中国艦隊、日本海から対馬海峡を南下し東シナ海へ


2014-12-29 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚監部によれば(2014-12-28)、12月27日(土)午後2時半頃海上自衛隊佐世保基地第8護衛隊護衛艦「すずつき」と厚木基地第4航空群「P-3C」が、上対馬北東310kmの海域を南西に向け航行する中国艦隊を発見した。艦艇はいずれも中国北海艦隊に所属するルフ級駆逐艦(艦番号112)1隻、ジャンカイII級フリゲート艦(艦番号538と546) 2隻、およびフチ級補給艦(艦番号889) 1隻の合計4隻である。

その後艦隊は対馬海峡を南下し東シナ海に入った。

これ等の艦艇は、去る12月4日(木)に鹿児島県大隅半島先を通過して東シナ海から太平洋に進出、西太平洋上で演習を行い、終了後西太平洋を北上しオホーツク海を経由して、12月25日(木)に北海道北端の宗谷海峡を通過、日本海に入ったもの。

これ等4隻の艦艇は約1ヶ月にわたり太平洋に進出、演習を行い、日本列島を周回して青島基地に帰還したことになる。これで中国海軍は、いわゆる「ブルーウオーター・ネイビー」・外洋艦隊に成長したことを我国に誇示したことになる。防衛省は、偵察衛星、E-767早期警戒管制機、あるいはP-3C哨戒機等で、中国海軍の演習の詳細を把握していると思われるが、公表はしていない。

統合幕僚監部の発表には4艦の写真があるが、ここでは重複を避けるため掲載を省略し、単縦陣で航行する写真だけを示す。

本稿に関しては以下の関連記事を参照されたい。

「中国海軍、西太平洋で今年最大の演習を開始」2-14-12-06

「中国艦隊、北海道宗谷岬を通過し日本海に入る」 2014-12-27

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図:(海上自衛隊)対馬海峡を南下する中国艦隊を発見した海自護衛艦「すずつき」艦番号117は、2014年3月12日就役したばかりの最新鋭艦。「あきずき」(115)型護衛艦の3番艦で、基準排水量5,000㌧、満載排水量6,800㌧、20mm対空機関砲2基、90式対艦ミサイル4連装発射機2基、対空・対潜ミサイル発射用のMk 41 VLS 32セル型を1基装備する。射撃指揮システムはFCS-3Aで、ガリウム・ナイトライド送受信素子で作る最新型レーダーを中核に構成されている。対弾道ミサイル防衛を主任務とするイージス艦や大型ヘリ空母などを護衛する僚艦防空(local area defense)能力を備えているのが特徴。同型艦は4隻ある。

中国艦隊1

中国艦隊2

図:(海上自衛隊)対馬海峡を南下し基地に戻る中国北海艦隊の4隻。艦影から見て、先頭はルフ級駆逐艦で北海艦隊の旗艦“ハルビン”、少し離れてフチ級補給艦“大湖”、直ぐ近くにジャンカイII級フリゲート艦の1隻、そしてずっと離れて下の写真の同じフリゲート艦が続いている。この写真はP-3Cが撮影した縦長の1枚だったが編集の都合で2枚に分割した。

 

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