露偵察機、日本海上空飛行でスクランブル


ー小松基地などからF-15要撃機、発進。Tu-142型機等の接近確認ー

2013-10-09    小河正義

防衛省統合幕僚監部は10月9日、日本海上空で防空識別圏に接近する露偵察機に対し相次いでF-15要撃機がスクランブル(緊急発進)したと発表した。

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図:(防衛省)10月9日、日本海を南下、本州に接近したTu-142の2機編隊(赤)と北海道に接近したIl-20対潜哨戒機(青)の航跡

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図:(防衛省)トウポレフTu-142長距離洋上哨戒機。ソ連時代に戦略爆撃機として作られたTu-95を海軍用にした機体。Tu-95を含めて1952年以降500機以上が作られた。最大離陸重量188㌧、全長、翼幅は約50mの大型機、エンジンはNK-12MV軸馬力約15,000SHPを4基備え、2重反転プロペラを装備する。

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図:(防衛省)イリューシンIl-20電子偵察機機。1960年代に約600機作られたターボプロップ旅客機Il-18を電子戦/情報蒐集機に改造した機体で、Il-20SDRと呼ばれる。全備重量64㌧、AI-22Mターボプロップ4,250HPを4基備えている。

発表によると同日、露ウラジオストック方面から日本海を南下、本州西部に接近する複数の国籍不明機を防空レーダーが探知した。小松基地からF-15要撃戦闘機2機が緊急発進した。パイロットの目視確認で対象機は露海軍が洋上偵察・対潜哨戒機に使用しているトゥポレフTu-142『ベアE/F』型機、2機編隊と確認した。該当機は鳥取沖合から進路を本州沿いに日本海上空を北上。北海道積丹半島付近でウラジオストック方面に進路変更し、沿海州方面に去ったという。

これとは別に、同日、北海道西方海上に接近する国籍不明機に航空自衛隊北部方面隊の防空レーダーが気ずいた。防空識別圏に進入の恐れがあり千歳基地に待機中のF-15要撃機2機へスクランブル(緊急発進)を命じた。該当機はパイロットの目視で露海軍の電子偵察機イリューシンIL-20型機と確認した。単独機だった。

同機は北海道西方海上から南西方向に本州沿いを飛行、島根北方付近で進路を北に取りウラジオストック方面に去ったという。いずれのケースでも領空侵犯は発生しなかった。

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