露、電子偵察機接近で、航空自衛隊スクランブル


2010-10-13    小河正義

 

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図:(防衛省)10月12日我国の本州西部領空に接近したロシア軍電子偵察機Il-20の飛行経路。

10月12日ロシア機

 

図:(防衛省)数日前に本州に接近したのと同じIl-20 SDR型電子戦情報蒐集機、今回の撮影はかなり鮮明で、前身のIl-18型旅客機時代の客席の窓がはっきり見える。翼下面には情報蒐集用ポッド、胴体後部にはフェイズドアレイアンテナとおぼしきものが写っている。

防衛省統合幕僚監部は露、電子偵察機の本州西部接近飛行に対応し要撃戦闘機のスクランブル(緊急発進)で警戒監視に当たったと発表した。 発表によると、航空自衛隊機がスクランブル(緊急発進)したのは10月12日。同日竹島、北東の日本海上空で防空識別圏(ADIZ)に近ずく国籍不明機の反応が防空レーダー上で探知された。直ちに小松、築城各基地から待機中のF-15要撃戦闘機がスクランブル出動し、警戒監視に当たった。パイロットの目視確認で対象機は露海軍の電子偵察機、イリューシンIL-20『クートA』と判定された。単独機だった。 同機は日本海を南西方向に南下、対馬列島東北東方に接近後、機首を反転。元来たルートをたどり沿海州方面に去ったという。領空侵犯には至らなかった。 露機は撮影した機影から新型側方監視レーダーを胴体後部に積載している可能性もある。イリューシンIL-20『クートA』ターボプロップ4発輸送機、IL-18型機を母体に電子偵察機用に改造された。 今月に入って同型機が日本海上空で頻繁に偵察活動を続けており、防衛省統合幕僚監部では背景を慎重に分析中だ。