–米国防総省、ロッキードとの間でF-35少数初期生産第8期分(LRIP 8)として合計43機分の製造契約を締結—
2014-11-25 松尾芳郎
2014-11-27 改訂
図:(Lockheed Martin)F-35Aの写真。2006年末に初飛行、F-35はこれまでに少数初期生産「LRIP」が7回行われた。運用開始はA型が2016年12月。米空軍/A型、海兵隊/B型、海軍/C型、を合計で2,430機調達する予定。我国は空自用としてF-35A型を42機導入する。A型は、全長15.7m、翼幅10.67m、最大離陸重量31.8㌧、エンジンはP&W製F135-100、ドライ推力28,000lbs (125kN)、アフタバーナ推力43,000lbs(191kN)を1基。最大離陸重量は31.8㌧。
米国防総省は、このほどロッキードマーチンとの間で、F-35戦闘機の少数初期生産 (LRIP=low-rate initial production) 8期目、すなわち「LRIP 8」の契約を取り交わした。空軍用F-35Aの単価は、エンジンを別にして9,480万㌦(約110億円)になる。
海兵隊用のF-35B STOVL機の単価は10,200万㌦、海軍空母艦載機のF-35Cの単価は11,5700万㌦となる予定。
「LRIP 8」では合計43機が作られるので、事前発注の部品費価格5億㌦を含め全体の費用は47億㌦(約5,500億円)となる。これにはP&W製F135エンジンの価格は含まれておらず、別契約となる。P&W社は業界の慣例に従い価格を公表していない。「LRIP 8」の目標単価は「LRIP7」に比べて3.5%安くなっている。現在行われている飛行試験で不具合が見付かった場合、その修正コストは国防総省とロッキードが折半で負担することになる。
今回の発注分は2016年春から引渡しが始まり、空軍用のF-35Aが19機作られるが、この他にイスラエル向けの2機、日本向けに4機、ノルウエー向け2機、イタリア向け2機のF-35Aが製造される。
さらにF-35B 短距離離陸垂直着陸機(STOVL)は米海兵隊用に6機と英国向けに4機が作られる。空母艦載機型F-35Cは米海軍用に3機と海兵隊向けに1機が用意される。
これまでに引渡し済みの各種F-35は合計115機になっている。
これで我国が待ち望んでいたF-35Aの入手が漸く再来年からスタートすることが確実になった。
–以上−
本稿作成の参考にした記事は次ぎの通り。
Aviation Week eBulletin Nov. 24, 2014 “pentagon, Lockheed Sign F-35 LRIP 8 Deal” by Amy Butler