2014年8月9日(JST.19:10) John Bosnitch
マッハ2.8の超音速飛行が可能な、ミグMIG31『フォックスハウンド』迎撃戦闘機の生産再開の動きがでてきた。世界最速の性能で海外の潜在需要が期待出来るという。軍需産業を統括するドミトリィ・ロゴージン副首相の発言としてノーボスチ通信が伝えた。ステルス性能重視で欧米の次世代戦闘機はトップスピードがマッハ2.5以下。長距離戦闘行動を重視するミグMIG31型機の生産再開が決まれば、防空体制の見直しが各国で浮上する。
それによると、ミグMIG31型機は向こう15年間、戦闘環境の変化や、ステルス性能重視の技術潮流の中で、十分対抗出来るという。ロゴージン副首相を始め、露航空産業界、露議会の共通した認識。海外の顧客が生産再開となれば、十分、期待できると想定している。
ミグMIG31は米国の超音速戦略爆撃機、ノースアメリカン・ロックウェル『バルキリー』の迎撃任務で開発したミグMIG25『フォックス・バット』が母体。機体がより洗礼され、主翼下のミサイル懸架装置は8ヶ所に増えた。主翼両端を合わせミサイル携行能力は10発に増え、最高速度マッハ2.83と合わせ、露防空軍の主戦力の一つだった。合計500機以上が生産された。
しかし、ライバルのスホーイが開発した傑作機、Su27『フランカー』に押されがちで、次第に影が薄くなっていた。
第4次中東戦争で、ミグMIG25が高速を生かしシナイ半島上空を偵察飛行した際、イスラエル空軍のファントム戦闘機がスクランブルで歯が立たなかったという。空中戦の戦闘環境の変化で、ミグMIG31への再評価が高まり、欧米機との輸出競争で太刀打ち出来ると、ロゴージン副首相らは生産再開に積極的だ。
[(上下ともRAC MIG)マッハ2.8以上の高速が自慢のミグMIG31″フォックスハウンド”]