カテゴリー: 社会

『日航・松尾ファイル』の出版(番外編2) 遺族を苦しめる陰謀論は許せない

本稿は木村良一氏の寄稿です。日航123便御巣鷹山事故に関する詳しい解説書「日航ー松尾ファイル」が発行されて3ヶ月を過ぎたが、いまだに原因は自衛隊・米軍のミサイルだ、とする陰謀論が世に蔓延っている。反米活動家の故小倉寛太郎氏等の吹聴がその源だ。これに乗った森永某氏、青山某氏の主張は改める必要がある。

スターシップ・ブースター打上げ後再び発射台に戻すのに成功

世界最大のロケットは5回目の打上げで、初めての回収に挑戦、成功した。スターシップにとって宇宙飛行に向けて大きな前進となる。スペースX社は、スターシップの1段目^スーパー・ヘビー”とスターシップを分離した後に再び発射地に帰還させ発射塔の「箸」で捉えて回収した。
(The biggest rocket ever build took to the sky again. This time , it came back. The mission aimed to open new road for Starship, and for space flight. SpaceX planned to return huge first stage booster, Super Heavy, to its launch mount, catching it with “chopstick” arms of the launch tower in an unprecedented maneuver.)

令和6年9月、我国周辺での中露両軍の活動と我国/同盟諸国の対応

令和6年9月我国および周辺で、中露両軍は領空・領海の侵犯を含め、その活動を著しく増加した。これに対して我国および同盟諸国は、以下に示す様々な軍事演習で反攻姿勢を明確にした。
(Chinese and Russian military violation inside or around Japanese air space and territorial waters are increasing unprecedented ever in September, 2024. Following are the details of each cases. Responding the militant violations, Japan and allies put various scale military maneuvers.)

『日航・松尾ファイル』の出版(番外編) 組織のゆがみが事故を招く

 本稿は木村良一氏の寄稿です。新聞記者時代から感じていたことだが、組織がゆがむと、事故が起きる。拙著『日航・松尾ファイル』で扱った航空史上最悪の日航ジャンボ機墜落事故もそうだった。

 事故機(国籍・登録番号JA8119)は7年前の1978年6月2日、大阪国際空港で着陸時にしりもち事故を起こし、機体尾部を破損している。日本航空は修理を機体製造元の米ボーイング社に任せた。だが、下側半分を新しく交換する後部圧力隔壁の修理で、メカニック(作業員)がミスを犯した。その結果、隔壁の強度が7割に落ち、飛行を繰り返すうちに金属疲労から亀裂が生じ、隔壁は飛行中に与圧空気によって風船が破裂するように破断した。

猛反発の「解雇規制の見直し」論議ー中高年労働者を標的とした会社都合の指名解雇の怖れも

小泉進次郎は、自民党総裁選の出馬会見で、「解雇規制の見直し」として、「賃上げや人手不足とともに正規、非正規格差の同時解決」を主張しました。河野太郎も「労働時間規制の緩和」などを打ち出しており、それはまさに「働き方改革」に逆行するものです。
今回の総裁選候補者は9名全員が、5年前に施行された「働き方改革関連法」に、自らも自民党議員として賛成していました。
これまで日本社会の特長とされてきた「分厚い中間層」の崩壊となり、非正規・低賃金の不安定雇用の増大や外国人労働の使い捨ては、犯罪の増加など社会不安要因となっています。
これらは、労働者の生きがいや働きがい、生活向上と安心安全な雇用に逆行するものです。
解雇規制の見直しは、中高年労働者の会社都合の指名解雇を容認することになります。つまり人件費の抑制のため、中高年労働者を企業の外に追い出すことを促進しかねません。

『日航・松尾ファイル』の出版(下) そこに中曽根政権の思惑があった

本稿は木村良一氏の寄稿です。 拙著のサブタイトル「日本航空はジャンボ機墜落事故の加害者なのか」に違和感を持った方も多いと思う。この私も墜落事故を起こしたのは日航で、日航は加害者だと考えていた。しかし、御巣鷹山のあの墜落事故の詳細を知る、元日航取締役(技術・整備担当)の松尾芳郎氏(93)からファイルを託され取材を進めていくと、その考えが間違っていることに気付かされた。誤解を恐れずに言えば、日航は加害者ではなく、被害者なのである。

ファンボロー、RIAT、オシュコシュ、3航空ショーの話題

2024年7月は、英国でファンボロー航空ショーと王立国際軍事航空ショー[RIAT]、および米国でEAAエア・ベンチャー・オシュコシュ・ショーが開催された。それぞれのショーで話題となった事例を紹介する。米航空宇宙誌「エビエーション・ウイーク」が2024年7月29日-8月11日号で「エア・ショー・ウイーク(Air Show Week)」として特集した記事をベースにして解説を試みた。

歴史の偽造・捏造をノックアウトし、日本を取り戻そう‼

《教科書で教えたい近現代史(その10/最終回)》
本稿は鳥居徹夫氏による論考である。昭和20(1945)年から日本の独立回復の昭和27(1952)年まで、世界地図に日本はなかった。
占領下でプレスコードが発令され、過酷な言論報道統制が行われた。プレスコードは、検閲制度への言及、アメリカ・ソ連・中国など連合国への批判、朝鮮人への批判がタブーとされた。そして独立回復後もガン細胞のように教育界、法曹界、文化芸術などで増殖を続け、日本を蝕んでいる。
戦争に限らず革命やクーデターが起きた場合、まず報道機関を占拠する。
メディアについて、日本人は7割が信用するが、アングロサクソンは7割が信用しない。
ウソの歴史認識が外交、政治交渉の殺し文句として使われ、歪曲された歴史が拡散されている。そういう言いがかりへの反論などの作業は行われているが、それだけで終わっている。
昭和や平成の時代に蔓延した「安易な事なかれ主義」に終止符を打ち、きちんと主張すべきは主張し、日本の名誉と誇りに自信を持てる令和の新時代としなくてはならない。

日航・松尾ファイル』の出版(中) 事故調が捜査をミスリードした

本校は木村良一氏の寄稿です。 日航ジャンボ機墜落事故が8月12日、40年目の節目を迎える。墜落現場の御巣鷹の尾根(群馬県上野村)では遺族による慰霊登山が始まり、11日の夕方に灯籠流し、12日の昼には昇魂之碑の前でシャボン玉を飛ばし、安全の鐘を鳴らして航空関係者とともに空の安全への誓いを新たにする。長い歳月が流れて遺族の高齢化が進み、亡くなる関係者も多い。しかし、空の安全は次の世代にしっかりと引き継がれている。

 この夏も、墜落事故を取材してきたジャーナリストの1人として犠牲者520人の冥福を祈りたい。

世界が驚愕した明治日本、産業を興し近代国家へ

《教科書で教えたい近現代史(その9)》
本稿は鳥居徹夫氏による論考である。6年前の平成30(2018)年は明治150年であった。日本は、ペリー来航からわずか50年あまりで近代的な産業国家を建設した。幕末から明治にかけてのアジア地域は、ヨーロッパ諸国の強大な武力によって抑圧され、その波が日本にも押し寄せようとしていた。ペリー来航の10数年前、1840~42年のアヘン戦争で、中国大陸の大国「清国」がイギリスに大敗し、領土の割譲(香港など)と莫大な賠償金を支払わされた。鎖国をしていた日本が開国し、西洋技術を取り入れながら、自国の伝統の技を融合させながら、自らの力で人を育て、産業を興した。海外の科学技術と自国の伝統の技を融合し、産業化を成し遂げた。150年前の明治維新という変革期、また明治という時代は、困難な状況下でありながら、産業国家を作り上げた。主権と独立を守った明治日本の先駆者たちの苦闘とその気概を、あらためて認識することが、いまを生きる私たちに問われている。