露プーチン大統領、核報復部隊の即応態勢を視察


ーICBM、SLBM合計4発実射訓練。ミサイル防衛網も成功裏に作動ー

2013-10-31   ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

ロシアのプーチン大統領が核報復部隊の即応態勢を視察した事が判かった。ノーボスチ通信が報じた。長距離弾道ミサイル発射やミサイル防衛システムの作動状況もチェック。『想定通り目標を撃破した』(ドミトリィ・ペシコフ報道官)とクレムリン首脳は満足そうだった。

今回の核報復部隊の即応態勢の視察は10月30日、実施した。ハイライトは陸上基地サイロからのICBM(大陸間弾道弾)、潜航中の原子力潜水艦からはSLBM(水中発射弾道弾)の実射訓練。

ICBMは露北部のプレセック・ミサイル実験基地で3段式固体燃料ミサイル『RS-12M”トーポル”』、中部のドンパロフスキィ基地から3段式液体燃料ミサイル『RS-20V”ボイェダ”』をそれぞれ1発ずつ発射。いずれも1万㌔先のカムチャッカ半島クーラ試験場に設定した目標を確実に捉えたという。

一方、SLBMは北極圏のバレンツ海で潜航中の原子力潜水艦『デルタⅣ級”ブリャンコフ”』とオホーツク海に展開中の同『デルタⅢ級”スビャトィ・ゲオルギー・ポベトロセット』から発射、成功裏に終了したという。

同行したセルゲイ・ショイグ国防相も『即応態勢は申し分ない』と評価した。

同時に防空ミサイル部隊、ミサイル防衛網も視察の対象となった。15個の標的が様々な飛行隊形で襲いかかってきたが、打ち漏らし無く撃破したという。

前回のこの種の大統領視察は、7月。ロシア全土で16万人の兵員と1千両の戦車、戦闘機等航空機130機、艦船30隻が参加する冷戦終結後最大規模の演習時。米国では最近、核関連部隊で将官クラスが職務を解任される不祥事が相次いだ。露軍は核報復部隊の高い士気を見せたかったのか。否、プーチン路線の骨格『覇権強兵国家路線』が着実に進行しているのに留意すべきだ。