安倍首相、医学部新設の検討指示。東北地方の医師不足対応


『安倍首相、医学部新設の検討指示。東北地方、医師不足対応』

ー有力候補地に仙台と首都圏浮上。早稲田、同志社にチャンス?ー

2013-10-04  小河正義

安倍首相は10月4日、下村博文、文部科学相に医学部新設の検討を指示した。同日、村井宮城県知事が東北地方の医師不足の窮状への対応を陳情したのに応えた。仙台で地元大学と医療法人が組む医学部新設の動きが進行中で、総理の直接指示で具体化への動きが早まる。東北地方とは別に国家戦略特区構想に関連した医大新設のプランも持ち上がっており、検討の対象になる可能性が強い。医学部設置を悲願とする早稲田、同志社もこれが最後のチャンスと捉え今後、文科省への働きかけを強めるだろう。

東北地方の医師不足は3・11東日本大震災後、一気に進んだ。特に東京電力福島原発事故が未だに収束してない福島県では”医師の脱出”が続いている。東北6県は地元、国立,公立大に医学部があるものの医師の需給関係は逼迫している。

安倍首相は東京五輪招致成功後、政治姿勢で内外政策とも攻めの姿勢が鮮明となっている。行動、決断する政治家のイメージを国民に植え付ける政治戦略のタイミングとみてとった。

医学部は医学部急増のとがめで近い将来、医師過剰時代を招くとして1979年の琉球大学を最後に医学部新設は事実上、打ち止めとなった。確かに歯学部の乱立で歯科大学は入学希望者の減少、歯科医の廃業加速等、医師過剰時代到来の先行指標となっている。

しかし東北地方の医師不足は、このまま放置すれば医療現場の崩壊で震災からの復興を妨げに繋がる。安倍首相は東北地方への国政の配慮を示すため急遽、仙台等を有力候補地とする医学部新設に舵を切ったと見られる。

同時に安倍内閣が進める国家戦略特区構想で医療を軸にした様々な構想が浮かび上がっている。総理の指示はこれも睨んでの動きだ。茨城県が誘致に積極的な早稲田との医学部開設構想、国際医療福祉大学の北関東での医学部新設の動き、同志社大学と函館市が組む医学部誘致ーなどどう絡んでくるのか。最後の医学部新設チャンスに文科省の動きを中心に目が離せなくなってきた。