2015 -05-16 (平成27年) 松尾芳郎
今年も7月末に「全米試作機協会(EAA)」が主催するオシュコシュ航空ショーが開かれるが、航空愛好家のエリック-W-ミラー(Eric W. Miller)氏が撮影したショーの美しい写真があるのでご覧に入れたい。次揭サイトをクリックして開くと、写真は全部で70枚、第一次大戦の機体からエアレース用の曲技機、最新のRockwell B-1爆撃機まで、さらに旧ソ連のMigも入っている。写真をゆっくり見たいときは右下をクリックする。
http-//www.ericwmillerph#164253
写真１：(EAA)2006年ショーに訪れた自家用機が駐機するキャンプ場(North 40 Aircraft Camping Area)。おびただしい数の自家用機には圧倒される。
アメリカ北部ミシガン湖の西側ウイスコンシン(Wisconsin)州中程のウネバゴ郡(Winnebago County)にある人口66,000人の小都市オシュコシュ(Oshkosh)で毎年7月末に開かれる航空ショウは世界最大の規模を誇る。全米試作機協会(EAA=Experimental Aircraft Association)主催の航空愛好家の集まるショウで、同地のウイットマン地域空港(Wittman Regional Airport)で開催される。以前は[EAA Annual Convention and Fly-In]と呼んでいたが、1998年から「EAA エアベンチャー オシュコシュ(EAA AirVenture Oshkosh)」と呼ばれるようになった。
全米試作機協会(EAA)は1953年に設立され、最初のショーは150人ほどの参加者と、愛好家が作る10機前後の小型の試作機が集まっただけだった。それがだんだん盛況になり、会場も小さな飛行場から1970年には現在の場所で行われるようになった。
2014年のショーには約50万の人々と1万機の飛行機が集まった。1万機の飛行機の主な内訳は、2,650機/ショーに参加展示するための機体、1,000機/ホームビルド機、1,050機/年代物の機体、300機/旧軍用機、その他、であった。展示機は、ボーイング787、エアバスA330などの大型機からホンダジェットのようなビジネス機、さらには超小型の試作機など、多岐に渡っている。
こう云うことでショー期間中は、ウイットマン空港は世界で最も多忙な空港となり、FAAは毎年パイロットに対し特別な通報、NOTAM (Notice for Airman)を発行している。
写真２：(EAA AirVenture Oshkosh 2015, by Jim Koepnick)今年のエアベンチャーショーは7月20-26日に開催される。期間中先の大戦で使われた多数の飛行機の展示が行われる。これは今年のショーの写真を撮るためCAF＊所有のB-29とP-51ムスタングの編隊がウイットマン空港隣接の湖の上空を飛行している様子。
CAF＊は「Commemorative Air Force(記念空軍？)」の略、テキサス州にあるNPO団体で、米国およびカナダにある歴史的な飛行機を保存し、各地の航空ショーで展示あるいはデモ飛行を行っている。1957年に4機のP-51ムスタングを購入したのを手始めに、主として第二次大戦機の収集に力を入れている。大型機ではノースアメリカンB-25、ボーイングB-17、コンソリデイテッドB-24、世界で唯一の飛行可能なB-29など。小型機では連絡機ステインソンL-5、ベルP-63キングコブラ、日本の三菱A6M零戦、ダグラスSBDドーントレス、などを保有する。全部で140機を所有、そのうち100機は飛行できる状態にある。テキサス州ミッドランド(Midland)に博物館を持ち、本社はダラス-エグゼクテイブ空港にある。構成員は、全米から集まったボランテイアで、パイロット、整備員など11,000名。
表題の「EAAオシュコシュ航空ショー」でも華やかな展示飛行で協力している。冒頭の「エリック-ミラー氏の写真集」にもCAFの展示機が多数掲載されている。
写真３:(CAF)今年のオシュコシュ航空ショー用にCAFが用意した零戦。CAFでは“トラ、トラ、トラ奇襲攻撃”と題して零戦、固定脚の99式艦上爆撃機、魚雷搭載の97式艦上攻撃機、の３機による超低空飛行を呼び物にしている。
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本稿作成の参考にした主な記事は次の通り。
Aviation News 5/8/2015, Oshkosh Aircraft Photos
EAA AirVenture Oshkosh July 20-26, 2015