米空軍、無人偵察機『グローバルホーク』三沢に暫定配備。5月24日から10月頃迄


2014年5月23日(JST.21:20)    小河正義

2014-05-27  Revised

米空軍の無人偵察機、ノースロップ・グラマン『”RQ04B”グローバルホーク 』が、5月24日、青森県三沢基地に到着、10月頃迄、暫定配備となる。米側から日本政府に伝えられた。台風シーズン到来で配備基地のグアム・アンダーセン基地での作戦行動に支障が生じるのを、これで未然に回避する。2機目は28日に到着予定。

北朝鮮の核開発進展状況等に監視の目を光らせる。海洋覇権で西太平洋での行動が目立つ中国海軍の動きも見逃さない。 『グローバルホーク』の三沢暫定配備は昨年、日米『ツー・プラス・ツー』で合意した。配備基地のグアム島は5月末から10月頃迄台風シーズン到来で、直撃を受けるケースも多い。米軍は”エバキュエーション”で戦略爆撃機等を進路外に避難させてきた。『グローバルホーク』が悪天候で発着不可能となり、偵察活動の弱点となっていた。 三沢基地に期間中、暫定的に配備となることで切れ目のない航空からの偵察監視活動が可能となり日米双方にとってメリットは大きくなる。

『グローバルホーク』の機能は;ー

1)精密な画像情報収集。

2)30時間滞空が可能で対象を連続監視。

3)巡航高度が20,000m前後のため、対空攻撃に対する残存性が高い。

攻撃兵器の搭載はなく、敵との空中での無用の衝突が防げる。 米軍は機体の暫定配備に合わせ、操縦要員のパイロット、地上整備士を中心に約40人の隊員が移動してくる。 防衛省の説明では、『グローバルホーク』は日本の空域を飛行中は地上の航空管制官の指示を遵守することになる。これ迄の運用では、空中衝突、ニアミス等は皆無だという。

三沢基地の離発着時は三沢に駐留する専用パイロットが操縦操作に当たり、その後は米本土の本拠地から軍事通信衛星等で遠隔操縦される仕組みだ。

防衛省も『グローバルホーク』を中期防衛力整備期間中に3機を取得、三沢基地に新たな部隊編成を準備中。

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図:(Northrop Grumman)世界最強の滞空型無人偵察機、”[RQ-4B]グローバルホーク”。翼幅39.9m、全長14.5m、高さ4,7mでサイズはボーイング737に匹敵する大型機。電子機器等の搭載量約2.4㌧を含め全備重量は14.6㌧に達する。エンジンは燃費性能に勝れたロールスロイス製[RR AE2007H]ターボファン、推力8,500lbsを1基装備する。単価は開発費を含み約200億円。

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