊は次の通り;―

自衛隊:統合作戦司令部、自衛艦隊、航空総隊。

米軍:第94陸軍防空ミサイル防衛コマンド、第38防空砲兵旅団、第1防空砲兵連隊第1大隊、第7艦隊、第613航空宇宙作戦センター、および第5空軍。

本訓練は中露北朝鮮から飛来する弾道ミサイルを防衛することを想定した訓練で、2017年度から日米共同統合訓練として実施中で、今回は9回目となる。

  • 2月27日発表 バシー海峡で日・米・フィリピン3カ国の海上共同訓練をを実施

2月24日フィリピン・ルソン島北―台湾との間のバシー海峡で、日本・アメリカ・フィリピン3カ国軍およびフィリピン沿岸警備隊が共同で「海上共同活動(Maritime Cooperative Activity)」として共同訓練を実施した。

参加部隊は次の通り;―

海上自衛隊:P-3C哨戒機

アメリカ海軍:ミサイル駆逐艦「デユーイ(USS Dewey / DDG 105)」、P-8A哨戒機、

フィリピン海軍:フリゲート「アントニオ・ルナ(Antonio Luna / FF-151)2,900 ton/韓国現代重工製」、FA-50PH戦闘機。C-208B小型輸送機

比沿岸警備隊;巡視船「ガブリエラ・シラン」

図33:(統合幕僚監部)フィリピン空軍FA-50PH戦闘機(手前)と海自P-3C哨戒機。FA-50PH戦闘機は韓国HAIがロッキード・マーチンからの支援で製造した練習機/軽戦闘機で、エンジンはGE F404-GE-402ターボファン1基、推力79 kN@A/B時、フィリピン空軍は12機を購入、追加として12機を発注している。

  • 2月27日 航空幕僚監部発表 フランスで多国間宇宙演習に参加

2月8日〜同20日の間、航空自衛隊はフランス・ツールースのフランス航空宇宙基地で、同国航空宇宙軍主催の多国間宇宙演習「SparteX 2026」に参加した。今回はフランス軍の統合軍演習「Orion」と連動し、高脅威環境を想定した複数の作戦で必要な各軍の連携の演習を統合指揮所で実施した。

図34:(航空幕僚監部)「SparteX 2026」演習のシンボルマーク(左)と参加した日仏両部隊。

  • 2月27日 海上幕僚監部発表 音響測定艦「びんご(AOS-5204)」の引渡式

3月6日に三菱重工マリタイム・システムズ玉野工場で海上自衛隊音響測定艦「びんご」の引渡式が行われる、と発表した。

「びんご」は呉基地に配備され、日本近海で脅威を高めている中国・ロシア・北線の潜水艦の警戒にあたる。

「びんご」は海自保有の音響測定艦の4番艦で、双胴船型が特徴。水面に接する面積が小さいので波の影響を受けにくい。長大(1,800 m)なソナー(AN/UQQ-2 Surtass)を曳航し、敵潜水艦の音響情報を収集する。

船体の長さ 29.9 m、基準排水量2,900 ton、速力11 kts、乗員40名。後甲板にはMH-53E大型ヘリが離着艦できる。主機はデイーゼル・エレクトリック式で水線上の高い位置に設置されその電力で、水線下部に電動モーター経由直結スクリューで航行する。

海自では音響測定艦を[AOS=Auxiliary Ocean Surveillance Ship]と呼んでいる。

海自はこれで、「ひびき」、「はりま」、「あき」、「びんご」の4隻を保有運用することになる。

米海軍では単胴型「ストルワート(USNS Stalwart)」級を18隻と新型の双胴型「ビクトリアス(USNS Victorious)」級4隻、他1隻を運用している。

図35:(三菱重工)3月6日、玉野工場で進水式、命名式を挙行した音響測定艦「びんご(AOS-5204)」2,900 ton。

―以上―