ジャンボ機、製造開始から通算1500機目の機体、ルフトハンザへ引き渡し


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[(Boeing)生産開始から、通算1,500機の機体はルフトハンザが受領]

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[(Boeing)記念すべき機体の”祝。1500号機”の特別ロゴ]

2014年6月30日(JST.06:40)                        Aaron Terruli

航空分野で大量輸送時代の牽引車となったジャンボ機が製造開始から、1,500機目を迎えた。新たな節目となる機体はルフトハンザ航空が受領したB747-8i(インターナル)。同航空がローンチング・カスタマーとなって開発した最新シリーズ。19機を発注済みで14号機目に当たる。

1968年、デビュー当時、ジャンボ機は既存の機種と”異次元の存在”。400人を超す客室収容能力で、航空輸送全体のシステム・チェンジを招来した。限られた航空利用の裾野を一気に大衆化する原動力となった。爾来、”成層圏の王者”として半世紀近く君臨。なかでも、−400型は、2階部分の胴体ストレッチ化と航続距離延伸で、航空会社から発注が相次ぎ、生産ラインの奪い合いまで起きるほど。

しかし、後発のエアバスが、ライバル機A380型機を開発、ジャンボ機より進化した客室、性能でトップの座を完全に奪った。同時に、ジェット燃料の高騰で、ジャンボ機が代表する4発の多発機時代からエンジン2基の、省エネ機が航空界の新たな潮流となる。B777、A330がこのところベストセラー機として頭角を現したのが時代の変化を証明する。更に設計段階から徹底した省エネ機体に特化したB787、A350XWB型機がこれに追い打ちをかける。

かって日本の空を征圧したB747型機は全日空の最後の1機が今年3月、引退。世界最大のジャンボ機運航会社だった日航もいち早く、同型機から足を洗った。

ボーイングの公式データでは、今年引き渡したジャンボ機はルフトハンザ航空向け4機と大韓航空向け1機。新規受注はカーゴルクスの貨物専用機1機に留まる。ジャンボ機の将来性について、欧米のメディアは『ジャンボ機迫る黄昏』と近い将来、ボーイングが生産継続か終了の選択に追い込まれると予測している。

ボーイングの次世代・双発省エネ機、B777-Xシリーズの開発がジャンボ機の運命を暗くしている皮肉な結果も伴っている。

それでもジャンボ機は世界の航空史上で、存在感と栄誉を持ち続ける。主任設計者、ジョー・サッターはボーイングに留まらず、世界の”3大航空機デザイナー”としての評価に変わりはない。

1500号機引き渡しのセレモニーがルフトハンザ航空、ボーイング両社首脳の出席でエバレット工場で開催。あらためてジャンボ機の役割をたたえた。

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[(Boeing)両社首脳のジャンボ1500号機、受領記念式典]